【大志万容子】県内で活動するクリエイターの作品を一堂に集めた展示・上映会「いばらきコンテンツコレクション3」(県主催)が6日、つくば市吾妻、県つくば美術館などで始まり、県にゆかりのあるクリエイター37組が多彩な作品を出展した。物販会場のつくば駅前商業施設、クレオ1階には漫画「進撃の巨人」に登場する高さ8mのキャラクター像が設けられ、買い物客らも思わず足を止めて見入っていた。8日まで。入場無料。
同イベントは、県内の漫画やアニメ、ゲームなどのコンテンツ産業の振興を図ろうと、2016年から開かれており、今年で3回目。会場の同美術館には、つくば市松代の「いばらきクリエイターズハウス」などで活動するクリエイターらのイラストや漫画、映像などがずらりと並んだ。
特別企画として古河市出身のアニメーター浅野恭司さん、鹿嶋市生まれのアニメーションプロデューサー中武哲也さんが所属するアニメ制作会社「WIT STUDIO」が手がけた「進撃の巨人」の原画展などがあった。「進撃の巨人」のほか「甲鉄城のカバネリ」「屍者の帝国」など人気アニメの躍動感あふれる原画が約190点展示され、家族連れなどでにぎわった。クレオ1階のキャラクター像は「進撃の巨人」に登場する巨人エレンのバルーンで、クリエーターの関連グッズを販売する物販会場にお目見えした。
同美術館2階のアルスホールではほかに、漫画家の真崎春望さんが脚本とプロデュースを担当した人形劇映画「ハムレット」の上映もあり、人形たちが織りなす独自の世界に来場者は見入っていた。サッカークラブ・つくばFC企画の地域マスコットのキャラクター設定を来場者が考えるコーナーもあった。
漫画家・木野陽さんのブースで、色塗り体験のワークショップをしていた小学6年生の女子児童は「ギャグ漫画が好き。将来はイラストレーターになりたい」と話し、家族で会場を回ってたイギリス出身のマイケル・オルートさん(16)は「ゲームをつくるのが好き。今日はゲームやアニメーションについて知りたいと思って来た。もっと勉強して、将来はだれも見たことがないようなゲームをつくりたい」と目を輝かせた。
県産業政策課の矢部英雄副参事は「展示を通して、コンテンツ文化の豊かさ、魅力に触れてほしい。日本のアニメの最高峰の作品を楽しみ、県内クリエイターの活動を知ってもらうことで、クリエイター志望者が『いずれ自分も世界を目指す作品に携わろう』と思ってもらえれば」と話している。
7日は午後1時30分から、「WIT STUDIO」の浅野さんと中武さんが、アニメ制作現場のリアルを語るトークショーが開かれる。