つくば市は27日、筑波山中腹の旧筑波第一小学校跡地に立地する私立の通信制高校、東豊学園つくば松実高校(同市筑波)が3月31日付けで閉校になると発表した。生徒数減少のためという。同校は教育特区として同市が認可した唯一の学校だった。
2007年に市が教育特区の認定を受け、株式会社による学校設置を市が認可して、株式会社つくば東豊学園が08年4月に開校した。廃校になった旧筑波第一小の校舎や体育館、グラウンドなどをそのまま活用した。
開校当初は1~3年生まで244人が在籍、その後は毎年400人前後の生徒が学び、18年度には418人の生徒が在籍していた。19年度に生徒数が145人に急減した。
毎日学校に通学しなくても、自宅などで添削指導などを受けながら学ぶことができる通信制高校。開校から11年間で、関東や東北、東海地方など全国各地の不登校や引きこもりの生徒を含め約1600人が学んできた。
市によると昨年10月ごろ廃止の相談を受け、12月に20年3月末での廃止を認可した。
在籍生徒145人のうち、卒業生を除く82人については、市が転校を斡旋するなどして69人が別の学校に転校するという。
同校は敷地面積約4700平方メートル、校舎と体育館の延床面積は計約1800平方メートル。市が年間約320万円で校舎やグラウンドなどを同校に貸していた。
閉校後の跡地の利活用について市は、今後検討していくとしている。