1日単位の仕事を紹介する「シェアフル」(東京都港区、大友潤社長)が、求職者に県内農家の仕事を紹介するマッチング支援を開始した。
同社は人材派遣などの総合人材サービス、パーソルグループで、短時間、短期間の仕事紹介に特化したマッチングサイトで知られる。
高齢化や人手不足に直面する農業の課題を解決しようと、農家が必要な時に必要な労働力を確保できる仕組みを提供する。一方これまで農業に携わる機会がなかった人が空き時間に作業することで、農業を身近に感じ就農人口の拡大を目指す。
具体的な作業内容として、草刈り、定植、収獲、仕分け、梱包、出荷などを予定している。
同社による農業のマッチング支援は山梨県、長野県に続いて全国3県目。
農業は、繁忙期には労働力が不足し、閑散期は人材が余るなど、繁閑の差が激しい業種といわれる。同社の強みである「短時間・短期間の仕事紹介」を生かそうと、農業分野に参入した。さらに新型コロナウイルスの感染拡大の中、農業は、休業ができないライフラインを担う産業であることから、農業を主力産業の一つとしている茨城県などで取り組みを開始した。
スタートに先立ち、トライアルとして5月25日から土浦市内のレンコン農家など2件に活用してもらった。そのうちの1件で同市のレンコン農家、野口重典さんは「土浦市はレンコン生産量日本一を誇るが、高齢の方や外国人技能実習生が多く就業している。土浦の未来、日本の農業の未来を考えていく上では若い方にも農業に参画してもらいたい。空いている時間だけでもいいので農作業に触れてもらい、農業を好きになってもらうきっかけをつくりたい。結果として長期的に就業してくれる方が増えていけば」などとコメントしている。
同社は「茨城県内で農業関係人口を創出し、県民の週末農家支援など柔軟な働き方ができるようバリエーションを拡大したい」などとし、さらに「就農者不足・後継者不足など全国の農業の問題を解決できるプラットフォームを目指し取り組みを続けていく」としている。
◆シェアフルの利用方法は、求職者は専用アプリから自分のスキマ時間を登録するとその日の仕事が表示される。企業はマイページから求人情報を掲載できる。詳しくはシェアフル。