【コラム・秋元昭臣】昨夏、モーターボートで北浦・利根川をクルーズしました。「水郷」潮来(茨城県)を出発。霞ケ浦の隣りの北浦と利根川を巡り、「小江戸」佐原(千葉県)にも寄って、最後は霞ケ浦畔の温泉で夕日を鑑賞。今回はこのクルーズ報告です。
潮来から、「道の駅潮来」を脇に見て鰐川(わにがわ)に出ると、水中ににそそり立つのは「鹿島神宮西の一之鳥居」(地図番号①)。拝礼し、ボートを左に変針し、神宮橋をくぐると、白く光る五連のアーチ「北浦大橋」(同②)が見えます。
左岸にある「潮来マリーナ」では、釣り堀が楽しめます。マリーナから車で10分の「天然水原温泉・簡保の宿潮来」では、入浴もできます。その近くの「ファーマーズビレッジ」では、キャンプやグランピングのほか、水陸両用バスにも乗れます。
北浦を北上すると、アーチ橋「鹿行大橋」(同③)が見えてきます。さらにボートを進め、左岸に係留。ここから、「北浦温泉北浦荘」まで歩いて5分。鹿島灘の「下律海水浴場」までは車で10分。北浦の北端に位置する鉾田市は、イチゴやメロンの産地ですが、北浦の先端部は水深が浅く、近づくと座礁の危険も。
そこでUターン。どんな御利益があるかは分かりませんが、お社(やしろ)のような「釜谷沖観測所」(同④)に手を合わせ、利根川に向かいます。
赤レンガの横利根閘門をセルフ開閉
鹿島神社の鳥居を背に、鰐川経由で外浪逆浦(そとなさかうら、汽水湖)を越え、神栖市の常陸川左岸「息栖(いきす)神社」に参拝。「常陸川逆水門」(同⑤)を経て、利根川本流に合流。そこで反転し、利根川河口堰(せき)水門を抜け、香取市の「香取神宮一の鳥居」(同⑥)を拝し、「道の駅・川の駅水の郷さわら」に上陸。
ここで休憩してもよし。小野川を上って、「小江戸」佐原の街並み、「伊能忠敬記念館」や「水郷佐原山車会館」などを訪ねるのも面白いでしょう。
さて、今回最大のイベント。利根川を横切り、茨城と千葉の県境付近に位置する「赤レンガの横利根閘門(こうもん)」(同⑦)をセルフ開閉で通過。壁にぶら下がっているスイッチを引くだけだが、スリルいっぱい。後方の水門が閉まり、ドックの水位と出口の水位が同じになると、前方の門が静かに開き、信号が青に変わったらGO! 目の前に横利根運河が広がります。
横利根川はヘラブナの釣り場で有名。休日には、多くの釣りざおが小舟から川面に突き出ています。それらが川幅を狭めるために、デッドスロー(最徐行)で、波を立てないよう航行することが必要です。 出口は牛堀。いつもは、「新横利根川閘門」(同⑧)を通り、右折して潮来に戻ります。でも今回は左折し、「北利根橋」(同⑨)をくぐって、行方市麻生に入り天王崎の「あそう温泉 白帆の湯」に。露天風呂から見る霞ケ浦の夕日は最高です。(元ラクスマリーナ専務)