土浦市在住の映像ディレクター兼写真家、せきごうさんの写真展「北浦・霞ケ浦百景」が17日から土浦駅西口前のアルカス土浦1階、土浦市民ギャラリーで開かれている。展示作品は50点ほど。季節や気候、時間帯などで千変万化する湖の姿をとらえた。

せきさんは霞ケ浦をテーマの一つに据え、長年撮り続けてきた。始まりは「汚い湖というイメージが定着し、美しかったかつての姿を取り戻そうと、多くの人が活動してきた。それに写真で関わるには、とにかく霞ケ浦の美しい面をとらえなくてはと考えた」ことだった。
国土交通省が定義する霞ケ浦は、西浦・北浦・外浪逆浦という3つの湖をつなぎ、常陸利根川が利根川に合流する常陸川水門(逆水門)までを含んだ広大なエリア。湖面積は220平方キロで琵琶湖の約3分の1だが、周囲長は琵琶湖よりも20キロほど長い約250キロ。この全域をぐるりと囲むように、景色の良い場所を選びながら、まんべんなく撮り歩いた。
2017年に前著「平成土浦百景」を刊行した後、どうせなら霞ケ浦でも百景をやろうと意識し始めたそうだ。
展示の中心は、マジックアワーと呼ばれる日没前や日の出直後の時間帯を長時間露光で撮ったもの。朝焼けや夕焼けで湖面がドラマチックな色に染まり、風による表情の変化も大きい。風がつくる波のうねりが縞模様として現れ、風のないときは水鏡となって空や周囲の景色を映し出す。
日が沈んだ後の薄明かりのころも大好きだそうだ。空と湖面に美しいグラデーションがかかる。日の出直後の時間も太陽を外して撮ることで、画面にふんわりとした淡いグラデーションが生まれる。

「牛堀権現山」と題した1枚は、葛飾北斎が富嶽三十六景「常州牛堀」で描いた場所を撮った。左端に富士山、右端に筑波山を置き、その間に秩父連山、浅間山、日光連山などが並ぶ。「このように遠景まですっきりと見えることは珍しい。たいてい、上空は晴れていても地平線近くに雲がかかってしまう」とせきさん。20回以上も足を運んだ中で、これほど鮮やかに撮れたのは、わずかにこのときだけだった。

会場を訪れた土浦市の生畑目久さん(75)、政子さん(69)夫妻は「いろんな光を上手に取り入れている。なかなか撮れない写真。ぱっと心の中に飛び込んできて、癒されるし、気持ちがすっきりする」などと感想を語った。
同ギャラリーでは21日まで開かれ、その後他館を巡回する。展示作品数は会場によって異なる。
今後の展示予定は以下の通り。その後さらに、霞ケ浦周辺の市町村を巡回したい考え。
3月17日~21日 アルカス土浦(土浦市大和町)1階、土浦市民ギャラリー
3月24日~28日 新治ショッピングセンターさん・あぴお(土浦市大畑)2階、あぴおギャラリー
4月21日~25日 香丸資料館(石岡市府中1丁目)2階、市民ギャラリー
写真集「北浦・霞ケ浦百景」も21日に発行される。写真展会場およびオンライン(ヤフーショップやアマゾン)で先行発売し、その後、土浦市内など一部の書店にも並ぶ予定だ。(池田充雄)