【相澤冬樹】つくば市は23日、旧筑波東中学校跡地利用に関する地元説明会を開催、筑波山地域ジオパークの中核拠点施設として利用する構想を示した。教育(展示室)、観光(案内所)、保全(事務室)の3機能を配置する計画案となっており、8月7日から1カ月間のパブリックコメントを経て、基本設計などの作業に入る。順調に進めば2023年5月のオープンを予定している。
説明会は、同市北条の旧中学校体育館に地元住民ら10数人を集め行われた。同ジオパークは、石岡、笠間、つくば、桜川、土浦、かすみがうらの6市で構成されるが、中核拠点施設は「財産管理の問題から」(市公有地利活用推進課)、つくば市単独で事業化する。
教育、観光、保全の3機能でつなぐ
今回説明されたのは、筑波山地域ジオパーク中核拠点施設基本構想・計画の案で、教室の一部を使う利用計画の考え方を示した。アンケートやワーキンググループの検討結果を踏まえ、まとめられた。
展示室ではジオパークの紹介のほか、体験や実験コーナーを設け、書籍や資料などのライブラリーも充実させる。案内所にはガイドが常駐、地域の観光情報を紹介するほか、ジオパーク認定商品の販売なども想定。事務室には同市ジオパーク室を置くほか、6市間の連携の場とする意図も盛り込んだ。
質疑では、交通アクセスや展示内容について意見が出された。「地理や地質と深く関わる防災教育も取り上げてほしい」「ジオパークには2000人ものサポーターがいるということだが地域の活動で顔が見えない」などの声があがった。
全国に43地域が認定されているジオパークは、継続に際し4年に1度、日本ジオパーク委員会(JGC)の審査を受けなければならず、筑波山地域も今年度、再認定の作業日程に入っている。新型コロナの影響で審査は21年1月以降にずれ込んだが、ここでも6市にまたがる運営体制の構築ともども、地元の盛り上げ機運の醸成が課題となっている。
中核拠点施設も再認定をにらみながらの整備となりそう。同基本構想・計画案に関するパブリックコメントは8月7日から9月7日までの予定で実施する。
筑波東中学校は秀峰筑波義務教育学校の開校(2018年4月)に伴い廃校となった。同市では筑波地区に10校ある小中学校の跡地の利活用について検討しており、市公有地利活用推進課によれば、これまでに旧筑波西中に広域通信制高校を誘致するなど4校(旧筑波東中は除く)の方針が決まっている。