水曜日, 11月 4, 2026
ホームスポーツ今季はプロへ6選手 筑波大蹴球部が合同記者会見

今季はプロへ6選手 筑波大蹴球部が合同記者会見

筑波大学蹴球部からプロサッカーチームへ加入する6選手の合同記者会見が27日、つくば市天王台の同大学会館特別会議室で開かれ、各選手が来季への意気込みなどを語った。今年は6人中5人がJリーグ1部のチームに進むなど、日本のプロサッカー界における大卒選手の存在感がいっそう高まりそうだ。

プロに挑む6選手の抱負

清水エスパルスに内定した山原怜音選手は、大学ではサイドハーフやサイドバックとしてゴールやアシストを量産してきた。「清水では持ち味の攻撃力を生かして多くの試合にからみ、クラブの勝利のため日々努力したい」と語る。両足からの精度の高いキックが持ち味で「クロスやミドルシュートなど得点に直接結び付くプレーをしたい。どこで出てもチームの勝利に貢献できると思うが、一番強みがあるサイドバックで主にやりたい」と意気込む。

柏レイソルに加入内定の加藤匠人選手は「巧みな技術と鋭い観察力の頭脳派ボランチ」とのチーム評。今季は大学と並行し、柏の特別指定選手としても活動してきた。「柏は小5から高3まで7年間過ごした愛するクラブ。幼いころからのプロ選手への夢がかない、責任と覚悟が増してきている」。目標はクラブのレジェンドである大谷秀和主将を超えること。「大谷選手は小学生のときからのあこがれ。今の柏のボランチには球際に強い選手がそろっているが、その中でポジションを勝ち取りたい」

角田涼太朗選手は今年7月、横浜Fマリノスでプロ選手としてのキャリアをスタートさせている。「半年間マリノスでプレーし、自分の決断は間違ってなかったと胸を張れる。来年は勝負の年。自分のプレースタイルを順応させ、自分にしかできないプレーをしたい」武器は対人の強さと正確なキック。左利きでセンターバックとサイドバックの両方をできる希少な選手だ。「ビルドアップで相手がプレスをかけにくい利点を生かし、自分の持ち味である攻撃の起点となるパスを供給したい」

井川空選手は北海道コンサドーレ札幌に内定。「高い守備力と正確な技術で試合の流れを引き寄せる」とされるユーティリティープレーヤーで、大学ではボランチ、センターバック、サイドバックを務めた。「札幌ではボランチで勝負したいが、どのポジションで試合に出ても自分の力を100パーセント生かし、チームに勝利をもたらしたい。ピッチを広く使える展開力や運動量などダイナミックさが取り柄。チームのため献身的に戦い、ボールを刈り取る姿を見てほしい」

小林幹選手はシンガポールプレミアリーグのアルビレックス新潟シンガポールに内定。「U23のチームなので1年がリミット。その間にどれだけ成長できるかが試される。逆輸入され、この5人と同じJリーグのピッチに立つことが目標」。フォワードからボランチまで攻撃的ポジションは全部経験があるが、クラブからはボランチとして期待されているという。「全試合フルタイム出場し、攻守に圧倒的な存在感を放つことが必要。小林のチームと言われるくらいになりたい」

森海渡選手は柏レイソルに内定。今は大学3年だが角田選手同様、蹴球部を退部してのプロ入りとなる。「大学で4年間プレーする選択肢もあったが自分のキャリアを見据え、もっと上へ行きたいと決断した。この決断をして良かったと思えるようになりたい」。今季関東大学リーグ1部で14ゴールを挙げ、トップスコアラーに輝いたストライカー。「控え目だが来季目標は5ゴール。FWは結果が全ての世界。スピードや得点感覚では負けてなく、一年目から活躍したい」

トップチームの選手やトレーナーら有志と共に=同

卒業を待たないプロへの道筋

近年は角田選手や森選手のように、大学卒業を待たずしてプロ入りする例が増えている。筑波大蹴球部の小井土正亮監督は「一昨年の上田綺世選手(法大→鹿島)らが道筋を作ってくれ、大学生でもこれほどのプレーができるという見本となり、戦力として考えてオファーしてくれている」と分析する。だが、選手として評価されたから即プロになれるといった甘い考えではいけないと指摘する。「学生として学業も十分やっていることが大前提。大学にサッカーだけをしに来ているようではプロとして通用しない。所属する部の仲間を納得させ、快く送り出してもらえるような努力をしてきたのか。そうでなくてはプロへ行っても応援される選手にはなれない」

例えば角田選手は、傍目には一足飛びにプロ入りしたように見えても、本人としては満を持してという思いが強いそうだ。昨年10月に横浜Fマリノスに内定し、特別指定選手としてプレーも経験したが、今季前半は学業に専念。「筑波大に進んだ意味は人間的成長やセカンドキャリアを考えて。だから学業をおろそかにしたくなかった。教育実習はさまざまな経験ができるのでぜひ行きたかったし、そのタイミングが被ったので半年間の猶予をもらった」

森選手もまた入学時からプロキャリアを見据え、目標高く取り組んできた。1年次から積極的に授業に出て、3年で卒業に必要な単位はすべて取得。教育実習だけはあきらめたが、これは後から好きなタイミングで行くことができる。小井土監督も「選手として飛びぬけた能力を発揮し、大学ではやり残したことはないと思えるほどの活躍を見せたのだから、さらに上を目指したいという思いが芽生えるのは自然なこと。学生の本分とサッカー選手としてのキャリアとの間で何が大事か考えてあげ、できる状況にあるならトライするという選択も指導者として尊重したい」と巣立ちを温かく見守る。(池田充雄)

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