【鈴木宏子】新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を防ぐため、土浦市の公立小中学校が4日から臨時休校となるのを前に、市内の小中学校で3日、学年最後の授業が行われた。同市では全国より2日長く準備期間を設けた。
「子供たちに委ねることになってしまった」
市立土浦小学校(同市大手町、児童数626人)では3日朝、小島勝則校長が放送で全校児童にメッセージを送り「生活のパターンを決め、時間を有効に使ってほしい」と呼び掛け、「特に不特定多数が集まる場所、換気の悪い場所、人が密集する場所には行かないで」などと話した。
小島校長は「本来なら3月はこれまでの学習と生活を振り返り、次への準備をするはずだったが、中途半端になってしまい、この部分を子供たちに委ねることになってしまった」と語った。
この日は学年ごとにそれぞれ、授業をしたり、学級活動をしたり、レクリエーションを実施した。6年生は、時間短縮や規模縮小のため例年とはスケジュールが大きく変わる19日の卒業式に向けて練習した。子供たちには、授業で実施することができなかった課題やテストなど、たくさんのプリントが配られた。
「信じられないような3日間過ごした」
6年生の学級活動では担任の高田淳平教諭が「本来ならきょうは最後の校外学習に行っていた日。(政府による臨時休校が発表されから)信じられないような3日間を過ごした」と子供たちに語り掛け、「これから家で過ごす時間が長いので、1日の中で学習時間を決め計画的に学習してほしい。中学生になる準備期間としてしっかり過ごしてほしい」と呼び掛けた。その上で、臨時休校中にどのような学習をすべきかを教科ごとに説明し、毎日、学習した内容や学習時間を書き込むことを促した。
さらに「(臨時休校は)君たちのせいじゃないが君たちも社会の一員。新型コロナウイルスがこれ以上、社会に広がらないようにしっかり過ごしてください。家族の一員として、家族を助けてください」などと話した。
4日からは原則、自宅学習となるが、親が仕事などで面倒を見られない場合は午後2時までは学校で、2時からは学校敷地内の放課後児童クラブで受け入れる。自宅で過ごす子どもたちについては、臨時休校中、担任が家庭を訪問するという。
「学校にいたかった」
臨時休校について6年生の女子児童は「もっと学校にいたかった」と話し、男子児童は「中途半端な感じて終わってしまった」などと述べた。
小学3年生の子どもをもつ母親は「パートを休もうかどうしようか、今まだ悩んでいる。今週は隣町に住む母親が子どもの面倒を見に来てくれるが、父親に持病があるので感染させてしまわないか心配がある。放課後児童クラブに入ってない子も学校で預かってくれるということなので、こちらも考えたい」などと話した。別の母親は「感染を防ぐために(臨時休校は)仕方ないと思うが、共働きの家庭は大変だと思う」などと語っていた。
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