この1週間で県内の新型コロナウイルスの感染拡大がさらに急速になっているとして、大井川和彦知事は12日、つくば市や土浦市など感染拡大市町村に要請している夜8時までの営業時間短縮を20日まで延長すると発表した。感染拡大市町村のすべての飲食店が対象。当初の期限は12日までだった。
協力店には13日から20日までの8日間で1店舗当たり32万円を支給する。7日から県内全域に出されている不要不急の外出自粛要請も20日まで。
感染拡大市町村は12日、つくばみらい市など7市町村が追加された。笠間市など2市町が解除となったが、計25市町村と県内44市町村の半分を超えた。21日以降の対応は改めて発表する。
大井川知事はこの1週間の感染拡大状況について「年明けからの感染拡大のスピードは尋常ではない。かなりショックを受けている。拡大の勢いを何としても止めなくてはいけない」と強調した。
県内のこの1週間(5~11日)の新規感染者数は615人で、前の週(12月29日~1月4日)の254人と比べ2.42倍に拡大している。
つくば市は、6日から12日まで1週間の人口1万人当たりの新規感染者数は、国指標のステージⅢ(感染者が急増し医療提供体制に支障が出ることを避けるための対応が必要な段階)に相当する2.08人、土浦市は2.39人。両市とも前の週より増えている。1万人当たりの新規感染者数が2.5人を超えるとステージⅣ相当(爆発的な感染拡大により医療崩壊に陥ることを避けるための対応が必要な段階)になる。
県内の医療提供体制は現在、全体でコロナ専用病床500床確保を目指して拡大しているものの、稼働率はすでに50%を超えているとした。知事は「病床稼働率が60%を超えた場合は、国に緊急事態宣言の発令を要請しなければならないと考えている」とした。
ただし「(首都圏の1都3県で報道されているような)入院させてほしくても入院できないなどの混乱は起きておらず、保健所が疫学調査を断念せざるを得ないほどの負荷が掛かっている状況ではない」とした。一方、県独自の感染抑制策である「夜の街」全域をしらみつぶしにPCR検査したり、地域の福祉施設関係者全員のPCR検査をしたりなどの対策が難しくなっているとし「闘う武器が少なくなっている」とした。