金曜日, 4月 18, 2025
ホームつくば洛北高(京都)が初優勝 科学の甲子園つくば開催

洛北高(京都)が初優勝 科学の甲子園つくば開催

4年ぶりのつくば開催となった第10回「科学の甲子園全国大会」(科学技術振興機構主催)は21日までに全競技を終了し、京都府立洛北高校が初優勝した。茨城代表、並木中等教育学校(つくば市並木)は入賞ならなかった。

並木中等は入賞ならず

大会には47都道府県の代表校が出場。1、2年生の6~8人から成るチームで、科学に関する知識とその活用能力を駆使してさまざまな課題に挑戦し、総合点を競った。従来4日間の競技日程で行われてきたが、昨年は新型コロナ感染症の影響で中止。今年も開催が危ぶまれたが、日程を3日間に短縮、同市竹園のつくば国際会議場、つくばカピオの両会場では無観客での催行となった。

理科4科目(物理、化学、生物、地学)と数学、情報にまたがる複数分野からの課題をチームワークでこなす。大会2日目の20日は、実技競技が行われたが、最終種目のシャトルウインドカーを製作して往復走行させる競技が午後6時過ぎ、宮城県で震度5強の揺れを観測した地震の揺れで中断。2回目の試技がキャンセルとなって、勝敗の綾となった。

筆記競技、実技競技3種目の得点を合計した総合成績により、洛北高が優勝、渋谷教育学園幕張高(千葉)が2位、浜松北高(静岡)が3位となった。表彰式で洛北高の関子龍君は「集まることも難しく実技の練習など苦しみながら、大会が開催できるのかずっと気懸かりだった。開催してもらえたことに感謝したい。このメンバーで優勝できてうれしい」と喜びを語った。

表彰式に臨んだ並木中等教育学校チーム=同

並木中等教育学校は5年生(高校2年)8人のチームで挑んだ。途中までは手応えを感じていたが、地震発生前の1回目の試技を失敗し、2回目を準備中にキャンセルとなって万事休した。須藤永遠キャプテンは「開催地の代表なのに申し訳ない気持ちもあるが、全国のいろんな学校の優秀な生徒と知り合えて、研究者をめざそうとしている自分には意義深かった。もっともっと知見を深めようと思った」と感想を語った。

「科学の甲子園全国大会」はこの先、2023年の第12回大会まで、つくば開催が決まっている。(相澤冬樹)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

筑波大と日本国際学園大の学生3人がデザイン スイーツ店がプリン販売

筑波大学(つくば市天王台)と日本国際学園大学(同市吾妻)の学生3人がデザインした商品パッケージラベルが、つくば市桜と守谷市けやき台に計2店舗あるチーズケーキ工房&(アンジー)のプリン3種類のパッケージデザインに採用され、販売されている。 プリンは、茨城県を代表する新たなご当地グルメを決める「シン・いばらきメシ総選挙2024」のスイーツ部門で守谷市代表として出場し、上位10位のファイナリストに選ばれた「ご褒美 いばとろリッチプリン」(税込み626円)と、同店がつくばの学生など向けにお手頃価格帯のスイーツとして新たに開発した姉妹品の「ブルーベリーとろ生チーズぷりん」(同302円)と「濃厚お芋のブリュレプリン」(410円)の3種類。 筑波大芸術学群2年の吉田有希さん(19)と、同大同学群3年の吉野侑良さん(20)、日本国際学園大経営情報学部3年の田麦梨々花さん(20)がそれぞれパッケージラベルをデザインした。吉田さんのデザインは「いばとろ」の文字を、ひらがなを使わず、アルファベットや数字、句読点を用いてユニークに表現している。吉野さんは「ブルーベリープリン」の文字を、実家の祖父が庭先で栽培しているブルーベリーの木をイメージしてデザインした。田麦さんは素材が一目で分かるよう、お芋のイラストを入れ、さらに濃厚さが伝わるようにソースのデザインにもこだわった。 パッケージラベルにはデザインした学生の名前がそれぞれ記載されている。3人には、賞金と副賞のプリンが贈られた。3人は「大変光栄で、うれしい」などと話す。 同店オーナーで県南、県西を中心に飲食店を展開する「いのいち」(本社つくば市天久保)の市村剛社長(49)と、筑波大出身で同市天久保で筑波大生向けにリサイクル品を販売したり家電のリースサービスなどを提供する店「つくばローカルコミュニティ」を経営する山根和仁代表(49)が、デザインコンペを企画し実施した。 両大学の学生約50人から応募があり、同店のスタッフらが審査し選考した。日本国際学園大はデザインの授業の一環で取り組んだ。同大からはほかに、商品化はされなかったが、経営情報学部4年の笹尾栄太さんのデザインが社長賞に選ばれた。 いのいちは22年前につくば市内で居酒屋を創業した。飲食店事業を拡大する中、市村社長によると、たくさんの筑波大生がグループ店でアルバイトをしてくれたことから、恩返しできないかとつくばの大学生を対象にデザインコンペを開催した。今回新たに販売するブルーベリーとお芋の2種類のプリンは、大学生が帰省する際などに、ちょっとした手土産になるつくばのスイーツにしたいと開発したという。 山根代表は「地域の企業とつくばの学生が協力して新しい商品やサービスをつくり、地域を盛り上げることができれば」とし「今後も地域の企業のニーズに応えてコンペを開催していきたい」と話す。(鈴木宏子)

豊里ゆかりの森のスペースキャビン《ご近所スケッチ》16

【コラム・川浪せつ子】つくば市の「豊里ゆかりの森」(同市遠東)の中にある「スペースキャビン」。つくば科学万国博覧会のとき、宿泊施設として造られました。1985年オープンなので、建ったのは40年前です。今でも宿泊に使われています。年数が経ったため、現在11棟あるものを修理し、数棟に減らす予定だそうです。自然の中のこの場所の風景にマッチしています。 園内には、キャンプ場、バーベキュー場、アスレティック施設、テニスコート、宿泊施設「あかまつ」、昆虫館、工芸館などがあります。スケッチに行ったとき、平日にもかかわらず、年配の方から子供まで、たくさんの方が来訪されていました。 昨年からは美術館も開館。日本のトップクラスの画家さんの展覧会が、今までに3回も開催されました。それも無料で! 4回目の展覧会も期待しています。 ゆかりの森の入り口手前に、私の30数年来の友人が「野市場」という農産物販売所と自然体験活動のクラブハウスを造りました。農作物などの販売のほか、ネイチャークラブ20数年のキャリアが詰め込まれた店主さんの野外活動の拠点にもなっています。 お店の本格的な始動は4月25日から。「野市場」の建物も描かせて頂きました。つくばに新しい風を吹き込んで、地域と自然を大切にして、楽しく暮らせる場所になっていくことでしょう。(イラストレーター) ◆「野市場」はこちら。「つくばネイチャークラブ」はこちら。

暗い世情、明るい未来を 「茨城現展」始まる 県つくば美術館

個性を尊重し自由な表現活動を行う美術家団体「現代美術家協会茨城支部」(佐野幸子支部長)の第41回茨城現展が15日から、つくば市吾妻、県つくば美術館で開かれている。佐野支部長は「戦争など、世界中で不幸なニュースが多い中、明るい未来がくることを願う作品が目立つ」と話す。 茨城支部の会員など約50人の美術家による油絵、デザイン、立体作品、工芸、写真などさまざまなジャンルの計201点が一堂に展示されている。 佐野支部長は、ロシアによるウクライナ侵攻後、2年前ほどから、反戦をテーマにした作品を描き続けている。今年は、今も続く戦禍で大変な思いをしている人々にエールを送りたいと、旗をイメージした縦1.9メートル、横1.6メートルの抽象画を展示している。作品には渦巻きがいくつも描かれ、戦禍の人々の思いが渦を巻く。 つくば市在住の佐々木量代さんは、草原の背景に不吉な雲がもくもくと立ち上る「乱気流」と題する作品を出展している。「世の中のごたごたや殺伐とした世界を、よく目にする日常風景の中に表現した」と話す。牛久市の福田三恵子さんは、能登半島に伝わる「織姫伝説」をテーマに、満開の桜の花に包まれた織姫の姿を描いた。「地震に見舞われた能登半島の復興が進まない中、早く復興してほしいという願いを込めた」と語る。 会場では企画展示として、中国出身で阿見町在住のステンドグラス作家、劉毅(りゅう・き)さんによるペン画と、渡辺雅之さんによるアニメの世界のようなデジタルアートが展示されている。 劉さんのペン画作品「日々を描く」は、劉さんがほぼ毎日付けている日記帳に描かれたデッサンを、動物、人物などジャンルに分け、縦約1メートル、横約1.5メートルのキャンパスに約120ページ分貼り付けている。11人の顔をデッサンした「夢を見て日本へ」は、劉さんが支援するベトナム、インドネシア、中国など各国から来日した実習生の姿や表情などが描かれている。 ほかに、つくば市の筑波山麓で有機農業をしながら絵を描いたり演劇活動をする障害者施設「自然生クラブ」の知的障害者が描いた作品も併せて展示されている。会員以外の作品が展示されるのは今回が初めてという。 ◆同展は15日(火)~20日(日)まで、つくば市吾妻2-8、県つくば美術館で開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。

地域と協業する大学部活動の新しい形 「つくばスクラム」が支援

茨城県南部は、茗溪学園中学・高校や筑波大学、流通経済大学など強豪校が集中する全国屈指のラグビータウンだ。一般社団法人「つくばスクラム」(本社つくば市、廣瀬重之代表)はこの地域のラグビー・スポーツ振興のため、2023年に筑波大学内に設立された。同大ラグビー部(嶋﨑達也監督)の強化支援も目的の一つで、勝つことで人々を勇気付け、地域に元気をもたらす存在になりたいという。 代表の廣瀬さんは筑波大ラグビー部OBで、嶋﨑監督とは同期。卒業から15年、今年度から同部ゼネラルマネージャーも務める。 子どもたちのスポーツ環境を支えたい つくばスクラムの主要な活動の一つが、筑波大ラグビー部およびジャパンラグビーリーグワンの浦安D-Rocksとの協業による「UTRラグビーアカデミー」の運営だ。専門性が高い指導の下、年齢が近く親近感がある現役ラグビー部員が一緒に体を動かすことで、地域の子どもたちが楽しく夢中でプレーしながら心身ともに成長できる場を提供する。 「つくば近郊エリアには幼児・小学生向けのラグビースクールが存在するが、土日以外のプレー機会の増加や、専門的スキルの向上を求める声も上がっていた。また、スクールでラグビーに触れても中学校にはラグビー部がなく、やむなく他の競技に転向するという問題もあった。部活動の地域移行化など変革期にある子どもたちのスポーツ環境を支える場となりたい」と廣瀬代表は構想する。 地域ラグビーのさらなる活性化へ つくばスクラムと筑波大ラグビー部は、地域のラグビーを活性化する数々の取り組みも行っている。子どもたちに安全で楽しいラグビー体験を提供する「つくばタグラグビーフェスティバル」を一昨年から開催。今年は初心者カテゴリーに21チーム、経験者カテゴリーに17チームが参加し、会場のCHUBE UT Field(筑波大学ラグビー場)では約300人の観客がスタンドから見守る中、子どもたちが天然芝のフィールドを走り回って交流した。 昨年には「つくばラグビーフェスティバル」を15年ぶりに復活。小学5・6年生対象のクリニックのほか、つくば秀英高-常総学院高、筑波大-流通経済大の試合などを開催し、ラグビー三昧の一日となった。 毎年10月の「つくばスポーツフェスティバル&つくパラ」にも出展しており、昨年はラグビーに初めて触れる子どもたちに向けて「鬼ごっこゲーム体験」を実施した。 このほか普及活動として、近隣の保育園・幼稚園やラグビースクールなどへの学生コーチの派遣も行っている。 谷田部小学校での普及活動(つくばスクラム提供) 日本一になって地域に恩返しを これらの活動は、筑波大ラグビー部が既存の大学部活動の枠を超え、自ら学外へ出て地域と協業するのを支援するという側面もある。 「背景には資金が潤沢な私学に対し、運営費が乏しい国公立という大学部活動の二極化がある。弊部では寮を持たず部員は一人暮らしをしており、体づくりのための栄養管理が難しい。都内へ試合に行くにもバス代などの負担が大きい。活動の収益を部の強化費や遠征費などに役立てたい」 逆境の中でも常に可能性を示し続けるのが同部の社会的使命。全国大学ラグビーフットボール選手権大会では2012年と2014年に準優勝を果たした。次の目標はつくばから初の日本一になり、地域に感動を与えることだという。 「地域に出ていくことで、応援したいという声が直接耳に届くようになった。その声に応え、強くなり地域に喜んでもらうことが恩返し。1月2日に国立競技場で開催される決勝で、スタンドがチームカラーの水色で一面に染まる未来を夢見て活動している」(池田充雄) ◆UTRラグビーアカデミーは小学3年~中学3年生が対象。開催日時は原則毎週金曜日(一部木曜日あり)午後6時30分~8時00分、場所はCHUBE UT Field(筑波大学ラグビー場)、問い合わせはメール(info@utr-rugbyacademy.jp)へ。