路線バスを運行する関東鉄道(土浦市真鍋、松上英一郎社長)のグループ4社が4月、日本海事協会の「働きやすい職場認証制度(運転者職場環境良好度認証制度)」の認証を受け、5月に登録された。
認証されたのは関東鉄道のほか、関東鉄道観光バス(同、廣瀬貢司社長)、関鉄パープルバス(下妻市、長津博樹社長)、関鉄グリーンバス(石岡市、同社長)の4社。
認証要件は、従業員の労働時間や休日など法令を順守している、健康状態や疲労を把握している、交通事故防止や労災防止に取り組んでいる、多様な人材が働ける環境を整えているーなど。
現在の体制が評価
関東鉄道総務部人事担当課の加藤由則課長は「運転手を増やしたいという思いで10月に申請した。認証を受けるために新たに社内制度などを整えたわけではないので、現在の体制が評価されたと考えている」と話す。
同社では性別関係なく1年間の育児休暇の取得ができる。ストレスや適応障害などが生じた場合は産業医と提携し気軽に相談できる環境を整えている。社内野球大会を開催するなど従業員同士の交流を深め、さらに女性専用の更衣室、休憩室を備えるなど、従業員が働きやすい職場環境を整えているという。
加藤課長は「4月に認定されたばかりなので、今後求人への反応や応募増加に期待したい」と語った。
内部統制企画担当の森田玲泉さんは「関東鉄道だけでも現在573人の運転手がいるが、もっと必要」だとし、特に人口が増えているつくば、つくばみらい、守谷市など県南で運転手が不足しており、運転手が増えることに期待しているという。
県内9社が登録
働きやすい職場認証制度は国交省が2020年8月に創設した制度で、バス、トラック、タクシー事業者などを対象に、職場環境改善に向けた取り組みを「見える化」し、運転手不足に対応することを目的としたもの。
現在は、制度の浸透や基本的な取り組みを徹底するために、一つ星に限定して認証している。日本海事協会は、国交省の指定を受け、申請受付や審査、認証の手続きを実施している。
認定後は厚労省と連携し、ハローワークでの求人票への記載や認証事業者と求職者のマッチング支援を検討している。将来は二つ星、三ツ星の認証などもできる。
昨年9月から12月に初めて公募が実施され、今回、全国で2558件が登録された。そのうちバス会社は172社で、県内では同4社を含む9社が登録された。(伊藤悦子)