木曜日, 5月 14, 2026
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《食う寝る宇宙》63 かっこいい宇宙船の打上げ!

【コラム・玉置晋】2020年5月31日の早朝、僕は宇宙オタクの皆さんによるTweet合戦をニヤつきながら眺めていました。この日は宇宙開発にとって記念すべき日となりました。アメリカの民間宇宙企業「Space X」により、NASAの支援の元で開発された新型宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」が2人の宇宙飛行士を乗せて、国際宇宙ステーションに向けて打上げられました。

この新型宇宙船はデザインが近未来的で、とにかくカッコいい。スペースシャトルのコックピットには多数の機械式スイッチ類がありましたが、Crew Dragonには、ほとんど見当たりません。3つの大きなタッチスクリーンに、リアルタイムの飛行状況や船内環境などが映し出されます。宇宙服もSF映画さながらです。

昨年3月、「Crew Dragon Demo-1」という無人テスト飛行(宇宙服を着たダミー人形を搭載)が行われて、国際宇宙ステーションにドッキング・分離後、無事に地球に帰還しました。

今回は、「Crew Dragon Demo-2」として、有人による最終テストを行っています。基本的に、Crew Dragonは国際宇宙ステーションとのドッキングまで自動運行で、地上のミッションコントロールセンターが飛行状況をモニターしますが、今回は、緊急時のテストとして宇宙飛行士による手動操作も行われました。

そして、約19時間の飛行を経て、国際宇宙ステーションにドッキングしました。2人の宇宙飛行士は、数週間、国際宇宙ステーションに滞在の後、Crew Dragonと共に地球に帰還します。Crew Dragon Demo-2が無事に成功したら、Crew Dragonはいよいよ実運用が開始されます。

今年の8月末、最初のミッション「USCV-1(US Crew Vehicle-1)」が予定されています。第64/65次長期滞在クルーを国際宇宙ステーションに運搬します。そのクルーの1人が野口聡一宇宙飛行士です。

僕は太陽活動をモニター

僕はCrew Dragonの打上げを見守るのと同時に、太陽活動もモニターしていました。ミッション中に太陽フレアが起きて、大量の放射線が降り注ぐ事態になれば、地球への緊急帰還ということもあり得るわけです。

国際宇宙ステーションは地球を約1時間半で周回しており、1時間弱で昼と夜を繰り返していますが、Crew Dragonのドッキングは地球の夜側で行われます。夜側、すなわち地球の影にいる間に重要なミッションを実施するのは、太陽フレアによる放射線を回避する時間をかせぐことも理由の一つです。

打上げ2日前の5月29日、「Mクラス」と呼ばれる中規模の太陽フレアが発生しました。この規模の太陽フレアは、実に2年半ぶりでした。幸いなことに、今回は大事には至らず、ミッションは継続されています。(宇宙天気防災研究者)

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