土曜日, 7月 2, 2022
ホーム コラム 《宍塚の里山》72 遅い紅葉のときを経た里山

《宍塚の里山》72 遅い紅葉のときを経た里山

【コラム・及川ひろみ】12月上旬、遅い紅葉のときを経た里山。今ではだいぶ木々の葉が散り(厳しい寒さを迎えてもまだ落ちない葉も結構あります)、林がだいぶ明るくなってきました。木々を飛び交う、シジュウカラ、エナガ、ヒガラ、メジロなど小鳥たちの群れ。寒さで里に降りてきたのか、見られる種類が最近グンと増え、観察が楽しみです。

この時期、雑木林をめぐると、乾いた落ち葉が足元でガサガサ音を立て、12月ならではの里山の音が響きます。この枯れ葉の音、今が最高。しばらくすると木の葉が湿り、今のような軽やかな音は鳴りを潜めます。

さて、里山が冬の装いを迎えるころになると、ガマズミやイイギリ、マンリョウ(万両)、シロダモなどの赤い木の実が目立つようになります。ガマズミは霜にあたると実が柔らかくなり、同時に酸味も熟し柔らかな味に変わります。

林でこの実を見つけると、つい口に含んでしまいます。いつでも、酸味は人を元気づけてくれますが、ガマズミも楽しみの一つです。酢大根を漬けるとき、この時期のガマズミを混ぜ込むと、大根が美しい紅色に染まり、これも初冬のお楽しみです。

鳥は植物にとって種子散布の道具

さまざま見られる赤い実の中で、今の時期の代表格はマンリョウ。雑木林や暗い杉林にも明るい赤が目立ちます。発芽後3年目ごろから実をつけ、年々成長し1メートルほどの高さに育ちますが、ヒョロッとした木の上部に葉と実を付ける独特なスタイル。

門松などの正月飾りによく使われるセンリョウ(千両)は、茨城ではもっぱら庭木。残念ながら自生していません。関東の南部、西日本、九州が自生地です。

カラタチバナ(百両)は、茨城県の宍塚でも見られます。ヤブコウジ(十両)は、林床に群生する高さ10センチほどの植物で、真っ赤な実を1個、ときに数個付けます。これらの植物はどれもサクラソウ科、実はどれも1センチほどの大きさ。

植物が赤い実を付けるのは、鳥に見つけてもらうためです。鳥は植物にとって種子散布の道具。動くことができない植物は、種子を遠くに運ぶために、誰かの力を借りなければなりません。赤い実は鳥をおびき寄せ、歯を持たない鳥は実を丸のみ、消化できない種子をふんと一緒に出します。結果、鳥によって種を遠くに運ばせるのです。

しかも、赤色は昆虫には見ることができない色。昆虫の食害からも逃れ、生き物同士の巧みな、絶妙な関係にある赤い実です。(宍塚の自然と歴史の会 元会長)

誹謗中傷するコメントはNEWSつくば編集局が削除します。
0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る

陽性確認者数(公表日ベース)の推移

つくば市

土浦市

スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

挫折経験を強みに活躍するチームリーダー 土浦市 池田あゆみさん【ウーマン】3

土浦市田村町在住、池田あゆみさん(42)は、明治安田生命保険(本社・東京)つくば支社土浦南営業部に勤務して8年目の支部マネジャー。チームリーダーとしての仕事に「楽しくてやりがいがある」と笑顔で話す。余裕を感じさせる姿勢は、食いぶちを稼ぐための水商売を振り出しに、幾多の失敗や困難で得た経験によって培われた。 16歳で家出して水商売に 陸上自衛隊の自衛官だった父親の霞ケ浦駐屯地への異動で、小学6年のときに阿見町中央に引っ越してきた。4人きょうだいの末っ子。しつけが厳しく過干渉な母親から逃げたくて、中学3年になるとプチ家出を繰り返すようになった。 「夕方家に帰りたくなくて公園にいることが多かった。お腹が空いて、公園に隣接したコンビニが食べ残しの弁当を裏手の物置に入れるのを見ていたので、こっそり持ち出して食べました。(人の食べ残しに)抵抗はなかった。冬は学校のジャージだけで寒くて辛かった。行く当てはなくて翌朝には家に帰りました」 高校生になっても家は息が詰まり、週末は友だちと土浦の中心街に出かけるのが常だった。当時は駅前通りに大型店の小網屋や西友、丸井があって賑わい、路上でワゴン車に積んだ倒産品などを売る30代の男性、ノリさんと顔なじみになった。 何度もノリさんに「自分で稼いで食べていきたい」と訴え、夏休みが終わる頃、家出してノリさんの住む東京・小岩の高級クラブで働き始めた。クラブを経営していたママはノリさんの知人で、ママが衣装を貸してくれた。年齢は4歳サバを読んで20歳で通した。

「キーパーソン」 《続・気軽にSOS》112

【コラム・浅井和幸】「キーパーソン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。病院への入院や介護施設に入所するときの手続きや連絡先などの協力をする人を指すことがあります。家族などが担うことが多いですが、身寄りがない方の場合は弁護士や施設の職員などが担うこともあるようです。 それ以外に、地域福祉でも支援時に課題解決のカギを握っている人という意味で使われることがあります。例えば、コミュニケーションの取れないひきこもりの方への支援としてのキーパーソンとして、接する機会が多い家族や友人、すでに支援をしているワーカーなどが挙げられるでしょう。 「悪いのは自分ではない、社会の方だ」という信念から、支援者とは会いたくない、何をされるのか分からずに怖いと感じている方は多いものです。支援を受けるなんて迷惑をおかけして申し訳ないと考えて、かたくなに支援を拒む方もいます。 良い悪いではなく人は支え合い、その多様性の中で生きていくものです。生活上で何か支障があれば、頼れるところを頼ることは大切なことです。 しかし、頼ることに慣れていない人が、そうそう簡単に支援者を利用することを選択できないことは当たり前のことです。心身にある程度の余裕がなければ、新しいことを始めることがさらなるストレスになり、避けたくなるのは不思議なことではありません。 そのようなときに、新しいことを取り入れることができる、周りの少しでも余裕のある方に関わってもらうことは、事態を変化させることにポジティブな影響を与えます。いろいろな関わり方のできる人が周りにいることは、複数の選択肢を得ることになります。

あまり話さない息子と、あまり話さない私《ことばのおはなし》47

【コラム・山口絹記】あなたは、生まれてはじめて自分が発したことばを覚えているだろうか。 まぁ、覚えていないだろう。でも、親であれば自分のこどもが初めて発した意味のある(と思われる)ことばは覚えているのではないだろうか。我が家の上の娘も、最初は「まんまんま」とか「わんわん」とか、おそらく統計的にもよくあることばから話し始めていた。 しかし、下の1歳になる息子があまり話さない。 今年から保育園に通い始めたのだが、ついに保育園の先生に「あまり話さない」ということで心配されてしまっていた。普通はそろそろ「ママ」とか「わんわん」とかいうんですけど、ということらしい。かわいそうに、2人目のこどもということで、だいぶ適当に育てられている彼。母子手帳に書かれているような発育具合のチェックも適当になっていて気が付かなかった。 とはいえ、特に心配していなかったのには一応理由があった。保育園の先生にはなんとなく言えなかったのだが、すでにいろいろボキャブラリーがあったのだ。 一つは「でてって?(出ていけの意)」。何か気に食わないことが起きたり、私の帰宅時に飛び出すひとこと。これは姉のマネである。

日本はプーチンのロシアになるのか 《ひょうたんの眼》50

【コラム・高橋恵一】プーチンのロシアの理不尽なウクライナ侵攻を見て、日本の危機と防衛力の強化が叫ばれている。よくメディアに登場する「専門家」は、防衛省関係者・自衛隊幹部OB、あるいは旧大日本帝国の残影が残る関係者が大半だ。 「専門家」の解決策は、ロシアを押し返して、妥協できるところで停戦するシナリオだろうが、それまでにどれだけのウクライナ人が死ななければならないのだろう。ロシアの兵士は何万人死ぬのだろうか。世界の穀倉地帯の混乱で飢餓に陥る人々は16億人を超すとも予測されている。 プーチン大統領は、核兵器使用もいとわないという、無茶ぶりだ。NATO欧州加盟国は、防衛費をGDPの2%に増額するという。長期戦略として効果的かどうかも疑わしいが、少なくとも今のウクライナには間に合わない。 現在の日本の防衛予算は世界第8位。取りざたされているGDPの2%になれば、米国、中国に次いで、世界3番目の軍事費大国になる。 プーチンの侵略行為が、先の大戦のナチスドイツや大日本帝国軍の行動によく似ていることを考えれば、日本の防衛力強化は軍国日本の復活ともとられ、世界や日本国民が受け入れるとは思えない。世界は、そう見るのだ。 当然、中国もロシアも北朝鮮も、対抗して防衛力を強化する。それどころか、日本を警戒する意味で、韓国、台湾、フィリピンなどとの緊張も高めてしまうかもしれない。米国も、軍事産業部門以外からは、歓迎されないのではないか。