【伊藤悦子】土浦市東真鍋のクラフトシビックホール土浦(市民会館)で、2月からインターネット回線を利用した動画配信が可能になる。コロナ禍の芸術文化活動の支援策として、新しい生活様式に対応して整備した。
同ホールの事務所にはもともと光回線が入っていたため、整備に伴う工事費や材料費は約3万円ですんだという。大ホールや小ホール、会議室、和室などすべての部屋で動画配信および受信が可能だ。
主催者は同ホールで無観客イベントを開催、動画を撮影しインターネット回線を使ってライブ配信をする。あらかじめチケットを購入した観客は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどでライブ動画を視聴する。主催者はコロナ禍でもイベントを開催しやすくなり、観客は自宅にいながらリアルタイムでイベントを楽しむことができる。
動画配信のシステムは、ホール以外で開催されるイベントにも利用可能だ。主催者はイベント動画を撮影、同ホールに配信する。パソコンをマルチメディアプロジェクターにつないで、動画を大きなスクリーンに映し出すことも可能だという。
主催者は、遠方にいても県をまたいだ移動をすることなく、土浦市でのイベント開催ができる。土浦周辺の住民は、同ホールでの視聴が可能になるため市外や県外に移動する必要がなくなるのがメリットだ。
同ホールを管理・運営する市産業文化事業団の中村和弘所長は、「コロナ禍でたくさんのイベントが休止や中止になった。この状況をなんとかしたいと担当者で話し合い、動画配信環境を整備した。動画配信は文化芸術にとどまらず、会議や勉強会、習い事などにも使える。今は緊急事態宣言で休館中だが、解除されたら気軽に利用してほしい」と語った。
インターネット回線の利用は無料。動画撮影や配信に必要なカメラや機器などの機材は主催者が用意する。撮影や配信、視聴の料金設定なども主催者が行う。供用の際には1席ずつあけて座る、マスク着用などの感染対策が行われてきた(20年9月20日付)。