火曜日, 12月 2, 2025
ホームつくば犬の感染症対策に思わぬ影響 新型コロナ 狂犬病の集団予防注射が延期

犬の感染症対策に思わぬ影響 新型コロナ 狂犬病の集団予防注射が延期

【伊藤悦子】新型コロナウイルスの感染拡大が、犬の感染症対策に思わぬ影響を与えている。毎年4月から6月の間に公園などの会場で実施されている狂犬病の集団予防注射が、つくば、土浦両市でそれぞれ延期となった。密集や密接など「3密」を避けるよう求めた国や県の要請を受けた。

狂犬病予防注射は毎年1回、接種することが義務になっている。獣医師からは、延期により接種を忘れる飼い主が出てしまうのではないかと心配の声が出ている。

土浦市東崎町のRG動物病院、五頭理恵院長は「狂犬病予防注射は、近くの動物病院でも同じ費用で接種できる。犬のためというより人に感染させないためでもあるので、延期になっても忘れずに接種してほしい。かかりつけでなくても大丈夫なので気軽に相談してほしい」と接種を呼び掛ける。

実施時期は未定

つくば市は2日、土浦市は3日、延期を決めた。土浦市環境衛生課によると、同市では延期を決めた時点で市のホームぺージで知らせたほか、各地区で回覧をした。また集団接種の各会場に延期の看板を立てかけ、当日の予定時間には職員が現地で延期を案内した。

11日、犬の散歩をしていた土浦市の男性(46)は「延期は知らなかったが、やむを得ないと思う」と話した。飼い犬は毎年かかりつけの動物病院で接種しているという。

延期後の集団接種実施時期について、つくば市環境保全課は秋ごろを検討している。「時期が決まったら市のホームぺージに掲載し、区会回覧でも知らせたい」と話すが「新型コロナウイルスの収束状況によっては中止もありうる」と語る。「かかりつけの動物病院ですでに接種した犬もいるが、動物病院に行けない飼い主もいるので、未接種の飼い主には、はがきを出して知らせたい」と話した。

土浦市環境衛生課は「新型コロナウイルスの収束時期がわからないが、期日が決まったら広報誌と市の公式サイトで知らせたい。開催時期が近づいたら犬を飼っている世帯にはがきを出す」として「不明な点は問い合わせてほしい」と語った。

動物病院で接種する場合、県獣医師会に加入している病院なら狂犬病予防注射済票の交付が可能だ。それ以外の動物病院で接種した場合は、市の窓口で注射済票の交付を受ける。ただし新型コロナウイルス感染症予防のため休業している動物病院もあるので、事前に動物病院に問い合わせてほしいという。

つくば市赤塚、さくま動物病院の佐久間由紀獣医師は「集団接種が延期されて、次がいつになるかわからない。狂犬病予防注射は1年有効なので免疫など心配なことがあったら、気軽に近くの動物病院に問い合わせて来院してほしい」と話した。

日本に入れないため注射を

狂犬病の予防接種をなぜ年1回実施しなくてはいけないのか。RG動物病院の五頭院長は「狂犬病は人獣共通感染症で、犬や猫だけでなく人間もかかる病気。発症したら確実に命取りになる」と強調する。現在は日本などごく一部の国や地域で発症していないが、世界中に発症が分布しているという。

日本でも1950年以前は発症があり、犬にかまれて死亡した人もいた。予防接種を行ったことで、1957年以降、発症がなくなった。

しかし不正に小動物を輸入したり、外国船に乗っていた犬が寄港するなどして、狂犬病が日本に入ってくる可能性があるという。

五頭院長は「海外から狂犬病が入ってきたら大変なことになる。日本に入れないためには全国の犬に予防注射を打つ必要がある」と強調する。

◆注射費用は集団接種も動物病院も同額だ。病院によっては受診料などがかかる場合があるので問い合わせて確認することが必要。つくば、土浦市いずれも注射料3000円、注射済票交付手数料400円。新規登録の犬はさらに登録手数料2000円が必要。

桜川堤防を飼い主と散歩する犬=11日土浦市内

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「来年はもっとバージョンアップ」 関彰商事とハノイ工科大 スポンサー契約を更新

日本商工会議所が関心 関彰商事(本社 筑西市・つくば市、関正樹社長)つくば本社で28日、同社が包括連携協定を結ぶベトナム・ハノイ工科大学とのスポンサー契約更新の調印式が催された。関社長は「ハノイ工科大学とは10年の付き合いがあるが、来年はもっとバージョンアップいきたい。今回、日本商工会議所が関心をもってくれたことが成果。日本とベトナムの架け橋になれるようがんばっていきたい」と話した。 調印式には同大からヴー・ヴァン・イエム副学長ら3人が出席し、同社社員らがベトナムの国旗を持って一行を出迎えた。関社長は「壁は日本語、さらに多くの学生が日本企業で活躍できることと、この事業が持続していくことを期待している」と述べた。 同大からは、優秀な学生に奨学金を出し最終的に日本企業に貢献してもらうことや、高校生の交換留学を進めることなど二つの提案があった。 同社は2016年にハノイ市に事務所を開設し、ベトナムでの事業をスタートした。グループの人材派遣会社である「セキショウキャリアプラス」が、今年第12回目の合同企業説明会「セキショウ ジョブ フェア」をハノイ工科大学で開催。日系企業によるベトナム人大卒エンジニアなど高度外国人材採用や、ベトナム人求職者の就労をサポートしている。18年にはハノイ工科大学を支援するスポンサー契約を結び、継続している。 同大は1956年に設立されたベトナム初の技術系総合国立大学で、同国の理科系大学では最難関とされる。学生数は4万人以上を超え、1学年600人余りが日本語を学ぶ。11月2日と3日に同大で開催されたジョブフェアには2000人以上が参加している。日本では東京工業大学、慶応大学などが姉妹校となっている。 同社の寄付金により同大に建設中の日本とベトナムの文化交流施設「越日スペース」は、来年8月に完成が予定されている。施設は2階建てで、日本語学習や関連セミナー、文化交流などのイベントが開催されることになっている。(榎田智司)