火曜日, 11月 3, 2026
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「子ども同士をつなぐ役割」 市民団体が教育支援員向け勉強会

【川端舞】小中学校などで障害のある児童生徒の日常生活を支援する特別支援教育支援員を対象としたオンライン勉強会が30日開催された。参加した支援員は経験や悩みを共有し、自分たちの役割の重要性を再認識した。同時に、支援員の研修機会が少ないなど、課題も見えた。

主催したのは、市民団体「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」(事務局・水戸市)。メンバーの斉藤新吾さん(45)は、当事者による障害者支援団体「つくば自立生活センターほにゃら」(つくば市天久保)の事務局長でもあり、普段、主に障害のある大人を支援している。障害者を支援していく中で、子どもの頃に周囲の大人がどのように関わったかが、成長後も大きく影響してくると感じていた。一方、学校で障害のある子どもたちに関わる教育支援員を対象にした研修はあまり行われていないことを知り、今回の勉強会開催に至った。

周囲を巻き込む「つぶやき」

参加したのは、県内の小学校などで発達障害や身体障害のある児童を支援している教育支援員6人。勉強会では、十数年前、大阪市で定時制高校に通っていた重度心身障害のある北村佳那子さんの支援員をしていた山崎秀子さんから、当時、生徒や教員とかかわる中で感じたことが話された。

北村さんは生まれつき重度の障害があり、日常生活全般に介助が必要だ。言葉を発することもできない。しかし、小中学校を普通学校で過ごし、定時制高校に進学した。山崎さんが支援員として北村さんに出会ったのはこの時だ。山崎さん自身、小学生の頃、同じクラスに障害のある同級生がいる環境で育ったため、重度障害のある北村さんが普通高校に進学することに何の違和感もなかった。しかし入学当時、教員たちの多くは「北村さんは本来、普通高校に来る生徒ではない」という雰囲気で、北村さんのことを特に気にかけなかった。

山崎さんは北村さんへの支援の中で問題に直面するたびに、「どうすればいいかな」「誰か手伝ってくれないかな」と、わざと周りに聞こえるようにつぶやき、他の生徒が北村さんに関わるきっかけを作ろうと試みた。次第に、山崎さんのつぶやきに答えるように、周囲の生徒が北村さんに関わり始めたという。北村さん自身も、周囲の生徒との関わりに答えるように表情が豊かになり、「教員たちも北村さんを生徒の一員として見ざるを得なくなった」と話す。

「支援員は黒衣のような存在」と言われることもあるが、本来、教室にいないはずの大人がもう一人いることは、周囲の子どもたちにも影響を与えていると山崎さんは語る。周囲の子どもたちは、支援員が障害のある同級生にどのように関わっているのかをよく見ていて、自分がその同級生に関わるときの参考にしている。障害のある子どもと周りの子どもたちをつなぎ、障害のある子どもが困ったときは周りの子どもたちにも一緒に考えてもらうことも、支援員の大切な役割だという。

研修機会少ない

意見交換の時間では、参加者から「支援に悩んだ時につぶやくことで、周囲の子どもや教員が関わってくれるようになり、障害児と周囲の子どもたちが関係を作るきっかけにもなった」という経験などが共有された。「私たち支援員も、教室にいる子どもたちに大きな影響を与えうる存在」「担任教員と話し合いの時間が取れず、不安になることもあるが、支援員からも教員たちを引っ張っていけたら」など、参加者同士で励まし合う様子もあった。

「発達障害など表面的には分かりづらい障害について、周囲の子どもたちにどう説明していくか悩んでいる」という参加者に、他の参加者がアドバイスをする場面もあった。

また、参加者からは「支援員向けの研修の機会が少ない」「支援員同士でコミュニケーションをとる時間がない」という意見も複数聞かれた。山崎さんによると、障害のある子どもとない子どもがともに学ぶ環境が比較的整っているとされる大阪市でも、支援員対象の研修などは整っておらず、それぞれの支援員の努力に任されているのが現状だそうだ。この状況を受け「今後も支援員対象の勉強会を継続して開催したい」と、主催者の斉藤さんは話す。

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