【鈴木宏子】陸上競技場の規模や立地場所などを改めて検討する、つくば市陸上競技場整備基本構想策定検討会議(座長・萩原武久つくば市スポーツ協会会長)の第2回会合が24日、同市役所で開かれ、事務局の市スポーツ振興課から施設規模のたたき台が示された。
上郷高校跡地を想定した昨年2月の案と比べ、観客席を2倍の4000席にするほか、付帯施設として雨天走路(室内走路)、多目的広場、セミナーハウスを整備する案が示された。
たたき台は、8レーン(直線は9レーン)の400メートルトラックを整備し、内側のインフィールドは天然芝とする、観客席はメーンスタンド2000席と芝生スタンド2000席の計4000席とするなど、日本陸上競技連盟の施設基準で第3種公認相当規模の整備をする。駐車場収容台数は400~500台程度とする。
一方、昨年の上郷高校跡地案は、トラック内側のインフィールドは人工芝、観客席は計2000席程度、駐車場台数は190台程度だった。
ほかに付帯施設として、3レーンの雨天走路を整備する案のほか、競技場の周囲に、出場選手がウオームアップできる多目的広場、市民が散策できるジョギングコース、遊戯空間を整備する案が出された。さらに会議室や研修室を備え、地元企業と連携した物販などもできるセミナーハウスなどの整備案も盛り込まれた。避難場所とし、防災備蓄倉庫の整備案も示された。市によると、全体面積や総事業費などは次回以降示すという。
委員からは、付帯施設について「サブトラック(多目的広場)を備えた競技場は大きな規模の競技会を誘致しやすい」「雨天走路がある競技場は少なく付加価値が高まる」など好意的に受け止める意見が相次いだ。
一方、施設の公認基準を第4種(加盟団体の大会・記録会に使用)とするか第3種(加盟団体等の対抗競技会等に使用)とするについては委員から「3種でも4種でもやれることが一緒であれば税金なので4種でいい」「4種をとって後から3種に格上げするのはコストがかかるので市民の理解を得るのは難しい」などの意見が出て、事務局が改めて検討することになった。
次回第3回会合は11月上旬に開かれ、規模や立地場所などが検討される予定。
利用想定は年2日?
【取材後記】陸上競技場はだれが、どれくらい利用するのか。24日の会合で市から具体的に示された利用想定は、中学校の記録会(小学校の記録会は取り止め)と、つくば陸上競技選手権大会の年2日間だけだった。委員からは、規模の大きい競技会誘致の期待が語られたが、大会名は出ず、具体的検討はなかった。一方、稼働率について市スポーツ振興課から、大会・イベント開催を月2回として年間10万人の集客が最大目標という考えが示されたが、想定の根拠は明らかにされなかった。
住民投票に至った総合運動公園問題の反省を経て、市が18年9月に策定した大規模事業の進め方には「民意の適切な把握を行い、事業の必要性、妥当性等について、市民や専門家からの意見等を求めた上で、慎重に事業の対応方針を決定する」とある。陸上競技場計画の進め方は、総合運動公園問題の反省がどう生かされるかの試金石だ。注意深く監視したい。
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