【伊達康】県高校野球代替大会が11日から始まった。土浦日大の小菅勲監督のインタビュー。2回目は代替大会に向けた調整について聞いた。
チームカラー見えない
—今はどのように練習に取り組んでいますか。
小菅 練習については例年通り夏の大会に向けた練習試合を中心に、やるべきことを洗い出して、また試して、という繰り返しですね。やっぱり毎週課題が出ますからね。出た課題をつぶしながら粛々とやっています。
—今年のチームカラーを教えていただけませんか。
小菅 これは難しいですよ。秋があって、オフがあって、春までの積み重ねまできて大体ここで「今年はこんなチームに仕上がったな」というのが出てくるんですよ。ですが今年は、インシーズンから春が空洞になっている。チームカラーが見えないですね。バッティングだ、守備だ、と言えれば良いですけどね。
だからこそ今年はピッチャーに有利な年なのではないかと思います。ですからしっかりと守って、なんとかこつこつとつなぐ野球をやろうと思います。やり方はシンプルに限りますね。チームカラーは正直言って分かりません。
—代替大会は3年生中心で組むお考えでしょうか。
小菅 必ずしも絶対的に3年生ありきではありません。適度な競争をさせて、実力が同じであるなら3年生が優先されます。
—今大会は野球部員全員がメンバー登録できます。背番号は何番まで用意されましたか。
小菅 3年生は35人全員登録します。2年生の3人が助っ人に入るので全部で38番です。
ピッチャー3人が140キロ超え
—エースの中川竜哉の後に来るピッチャーは誰でしょうか。
小菅 村上陽駿、左の関大空馬、左の滑川翔吾です。全員3年生です。この後にも3年生投手陣が控えています。投手陣は、オフの練習が充実しましたので、全体的にレベルアップしました。
—捕手の菅野樹紀君(2年)は入りますか。
小菅 彼は3年生の要望で入ることになりました。勉強もできますし目配りもできる献身的な選手です。
—1年生がベンチ入りに食い込んでくることはありますか。
小菅 ここのところようやく2軍戦ができるようになりました。明らかに力が上だという選手がいれば食い込んでくる可能性はあります。
—打撃陣で現在調子が良いのは誰でしょうか。
小菅 2年生の芹沢優仁ですね。彼も上級生からの要望で試合に出ると思います。
上級生の要望
—上級生からの要望で2年生の菅野選手、芹沢選手がメンバー入りしているとのことですが、上級生からの要望とは何でしょうか。
小菅 5月の時点で、これからみんなで夏のチームを作っていく中で、夏の代替大会があると思って練習していこうということで、練習要員というのを25人決めたんです。そこに3年生の投票で2年生の芹沢と菅野が入ってきたんです。もう一人は私が見ていて状態が良い選手を見極めて入れさせてもらうからねということで28人が練習要員となりました。
—3年生35人の中で25人に絞ったということは、自分たちで話し合って決めたのでしょうか。
小菅 3年生の中に私も入ってかなり時間をかけて話し合いました。自分で補助をやりたいという子もいましたし、その中で意見を集約しながらメンバーを決めざるを得ません。納得できるまで話し合って最後は25人になりました。
—毎年このように夏の大会前に練習要員を決めているのでしょうか。
小菅 大体毎年やっているのですが、今年ほど厳密にミーティングをした年はありません。例年は練習試合をこなして試合の中で結果が出たとか出なかったとか、本人も納得できる部分があったのですが、今年はこれだけ空白期間で活動ができませんでした。だからメンバーを外れるにせよ入るにせよ、こいつらを応援したいんだとか、こいつらのためだったらバッティングピッチャーできるよ、と納得できるまでみんなで話し合って決めました。そういう手間を今年はかけましたね。
偵察なし、その場の印象で
—今大会でチームの軸になる選手は誰でしょうか。
小菅 軸となるのはエースが中川、捕手が菅野、サードが五十嵐明斗、ショートが芹沢です。芹沢はトップバッターも主軸も両方できます。私は9人きっちり決めないスタイルでやっておりますので、後は大会中の調子によって選手を入れ替えます。
—今大会で警戒する相手はどこでしょうか。
小菅 毎年同じことを言いますが、相手のことを見ている余裕がないです。今年は特にそうですね。偵察もできませんからその場のインプレッション(印象)でなんとかしていくしかないです。
証しとなる大会に
—今大会をチームとしてどう位置付けて戦いますか。大会に向けての意気込みをお願いします。
小菅 せっかく段取っていただいた大会ですのでありがたく挑戦させていただきます。その先に甲子園はありませんけれども、特に3年生を中心にして今までやってきた実力を発揮する証しになる大会にしたいと思います。
—3年生の進路にコロナ禍が影響しましたか。
小菅 年明けくらいから動き出していたのでそれほど困っているわけではありません。例年お世話になっているところ、声をかけていただいているところがあり、そちらで話は付けています。ただ、1割ほどの選手の進路は滞っています。
(続く)