金曜日, 1月 16, 2026
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移動スーパーが街なかにやってきた【人と仕事の回顧録’21】4

カスミビジネス変革本部 君和田勉UXデザインマネジャー

野菜やお魚・お肉などの生鮮食品はじめ、牛乳やパンなどの食品類を軽車両に積み込んで走る「移動スーパー」が土浦市内でもよく見られるようになった。運営するカスミ(本社・つくば市、山本慎一郎社長)に聞くと、昨年10月から同市内での運行を開始し、今年7月には2台目が投入された。今月からはいわゆる「街なか」の川口町中央出張所、鷲宮神社、龍泉寺などを販売場所として巡回するようになっている。

かつて「商都」と呼ばれた土浦市の旧市街地、「目抜き通り」とも称していた亀城公園~土浦駅の駅前通りからは大型店ばかりかコンビニも消え、地域住民の買物難民化が著しい。免許返納者も増え、郊外スーパーへの買い物は高齢者世帯には大きな負担になっている。

人口減少や少子高齢化の影響により流通機能や公共交通網が弱体化したことで、日常の購買行動が困難になった「買い物弱者」は、都市部・農村部を問わずに増えている。カスミビジネス変革本部の君和田勉UXデザインマネジャー(62)は、移動スーパーを「あくまで弱者支援からの社会貢献活動」と位置づける。

肩書のUXはユーザーエクスペリエンス、顧客サイドが感じる使いやすさや経験を商品やサービスに生かすセクション。無店舗販売やネットスーパーなどの事業を手掛けるが、移動スーパーについてはコロナ禍以降目立ってきた宅配・デリバリーの業態開発的な見方はしてほしくないという。日常の買い物に困った地域の自治会などの働きかけを受け、行政の支援要請にカスミが運営協力するというスタイルを取っている。

2013年3月につくば市で開始され、以降、茨城県内12市2町、千葉県7市1町、埼玉県1市1町、栃木県2市、合計車両31台が運行されている。

650品目を積み込んで1日10カ所前後を回る移動スーパー=土浦市内(カスミ提供)

土浦市内は並木店、高津店が拠点店舗となり、2ルート合計78カ所の販売場所を週1回から2回のペースで回る。積み込まれるのは野菜・お魚・お肉などの生鮮食品、豆腐・牛乳・パンなどの日配品、調味料・菓子などの加工食品、おにぎり・弁当、日用品など生活必需品約650品目。「次に来るとき水をケースで持ってきてほしい」などの注文にも極力応えているという。

「ちょっとでも、同じ時間帯に同じ場所にご近所さんが集まってのコミュニケーションは、家にこもりがちなお年寄りにはプラスになると思う」と君和田マネジャー。買い物は基本、負担ではなく楽しいものだという思いがある。(相澤冬樹)

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