金曜日, 3月 20, 2026
ホームつくば犬の感染症対策に思わぬ影響 新型コロナ 狂犬病の集団予防注射が延期

犬の感染症対策に思わぬ影響 新型コロナ 狂犬病の集団予防注射が延期

【伊藤悦子】新型コロナウイルスの感染拡大が、犬の感染症対策に思わぬ影響を与えている。毎年4月から6月の間に公園などの会場で実施されている狂犬病の集団予防注射が、つくば、土浦両市でそれぞれ延期となった。密集や密接など「3密」を避けるよう求めた国や県の要請を受けた。

狂犬病予防注射は毎年1回、接種することが義務になっている。獣医師からは、延期により接種を忘れる飼い主が出てしまうのではないかと心配の声が出ている。

土浦市東崎町のRG動物病院、五頭理恵院長は「狂犬病予防注射は、近くの動物病院でも同じ費用で接種できる。犬のためというより人に感染させないためでもあるので、延期になっても忘れずに接種してほしい。かかりつけでなくても大丈夫なので気軽に相談してほしい」と接種を呼び掛ける。

実施時期は未定

つくば市は2日、土浦市は3日、延期を決めた。土浦市環境衛生課によると、同市では延期を決めた時点で市のホームぺージで知らせたほか、各地区で回覧をした。また集団接種の各会場に延期の看板を立てかけ、当日の予定時間には職員が現地で延期を案内した。

11日、犬の散歩をしていた土浦市の男性(46)は「延期は知らなかったが、やむを得ないと思う」と話した。飼い犬は毎年かかりつけの動物病院で接種しているという。

延期後の集団接種実施時期について、つくば市環境保全課は秋ごろを検討している。「時期が決まったら市のホームぺージに掲載し、区会回覧でも知らせたい」と話すが「新型コロナウイルスの収束状況によっては中止もありうる」と語る。「かかりつけの動物病院ですでに接種した犬もいるが、動物病院に行けない飼い主もいるので、未接種の飼い主には、はがきを出して知らせたい」と話した。

土浦市環境衛生課は「新型コロナウイルスの収束時期がわからないが、期日が決まったら広報誌と市の公式サイトで知らせたい。開催時期が近づいたら犬を飼っている世帯にはがきを出す」として「不明な点は問い合わせてほしい」と語った。

動物病院で接種する場合、県獣医師会に加入している病院なら狂犬病予防注射済票の交付が可能だ。それ以外の動物病院で接種した場合は、市の窓口で注射済票の交付を受ける。ただし新型コロナウイルス感染症予防のため休業している動物病院もあるので、事前に動物病院に問い合わせてほしいという。

つくば市赤塚、さくま動物病院の佐久間由紀獣医師は「集団接種が延期されて、次がいつになるかわからない。狂犬病予防注射は1年有効なので免疫など心配なことがあったら、気軽に近くの動物病院に問い合わせて来院してほしい」と話した。

日本に入れないため注射を

狂犬病の予防接種をなぜ年1回実施しなくてはいけないのか。RG動物病院の五頭院長は「狂犬病は人獣共通感染症で、犬や猫だけでなく人間もかかる病気。発症したら確実に命取りになる」と強調する。現在は日本などごく一部の国や地域で発症していないが、世界中に発症が分布しているという。

日本でも1950年以前は発症があり、犬にかまれて死亡した人もいた。予防接種を行ったことで、1957年以降、発症がなくなった。

しかし不正に小動物を輸入したり、外国船に乗っていた犬が寄港するなどして、狂犬病が日本に入ってくる可能性があるという。

五頭院長は「海外から狂犬病が入ってきたら大変なことになる。日本に入れないためには全国の犬に予防注射を打つ必要がある」と強調する。

◆注射費用は集団接種も動物病院も同額だ。病院によっては受診料などがかかる場合があるので問い合わせて確認することが必要。つくば、土浦市いずれも注射料3000円、注射済票交付手数料400円。新規登録の犬はさらに登録手数料2000円が必要。

桜川堤防を飼い主と散歩する犬=11日土浦市内

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

学校給食に金属製ナット混入 つくば市の義務教育学校

つくば市は19日、市内の義務教育学校で同日出された学校給食に異物が混入していたと発表した。教職員が職員室で給食を食べようとご飯のふたを開けたところ、直径8ミリほどの金属製のナットが混入していた。 同校の他の教職員や生徒、同日ご飯が提供された他校からもほかに異物混入の報告は無く、健康被害も報告されていないという。 市健康教育課によると、同日午後0時45分ごろ、教職員が個別の器に入ったご飯のふたを開けたところ、端の方に直径8ミリほどのナットが混入していた。 同市でのご飯の調理は、給食センターとは別に、米飯納入業者が炊飯工場でご飯を炊き、一人分をそれぞれ個別の器に入れ、ふたをして各学校の配膳室に配送している。配送された給食は、職員が配膳室から各教室や職員室などに運んでいるという。 どうして混入したかについて同課は、米飯納入業者が経緯を調査したが、19日時点で不明だとしている。 市は同日、ご飯の提供を受けた市内の各学校の保護者にお詫びの通知文を出した。

「人生という旅を楽しんで」 日本国際学園大学で卒業式

日本国際学園大学つくばキャンパス(つくば市吾妻、橋本綱夫学長)で19日、卒業式が催された。同キャンパスで学んだ49人の卒業生を前に橋本学長は「人生百年時代の中で、皆さんはこれから80年先の未来に向けて歩むことになる。80年前のことを考えると時代が大きく変わってきたことがよくわかる。これから苦難が待ち受けているかも知れないが、人生という旅を楽しんで欲しい」とエールを送った。 卒業生を代表して経営情報学部人文科学専攻の朝妻翔さん(22)は「大学の4年間で自分ができることは積極的に挑戦し、成長すること、そして一人で解決しようとするのでなく周囲の人の助けを借りることの大切さを学んだ。自分が気づかないことでも他の人の客観的な視点が必要なこともある。SNSやオンラインゲームで簡単に世界とつながれる時代だからこそ信頼できる関係を築くことが大事だと思う」と答辞を述べた。 式典では、同学部情報・デザイン専攻の伊藤祥一郎さんが橋本学長から学位記の授与を受けた。さらに優秀な成績や功績があった卒業生に褒賞が授与され、同学部人文科学専攻の朝妻翔さんと情報・デザイン専攻4年の伊藤祥一郎さんにそれぞれ学長賞が、佐藤緑咲さんに前身の東京家政学院創立者、大江スミの名を冠した大江賞が贈られた。 取手市出身の卒業生、千葉譲さん(22)は「4年間は授業とアルバイトに追われて忙しかったが、無事に卒業出来てよかった。これからはバスの運転手になるので、社会人として頑張っていきたい」と語った。 同大は1990年、東京家政学院大筑波短期大学として開学。96年に4年制の筑波女子大学になり、2005年に男女共学の筑波学院大学になった。大学の運営は19年度に東京家政学院から学校法人の筑波学院大学に移り、23年からは学校法人名を日本国際学園に変更した。一昨年からは姉妹法人の東北外語学園(仙台市、橋本理事長)が運営する仙台市の東北外語観光専門学校に新たに日本国際学園大学の仙台キャンパスを設置した。 つくばキャンパスは、経営情報学部ビジネスデザイン学科に、国際教養モデル、現代ビジネスモデル、公務員モデル、AI・情報モデル、コンテンツデザインモデルの五つがあり、各モデルから選択し専門の学びを深めることができる。外国人留学生は日本文化ビジネスモデルで学ぶことができる。(榎田智司)

土浦の新小学1年生に黄色い帽子を寄付 JA水郷つくば

新年度に土浦市内の市立小学校と義務教育学校に入学する全ての新小学1年生に向けて、JA水郷つくば(土浦市小岩田西、池田正組合長)が883個の黄色い交通安全帽子を土浦市に寄付し、18日同市役所で寄贈式が催された。池田組合長から安藤真理子市長に目録などが手渡された。 交通安全帽子の寄付は同JAが地域貢献活動の一環で1977年から始め、今年で49年目となる。以前は男子がキャップ型、女子はハット型と性別で形が異なっていたが、2024年度から性別を問わず共通のハット型とした。 式典でJA水郷つくばの池田組合長は「この事業が始まった時は農協が合併する前だった。自分が入所した頃からやっていることなので感慨深い。小学1年生は、黄色い帽子をかぶっているのが知れ渡っているので、運転手も気をつけてくれる。今後も支援を続けていきたい」と話し「帽子ではなくヘルメットという声もあったが従来通り黄色い帽子となった」と付け加えた。 寄付を受けた土浦市の安藤真理子市長は「交通安全は市としても大事なことなので、長い期間寄付を続けていただき大変感謝している。子供たちには毎日元気に登下校してもらいたい」と述べた。 寄贈式では土浦市が1976年から毎年、入学祝い品として新1年生に無料で贈呈しているランドセルも用意された。ランドセルも今春から性別に関係なくジェンダーレスの薄い茶色になる(25年5月2日付)。 新小学1年生に対するJA水郷つくばの交通安全帽子の寄付は、土浦市のほか、管轄する龍ケ崎、牛久、かすみがうら、利根、美浦、阿見の7市町村全ての公立小学校と義務教育学校に対して行われる。(榎田智司)

つくばエクスプレスの車窓から《ご近所スケッチ》22

【コラム・川浪せつ子】今回はつくばエクスプレス(TX)の窓から見えた筑波山とつくば市内の絵です。TXは2005年8月に開通しました。都内からつくば市に引っ越してきた私は、それまで乗用車でJR荒川沖駅まで行き、常磐線で東京に通いました。免許証を持っていなかったので、教習所に通わねばならず、いろいろ大変でした。 TXは待ち望んだ電車でした。今は都心部から帰るとき、TXに乗り、筑波山が見えると心が休まります。車窓からの風景は穏やかで、都会の喧騒(けんそう)を忘れさせてくれ、地方の良さをつくづく感じます。つくば市に来てよかったと、しみじみ思うときです。 交通の便は良くなったものの、つくば市の「景観の方はどうかしら?」と思っていました。そんなとき2月に「つくば市景観講演会」という市主催の企画があったので、参加してみました。建築業界の隅っこで仕事をしていますが、これまで景観のことはあまり考えず、受けた仕事をこなしているだけの生活でした。 「便利」だけでなく「景観」も 「つくば市の景観100」「つくば景観ルートマップ」という冊子、ご覧になったことありますか? 少し前に発行されたものですが、時々見て、絵を描く資料にしていました。つくば市とその周辺部には、ステキな自然や景観がたくさんあります。 電車も通り、人口も増え、便利にはなったものの、それは景観の悪化につながっているのだと、今回の企画で感じました。仕事で「あれ?こんなのいいの?」と思うような看板を描いたこともありましたが、ソレです。「再生エネルギー」の太陽光発電パネルが、筑波山に造られたこともありました。コレ、禁止なんじゃないの? 大学の先生の話も面白かったです。先生+市民の協力で、街を再生・進化させた事例など。 上の絵のように、つくば市はまだ開発中ですが、「便利」だけでなく「景観」も、「住みやすい街」には大切と思いました。(イラストレーター)