水曜日, 1月 20, 2021
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《宍塚の大池》68 地元小学校や市民がオニバス保全活動 


【コラム・及川ひろみ】オニバスは春発芽し、夏には直径2メートルもの大きな葉を水面に広げるスイレン科の一年草の水草です。葉・茎など花弁と根を除き、全体に鋭く長いトゲがあることから、オニバスと呼ばれるようになったようです。環境省レッドリスト絶滅危惧II類(VU)の絶滅の危機にある貴重な植物です。

宍塚大池は太平洋側のオニバス北限生育地で1982年、約500株が確認されました。1990年、会が行った調査では36株、その後さらに少なくなり、2000年ごろから宍塚大池ではオニバスが見られなくなりました。

オニバス減少の要因について、環境省「日本の絶滅のおそれのある野生生物」(レッドデーターブック、2002年改訂版)は、湖沼の開発、水質の汚濁土地造成を主原因に挙げています。

オニバスを育てるために会では、大池堤防の下流にオニバスの生育地として「オニバス池」を掘りました。が、そこでアメリカザリガニがオニバスを食べ尽くす現場を目撃しました。残念ながらオニバスをオニバス池で育てることを断念しています。

種を採取し1990年から栽培

オニバスは水面で咲く花とは別に、水中で自家受粉するたくさんの「閉鎖花」を付け、種を付けます。

会では1990年、宍塚大池で採取した閉鎖花の果実から約100個の種を取り、それを基に、1990年から減少が続くオニバスを種から育てる活動を始めました。

地元宍塚小学校(当時)の親御さんから、学校でも育てたいとの申し出を受け、1994年オニバスの若い苗を差し上げました。宍塚小学校では郷土の宝であるオニバスを保全するために池を掘り、成長を記録し、オニバスが絶滅危惧種になった原因を探りました。

その後何代もの先生によってこの活動が引き継がれ、この活動などによって環境省から「環境功労者賞表彰」を授与されました。宍塚小学校が閉校となった今では、土浦小学校がこの活動を引き継いでいます。

1997年、会はオニバスの里親を広く募り、市民によるオニバス保全が現在も続いています。

会は現在、180センチ×120センチ、深さ80センチの中型コンテナ数個による栽培を行っています。

オニバスだけでなく宍塚大池由来のジュンサイ、クロモ、ミクリなど希少種の水草を、20数個のコンテナを使い保全しています。

宍塚大池ではアメリカザリガニを取り除く活動を2006年から続けています。水草が育つ条件が整えばこれらの水草を大池に移植したいと考えています。大池の池底には未だオニバスの種が眠っていることも考えられますが、まずは大池の環境改善が急務です。(認定NPO法人宍塚の自然と歴史の会)

1コメント

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山室真澄
4 months ago

宍塚大池ではサンショウモ、クロモ、タヌキモなどはかなり以前から消滅し、今年はハスが全滅しています。ハスは手賀沼でも今年消滅しました。それ以前の2016年から、全国各地でハスの消滅が起こっています。地元の保護活動だけでは守り切れない、全国的な異変が起きている可能性があります。

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