【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大で利用が制限されていた博物館や美術館、公園の利用制限を国が緩和したのを受けて、県立自然博物館(坂東市)や県近代美術館(水戸市)などが12日、一斉に開館した。感染防止対策をとった上で、ほぼ1カ月ぶりの再開となった。
坂東市大崎のミュージアムパーク県自然博物館は午前9時30分に開館した。4月11日に休館となって以来、ちょうど1カ月ぶりの再開となった。この日の来館者は例年の2割程度にどどまり、にぎわいはまだ館内に戻らなかった。

入館者はマスクをして、入り口で手指をアルコール消毒、さらに除菌マットで靴底を除菌して入館した。受付の案内カウンターには飛沫を防止する透明なビニールカーテンが張られ、案内スタッフはマスクと手袋を着用して応対した。
同館は恐竜の骨格標本や動物のはく製を触ったり、顕微鏡でミクロの世界をのぞいたりできる体験型施設だが、展示物には手を触れないなどの新しいルールが館内のあちこちに表示された。展示物の至るところにあるスイッチなどは、1日4回、スタッフが除菌する。
入館者同士の間隔を2メートル空けることなども求められ、混雑した場合は入場を制限することもあるそうだ。

館内のレストランや売店はまだ休業のまま。来館者が昼食を持参して館内のセミナーハウスで食事をしたり、屋外広場で飲食することはできるという。飲食ができるセミナーハウスは密集や密接を防ぐため400席あった座席を150席に減らした。
12日、再開した同館を4歳の長男と0歳の長女を連れて訪れた守谷市の30代の主婦は「長男の幼稚園が休みになり、ずっと家にいて子供のストレスがたまっていた。長男は恐竜が好きなので博物館に来た。開館してくれてありがたい」などと話していた。
広報を担当する同館企画課の高橋優華さんは「制限をかけての開館となり、精一杯楽しんでいただけないところは心苦しいが、ご理解いただいて利用いただければ」と話している。
緊急事態宣言が出され都道府県をまたいだ移動は自粛を求められていることから、県外からの来館については自粛を求めているという。
つくば美術館は6月13日から
県立美術館は、県近代美術館(水戸市)、県天心記念五浦美術館(北茨城市)、県陶芸美術館(笠間市)の3館が12日、一斉に開館した。
一方、貸し館による展示が主なつくば市吾妻の県つくば美術館は、展示予定だった主催者のキャンセルにより5月いっぱいは休館を続ける。再開は6月13日の「土曜講座」からで、学芸員が講話する。6月20日にはビデオ鑑賞会も再開する。ギャラリーの展覧会再開は6月30日からになるという。
洞峰公園テニスコート13日再開
県立の屋外公園は11日から笠松運動公園(ひたちなか市)などが再開した。
つくば市二の宮の洞峰公園は、テニスコートが13日から利用を再開する。同公園によると、13日午後2時時点ですでに延べ10面の利用予約が入ったという。ただしマスクを着用してプレーしてもらう。更衣室やロッカー、シャワーなどは利用できない。

一方、アリーナやプールの再開は未定のままだ。ギャラリーやカフェがある新都市記念館も休業が続き、こちらも再開は未定という。冒険広場にある、子供たちに人気の複合遊具と砂場は引き続き利用できない。
土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園は、霞ケ浦文化体育会館(水郷体育館)前の県の駐車場がゴールデンウイークの2日から11日まで閉鎖されていたが、12日から利用できるようになった。

公園内の施設のうちテニスコートは6月2日から再開予定で、予約受け付けが開始された。水郷体育館の再開は未定。県都市整備課によると体育館利用再開の目安は、スポーツクラブなどの休業要請が解除される時期になるという。土浦市のネイチャーセンターは6月1日まで休館。2日から再開の予定。