木曜日, 9月 23, 2021
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東京23区の地下を立体的に見る 産総研の「次世代地質図」完成

産業技術総合研究所(産総研)地質情報研究部門(つくば市東)は21日、東京都心部の地下数十メートルまでの地質構造を、3次元で立体的に見ることのできる次世代地質図「3次元地質地盤図~東京23区版」を完成させ、ウェブ上に一般公開した。同部門情報地質研究グループの中澤努研究グループ長、野々垣進主任研究員らが、会見し発表した。

5万地点に及ぶ大量の調査データを独自に開発した3次元モデリング技術で解析することで、東京都心部の詳細な地下地質構造を立体的に可視化した。3次元地質地盤図としては、2018年に千葉県北部地域を公開しているが、中澤さんらは「これほど緻密なのは世界初」としている。

会見に臨む野々垣進主任研究員(左)と中澤努研究グループ長=同

これまでの地質図は、地層の種類ごとに色分けして平面図に表していた。このため平坦な都市部では、地下の地層の分布をわかりやすく表現するのが難しく、地下の断面図もあらかじめ決められた部分だけしか掲載できなかったという。信頼性の高い地下地質構造の解析が得られたことで、今回の完成に至った。

どこでも誰でも使える情報

東京東部の低地には、沖積層と呼ばれる軟弱な泥層を主体とする地層が、最終氷期(最盛期は約2万年前)に海面の低下により形成された谷を埋めるように分布することが知られていた。ボーリング調査データの解析は、この沖積層が埋積する埋没谷の3次元形状を、詳細に描き出すことを可能にした。埋没谷底は、東京湾岸の最も深いところで、深さがおよそ80メートルあった。

山の手の武蔵野台地の地下の埋没谷形状=同

存在する軟弱な地層の分布が詳細に把握できるようになっただけでなく、これまで軟弱地盤がないと考えられていた山の手の武蔵野台地の地下にも、一部で軟弱地盤が広がっていることが新たに分かった。これら軟弱地盤の有無は地震時の揺れ方に影響することから、地震ハザードマップや都市インフラ整備などでの幅広い利活用が期待される。

茨城県南は⁈

研究グループは2024年までに首都圏主要部をカバーし、その後は京阪神など、他の都市域についても作成する予定。

つくば・土浦地区については既に公開している環境地質図のデータがあり、それを用いての3次元化を検討中という。つくば・土浦地区は東京同様、最終氷期の谷に軟弱地盤が広がり、また台地に軟弱地盤が広がっている可能性も否定できないことから、早期の着手が望まれる。

「都市域の地質地盤図」は21日から、産総研地質調査総合センターウェブサイトで公開されている。(如月啓)

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