水曜日, 1月 27, 2021
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《くずかごの唄》58 コロナ対策 医療崩壊をくい止めるために

【コラム・奧井登美子】 Sさんからの電話。

「コロナが怖くて、電話で再診察をやってもらいました」
「大学病院のホームページに、再診に限り、電話診察をするってあったけれど、それを受けたの?」
「そうです。あの混んだ待合室に行きたくなかったので、電話診察にしました」
「わかる。わかる」
「いつもと同じ薬の処方箋が、大学病院からおたくの薬局にファクスで届くと思います」
「ファクス? 処方箋は公文書だから、FAXでの調剤は違反です。やったことがない。困っちゃうわ。本物の処方箋はどこへもらいに行けばいいんですか?」
「そのことについては、病院側から薬局に説明があると思います」

ファクス調剤が、法律的に許されるのかどうか。薬剤師になって以来、初めてのことなので、私もどう対応していいかわからずに、少なからず惑ってしまった。

薬を扱う私たち薬剤師は、薬事法の厳しい規制に従って仕事をこなしている。新型コロナ肺炎のウイルスをくい止めるためには、医療関係者の1人として、かなりの努力が必要であることは覚悟しているものの、頭が変化のスピードについていけない。

処方箋が病院からファクスで届く

間もなく、病院から処方箋のファクスが届くと同時に、電話がかかってきた。コロナ肺炎の収束時まで、期間限定で厚労省が許可したとのこと。ファクスを受け取った人の氏名まで聞かれて、病院側も、臨時の処置とはいえ事故があったら大変なので、煩雑さも大変だろうと思う。

「本物の処方箋はどこに取りにいけばいいのですか?」
「病院から郵送されますのでご心配なく」
「郵送の費用は?」
「病院で持ちます」

コロナ禍での医療崩壊をくい止めるためには、病院内の医療関係者も、病院外の関係者も、患者さんも、一時的な変化のスピードと厳しさについていかなければならないのだ。(随筆家、薬剤師)

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