木曜日, 4月 23, 2026
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《邑から日本を見る》73 安倍政治を検証する(3) 農業・沖縄に冷たかった!

【コラム・先﨑千尋】安倍政治は農業、農民にとってどうだったのか。安倍前首相はかつて「美しい日本」という表現を使った。その美しい日本は、自然豊かな風景と農山村、風光明媚(めいび)な海岸線などから形作られている。そこには昔から人が住み、農業、林業、漁業をなりわいとして生きてきた。江戸時代には「百姓は生かさぬように殺さぬように」という言葉があったが、民百姓はその中身はともかく、生きてきた。

今はどうか。ここで細かい数字を挙げることは控えるが、第1次産業といわれる農業、林業、漁業いずれでも、専業で暮らしている人はほんのわずかしかいない。理由は簡単だ。それでメシが食えない、生活できないからだ。それだけではない。山間部では「挙家離村(きょかりそん)」によって集落が消滅しているところも出てきている。

現日本郵政社長の増田寛也氏は、その著『地方消滅』で、864の市町村が消滅すると警鐘を鳴らしているが、田畑、山林が荒れ、イノシシなどが跋扈(ばっこ)し、小さな漁港も消えてしまっている。それを「美しい国」と言うのか。「美しい日本」を維持するために安倍政治は何をしたというのだろうか。自分の故郷を見よ。

安倍前首相は「岩盤規制にドリルで穴を開ける」と豪語した。そして農業つぶし、農協つぶしに走った。国会の議決によってではなく、規制改革推進会議という首相のお仲間の人たちが農業現場の声を無視し、大規模化や生産・流通の自由化、農業への企業参入、農協制度の見直しなどを進めていった。

とどめは、環太平洋経済連携協定(TPP)に反対した全国農協中央会(全中)を解体してしまったことだ。「美しい」という言葉とはまったく逆のことを安倍政治はやってきた。

安倍政権が「岩盤」と言う農村社会は、人々が弥生時代から山野を切り開き、作物を育て、家畜を飼い、自然と共生しながら文化を育み、地域社会を維持してきた。それをズタズタにしたのが安倍政治だ、と私は断罪する。

「地方自治体に抑圧的な政権」

安倍政権は地方の声を拾い上げることもしてこなかった。その典型は沖縄であろう。世界一危険な普天間飛行場を名護市辺野古に移設する計画に対して、沖縄県民は県民投票や相次ぐ国政選挙でノーの声を上げ続けてきた。

しかし、安倍政権は「辺野古が唯一の選択肢。それ以外は国の安全保障に反する」と言うだけで、議論を封殺し、他の選択肢を与えない。すり寄ってくる知事や自治体には予算の大盤振る舞いをし、反対の声を上げ続けた翁長知事には面会すら拒否した。

「丁寧な説明をする。県民に寄り添っていく」と言い続けながら、実行されたことはなかった。「歴代で最も沖縄に冷たい首相。これほど地方自治体に強権的、抑圧的な政権はなかった」と沖縄の識者たちは訴えている。

沖縄、そして日本のために政権がやるべきことは、わが国にとって屈辱的な日米地位協定の改定だ。首都東京上空の制空権はいまだにアメリカが持っている。コロナ患者の米兵がこの国に自由に出入りしている。米兵が犯罪行為をしても、基地内に逃げ込めば、わが国は手出しできない。

お隣の韓国や北朝鮮には強いことを言い続けていながら、武器の爆買いなどでもわかるように、アメリカには先方の言いなり。これで独立国と言えるのか。悲しいことだ。(元瓜連町長)

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対策必要な下水管 延長600メートル つくば市 八潮市の陥没事故受け特別調査

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学校給食の牛乳に異味 土浦市 6校の12人が体調不良

土浦市教育委員会は21日、市内の小中学校の学校給食で出された牛乳を20日に飲んだ児童、生徒から「いつもと牛乳の風味が違う」など異味の申し出があったと発表した。そのうち6校の児童生徒12人から腹痛など体調不調の訴えがあった。 牛乳は、いばらく乳業(水戸市)が製造したもので、茨城県学校給食会から同市が購入し、市内24の小中学校に計約1万500食分を提供している。 発表によると、市内の全24校で「味がすっぱい」「薄い」「酸味がある」「薬のような臭いがする」など異味の申し出があった。24校は、土浦小、下高津小、東小、大岩田小、真鍋小、都和小、荒川沖小、中村小、土浦二小、上大津東小、神立小、右籾小、都和南小、乙戸小、菅谷小、一中、二中、三中、四中、五中、六中、都和中、新治学園義務教育学校、土浦一藁附属中。 そのうち体調不良の訴えがあった6校の12人は、土浦小が3人、下高津小2人、上大津東小2人、都和南小3人、五中1人、新治学園1人。 20日、各学校が市学校給食センターに報告。土浦保健所や県教育庁保健体育課に連絡した上で、いばらく乳業に対し、原因の調査を依頼している。 市教委は21日から当面の間、給食での牛乳の提供を停止し、児童、生徒には水筒を持参してもらって対応している。 市教委は「関係する児童、生徒、保護者の皆様には大変ご心配をお掛けしましたことをお詫びします」などとしている。