【鈴木宏子】土浦市の安藤真理子市長は19日、2021年度当初予算案を発表した。就任2年目となる21年度は、市指定ごみ袋の値下げ、スマートインターチェンジ(IC)設置に向けた調査、コミュニティバスの試験運行、新治運動公園多目的グラウンドの人工芝化、公立の認定こども園として土浦幼稚園存続など、公約の具体化に着手する。3月2日開会予定の3月議会に提案する。
一般会計は前年度当初比1.9%減の約497億2000万円、特別会計を含めた総額は同1.8%減の約908億円となる。新型コロナの影響で、市税収入が前年度当初比約19億円(同8.1%減)落ち込むと見込む。特に法人市民税の落ち込みが大きいとし、同46%減を見込む。一般会計が500億円を下回るのは2012年度当初予算以来、9年ぶり。
安藤市長は予算方針について「市税の大幅な減や、大規模事業に伴う公債費(市の借金)増など大変厳しい財政状況だが、ウィズコロナ、ポストコロナの新しい時代に対応できるよう、夢のある、元気のある土浦の実現を図っていく」と話す。
10月1日からごみ袋値下げ
市指定ごみ袋は、県内一高いと批判があった1枚50円(燃やせるごみ、45リットル)を、10月1日から30円に値下げする。15リットルの袋は15円から10円、30リットルは30円から20円とする。2018年10月から家庭ごみ処理有料化を開始し、計画通りのごみ減量化を達成したことから、家計の負担を減らすため値下げする。21年度は指定ごみ袋製造委託料やごみ減量化の広報啓発などに約1億3900万円を計上する。
スマートICは、約1390万円で、候補地の交通量調査や将来推計など設置可能性調査を実施する。ICを活用した地域経済活性化としてはほかに、約4000万円で、土浦北IC周辺地区に新たな産業用地をつくるための基本構想策定や立地企業が行うインフラ整備費用の一部助成などをする。
コミュニティバスは、第1号として、路線バスが廃線となり公共交通不便地域となっている同市中村西根地区で、市地域公共交通活性化協議会が運行主体となり、10月から試験運行する。21年度の事業費は約2400万円で、試験運行のほか、検証などを実施する。
新治運動公園では、約2100万円を計上し、多目的グラウンドの人工芝生化と駐車場を増設する実施設計を行う。22年度に工事着工し、23年度の利用開始を目指す。
土浦幼稚園(同市文京町)は、老朽化している園舎をリニューアルして、東崎保育所と統合し、市内初の公立の認定こども園として存続させる。新名称は「認定こども園土浦幼稚園」(定員100人程度)。21年度は約2000万円で園舎改修の実施設計をする。
ほかに、上大津地区に統合小学校を建設するため約800万円で整備基本計画の策定などを実施する。
霞ケ浦の土浦港とりんりんポート土浦に隣接する市有地に観光拠点を整備するため、約430万円で民間事業者の公募などを実施する。
予算編成後、市の貯金である基金残高は21年度末見込みで、前年度と比べ3.2%減の118億2700万円になる見込み。一方、市の借金である市債残高は同3.4%減の949億2200万円となる。