金曜日, 1月 30, 2026
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歴史と伝統の水戸駅《茨城鉄道物語》18

【コラム・塚本一也】県内の鉄道路線巡りは全て終了したので、今回から駅舎について少し語ってみようかと思います。その初回は、何と言っても水戸駅を取り上げなければならないでしょう。

常磐線水戸駅は1889年(明治22年)1月に開業しました。歴代の水戸駅の写真がJR水戸駅の駅長室に飾られているのですが、開業当時の写真を見ると、水戸駅南口のすぐ前には千波湖の湖畔が迫っているのがわかります。つまり、現在の水戸駅南口は、ほぼ千波湖だったのです。

1889(明治22)年の開業時の水戸駅の写真

私は1996年から98年までJR水戸支社に勤務しており、水戸駅周辺の工事に携わっておりました。当時、南口はまだ開発途中であり、造成工事の最中だったのですが、そこかしこから地下水が湧き出ていました。

また、当時私が担当していた工事で、水戸駅北口の東京方面に駅ビルを増築するプロジェクトがありました。腐葉土のような軟弱地盤を相手に、地盤改良工事に悪戦苦闘した思い出があります。入社5年目でまだ駆け出しの私にとって、様々なアクシデントを乗り越えた試練の現場でした。

「おもてなしの心」を感じる駅

そんな水戸駅ですが、1985年のつくば科学万博を機に橋上化し、「EXCEL(エクセル)」という名称で駅ビルもオープンしました。現在でも、水戸線を含めたJR線が3路線と私鉄では鹿島臨海鉄道線が乗り入れており、地方都市のターミナル駅を形成しています。また乗降客数も県内最多であり、JRだけでなく県内全ての路線と比較しても、その格付けはNO.1の駅です。

私の知人でつくば市を訪れた県外の方が、次に水戸市を訪れた時に、「つくば市にはない雰囲気だ」と、感想を述べられたことがあります。

水戸市にある雰囲気とは何でしょうか? やはり「歴史と伝統」の香りではないでしょうか。水戸芸術館や県民文化センター、また建設中の市民会館などもそうですが、文化を発信しようという意気込みが感じられます。

鉄道駅舎も同様であり、茨城県を訪れたお客様をお迎えする「おもてなしの心」を水戸駅に感じます。ただ単に旅客をさばくだけでなく、にぎわいを創出したり県産品を販売したり、そういった気遣いは他の駅にはありません。これからも県都の顔として、その存在感を示してもらいたいと思います。(一級建築士)

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