金曜日, 1月 24, 2025
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《食う寝る宇宙》69 オンラインで宇宙講演会

【コラム・玉置晋】今年は、新型コロナの影響でリモートワークをしている方も多いかと思いますが、講演会も軒並みオンライン開催になっています。

先日、オンラインサロン「Remote Campus(通称リモキャン)」で講演させていただく機会がありました。リモキャンは、水戸市出身の会社員、永田聡さんたちにより、今年3月に立ち上げられました。以来、ほぼ毎日、子どもから大人まで登壇しています。会場を使った講演ではなく、すべてインターネット上での講演です。

僕は今年4月に宇宙ビジネスサロンABLabで「宇宙天気プロジェクト」を立上げました(コラム64参照)。そこでは、「宇宙天気キャスタ」や「宇宙天気インタプリタ」(コラム49コラム50参照)といった、社会の現場で草の根的に活動する、宇宙天気の知見を持った人材の発掘を行っていることに触れました。

オンライン講演会では、聞き手も発言することができます。また、チャットを用いて文字入力も可能なので、議論が成立します。これらの機能を使って、様々な立場の方々と白熱した議論を行うことができました。

講師側はボコボコにされることもありますので、ちょっと恐ろしい機能ではありますが、有益なコメントを得ることもできます。原因はどうあれ、おうちで宇宙講演会を楽しめる時代になったのは、なかなか素敵だと思います。

大学はオンライン授業

社会人大学院生として所属する茨城大学は、学生の密を避けるため、許可がなければキャンパスに入ることすらできません。授業はすべてオンラインです。院生の場合は、研究室のゼミへの参加が主となります。プレゼン資料を作成し、その説明を行い、質疑に応えるという流れとなります。

学生さんには、移動しなくてもよい点で好評なようですが、学生同士でワイワイ、キャンパスライフを送れないのはちょっと可哀そうですね。学生の皆さん、いかがです?

会社の若者に聞いたところ、例えば地震が起きたとき、今はまずソーシャルネットワークサービス(SNS)を確認するそうです。SNSは、リアルタイムで災害の情報発信・収集が可能です。これまでの災害時の経験から、電話回線がパンクした後でも、SNSは利用できる可能性が高いと思います。一方で、SNSは悪質なデマや誤った情報が拡散されやすいのは注意です。

この話を聞いた若者のオチとしては、地震が起きたら「逃げる前に」SNSを確認するそうです。まずは身を守ることを考えましょう。(宇宙天気防災研究者)

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文豪風入院日記①《遊民通信》105

【コラム・田口哲郎】 前略 急性胃腸炎にかかり入院しています。幸い軽症だったので痛みもおさまり、現在は退院に向けて体が回復するよう療養しています。体は比較的元気ですので、この原稿を書いているわけです。 体調をよくするためにひたすらに休むというのは、大学院生の私が暇だなあと思うほどにゆっくりできます。せっかくですから、この入院体験を夏目漱石や内田百閒風に書いてみようと思います。もちろん文豪ほどの腕はないのであくまで「風」です。 急性胃腸炎で入院 夜半に急に腹が痛み出し、苦しくてならず、水も受けつけなくなった。最近、茨城県は不要不急の救急車出動にはお金を取るらしいので、救急相談ダイヤルにかけたら、救急車を呼ぶほどでないが、脱水が起こっているからなるべく早く病院に行ったほうがよいと言われた。 体もだるくなってきたので、家人に送ってもらい、近くの病院に夜間急患ということで診てもらった。血液検査、尿検査、レントゲン、CTスキャンをした結果、急性胃腸炎、いわゆるおなかの風邪だと言われた。すぐにリンゲル液を点滴してくれたが、症状がみるみる良くなった。 これで帰れるだろうと思ったら、やさしそうな女医が「脱水ですし、余分な栄養分もおしっこに出てしまっているので心配です」と言う。そして、「入院しますか、それとも帰りますか」と聞くのだった。 今時の医療は、よっぽど危機迫る状況ではない限り患者に選択をさせるので、「まあ、大したことはないし、帰ってもいいですよ」と言われると期待していた私は、困ってしまった。このまま帰宅してもよさそうだが、また振り返しても家人に迷惑がかかる。しかし、入院とは大げさな気もするし。医者と看護師がじっと私を見下ろしている。私は入院することにした。 文明の利器に感動 そうと決まると、病室の話である。個室料金は4人部屋の4倍だという。それはそうだろうと、4人部屋を選んだ。夜中にすでに3人が入っている部屋に入れられ、私はとりあえずベッドに寝かされた。リンゲルで緩和したとはいえ、具合は良くなかったのだろう、すぐに眠りに落ちてしまった。 しかし、未明である。仕切りはあるものの、4人部屋の隣のベッドの病人のイビキで目が覚めた。中年男性だろう。地鳴りのような響き方から大柄と思われる。私はこの世のごう音と夢の世界の甘美な眠気に引き裂かれながらも、なんとか騒音から逃れたのだった。 看護師に検温に来たと呼びかけられて目が覚めた。気づくと胸とお腹には吸盤が貼られ、心拍数と心電図、酸素濃度を測るセントラルモニタなる携帯機器がつけられていた。これで私のバイタルは24時間監視されているのだ。 私は文明の利器に驚き感動した。こんなに安心なことがあるだろうか…。私は初めての入院に新鮮味を感じ、子供のように喜んでさえいた。しかし、入院生活は始まったばかりだったのである。ごきげんよう。 草々 (散歩好きの文明批評家)