土曜日, 5月 15, 2021
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福島第1の汚染水、海洋放出へ-問題点は 《邑から日本を見る》86

【コラム・先﨑千尋】政府は今月13日、東京電力福島第1原発で増え続ける放射性物質を含んだ処理水を海洋に放出する方針を決め、18日にいわき市で「廃炉・汚染水・処理水対策福島協議会」を開き、地元市町村長、漁連、農協など関係者にその方針を伝えた。県内の首長や団体代表から意見を直接聞いたのは初めて。

それに対して、「放出には反対。政府の方針は関係者の理解を得ておらず、国、東電への信頼性に疑問がある」(野崎哲県漁連会長)という声をはじめ、「方針を決めた後で説明するということは、結論ありきではないか。海洋放出は、漁民だけでなく県民全体にも影響を及ぼす。正確な、透明性のある情報を出してほしい。海洋放出による損害は、風評ではなく実害だ」など、政府の方針に批判的な意見が多く出された。

しかし、政府や東電の答弁は「今回の意見は今後の検討に反映させたい」などというもので、具体策には触れなかった。今回の経過を取材したが、そのなかで私にはいくつか疑問が湧いた。

東電は2015年に県漁連に「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と文書で約束している。今回の政府の決定では、このことには触れていない。地元との約束を守らず、「丁寧な説明をする」と言われても、誰が信用するのだろうか。「国が決めたのだからそれに従って放出する」と、東電は主役のはずなのに脇役に回って、他人事のようだ。

第一番に、被害を受ける漁業関係者らが反対しても、国と東電はそれを無視して海洋放出する。沖縄・辺野古への新基地建設と同じ構図ではないか。

もう一つは、風評被害(実害)に対する賠償問題だ。東電は16日に公表した賠償方針で「期間や地域、業種を限定せずに賠償する」と明記した。商品やサービスの取引量の減少、価格の下落などに基づき、損害額を算定する。しかし、その基準はまだ決まっていない。風評と損害の因果関係を厳しく審査され、被害があっても救済されないこともあり得る。

事故賠償と同じことの繰り返し?

東京電力福島第1原発の事故に伴う賠償を求める方法は、東電への直接請求と、国の原子力賠償紛争解決センター(ADR)への提訴、訴訟の3つがある。

このうちADRへの申立件数は、2020年末現在で約2万2000件。このうち約6000件は和解に至っていない。私と交流のある飯舘村の菅野哲さんらは、ADRが示した和解案を東電が拒否したため、訴訟に持ち込んだ。この10年の経過を見ていると、賠償するかどうか、またその金額は、東電が決めること、としか思えない。

今度の汚染処理水の海洋放出がなされれば、原発本体の事故の際の賠償と同じことが繰り返されるのではないか。

朝日新聞は19日の紙面で「処理水を放出しても、雨や地下水の流入で増える汚染水が処分量を上回るので、(処理水をためる)タンクの増設は避けられない」と報じている。そうだとすれば、「廃炉作業のスペースを確保するために処理水を放出する」という政府の方針とは食い違うことになる。国、東電はどうするのだろうか。(元瓜連町長)

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6 コメント

6 Comments
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名前はあるけど市民
19 days ago

「今度の汚染処理水の海洋放出がなされれば、」とありますが、
日本語として違和感があり、意味が正確にはわからない。
まず、”今度の”と”なされれば”が一つの文に入っているので、わかりにくい。
そして、「今度の汚染処理水」とは何か?この書き方は、言いたいことを省略して(隠して)いる!ような気がする。
このような書き方で良いのでしょうか?
以上です。

名無しの市民
18 days ago

メディアが「トリチウムを含む汚染水の海洋放出は世界標準」ということを
なぜ積極的に言わないのか。

汚染水を海洋放出していいとまでは言わないが、少なくとも「福島だけの風評被害」は
弱められる。

それをしないのは、そのほうが今騒いでいる国の国益を利するからだ。
流石Chi/Korに毒された大手メディア。

まあどっちにしろ「凍土壁」も嘘っぱちで、土壌を通じて既に海洋には
出ているのだろうけどね。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
18 days ago

いやいや、直接燃料棒についた水を海洋放出している国なんてないですよね。他国が言っているトリチウム水というのは、熱交換器を流れていただけの水であって、全く性質が違うでしょう。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
17 days ago

今回の問題はセシウム吸着装置とALPSを通してトリチウム以外を除去した処理水でしょ。
その処理装置がきちんと働いているのかという点は分からんけど、その処理した
水と熱交換器排水との間にどれだけ違いがあるの?ってな話だろうに。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
17 days ago

トリチウム以外の核種63種を含む「処理途上水」が82万2900トン、ALPS処理水は32万3900トンで、全体の3割だそうです。

途上水は「再び処理する」とのことです。汚染水は流れ続けてますから、再処理してたら、処理のペースはさらに遅れるということでしょうか。なんのために海洋放出するのか…メリットが、よくわかりません。

“東電が福島第一原発の「処理水」定義見直し 政府の海洋放出方針決定で”東京新聞、2021年4月27日
https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/100829

名無しの市民
返信する  名無しの市民
17 days ago

うんこ混ざった水を濾過したら、それはもはやうんこ混ざった水ではないですよね。

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