小惑星探査機「はやぶさ2」帰還カプセル展示が10日から、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻)で始まる。14日まで。展示されるのは、2020年12月に「はやぶさ2」が地球に持ち帰った、小惑星リュウグウで採取した砂や石などの調査サンプルを収容していたカプセル。
「はさぶさ2」は、地球の水や有機物の起源、生命誕生の秘密に迫ることを主な目的に、2014年12月に種子島宇宙センターから打ち上げられた小惑星探査機。近地球型とよばれる小惑星「イトカワ」を探査し2010年に地球に帰還した「はやぶさ」の後継機にあたる。「はやぶさ2」が目指したのは、直径900mメートル小惑星リュウグウ。接近時、地球から約3億キロの距離にあった。
そこには太陽系が誕生したとされる約46億年前の水や有機物の痕跡が残るとされる。総飛行距離約52億4千万キロの末に持ち帰ったサンプルは、日本を中心とした14 カ国、109の大学と研究機関、269人が参加する国際チームで進められている。
展示会場には、金色の耐熱材が部分的に残る大気圏突入時の高温にも耐えたパーツや、大気圏を通過後に着地時の衝撃を和らげるためのパラシュートなどの実物が並ぶ。他に、一連のプロジェクトの詳細を解説したパネル展示、映像コーナーも設けられている。

企画を担当する、エキスポセンター展示・催事主任の佐々木貴史さんは「焼け残った金色の耐熱材が残るなど、宇宙を旅した実物が持つ迫力を感じてもらえるはず。宇宙とのつながりを実感してもらうことで、将来、宇宙に関わる分野に進んでくれるお子さんが増えたらうれしい」と話す。
展示と並行し、エキスポセンター内のプラネタリウムでは関連企画として、「HAYABUSA 2〜REBORN 帰還バージョン」(上坂浩光監督)が上映される。
新型コロナ感染対策から、展示、映像作品上映ともに完全事前予約制。ウェブサイトから手続きができる。また上映スケジュールも、同サイト内で確認できる。期間はともに14日までの5日間。(柴田大輔)