木曜日, 2月 9, 2023
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バレンタインデー目前 その名は「いばらきチョコレート」

【池田充雄】バレンタインデーを目前に、チョコレート商戦の目玉となりそうな個性的な商品が登場した。その名は「いばらきチョコレート」。インドネシアのカカオとつくば市などの農産物を使い、国際協力と農業振興の一端を担う。現在、スーパー「カスミ」(本社つくば市)の県南地区6店舗で販売中だ。

オールつくばの生産体制

いばらきチョコレート誕生の発端は、業務用チョコレート大手の東京フード(つくば市上大島)とつくば市が一昨年、国際協力機構(JICA)との共同事業でインドネシアのカカオ栽培支援に乗り出したこと。焼畑農業からの転換を進め、森林保全と農家の生計改善につなげる目的だ。現地で生産されたカカオマスを買い取り、つくばの農産物と組み合わせたチョコレート商品を開発することで、事業の周知と理解を図りながら、支援の輪を広げようとしている。

田野島万由子さん

商品化に取り組んだのは、野菜ソムリエやフードコーディネーターとして地域で活動する田野島万由子さん(つくば市横町、オリジネス取締役)。かねてから地場農産物の消費拡大のため、ドライフルーツの開発も進めていた。

昨年1月、カスミ地域商品開発部の協力を得て試作品が完成。市内3店(大穂店、学園店、イーアスつくばスタイル店)で販売し、800個を完売した。その後は商品のブラッシュアップを進めるとともに、共同事業者に社会福祉法人ゆっこらフレッシュグリーン(つくば市谷田部)とニュートラルデザイン(つくば市桜)を迎え、オールつくばの生産体制を敷いた。

地場産フルーツの個性際立つ

インドネシアのカカオは、アフリカ産のような酸味やクセは感じられず、日本人の口に合う食べやすさが特徴という。それを東京フードが、カカオならではの苦みや濃厚なコクを生かしたセミスイートチョコに仕立てた。

トッピングのうちブルーベリー、キウイ、温州みかん、福来みかんは市内産。旭村イチゴ(鉾田市)や奥久慈リンゴ(大子町)も使用、ほうじ茶と緑茶は猿島茶(坂東市)だ。果物はドライフルーツ、お茶は粉末にすることで自然の風味が凝縮され、それぞれの個性が強く感じられる。

商品のうち一番人気は「ほうじ茶&福来ミカン」。口にすると福来ミカンの爽やかな香りが立ち、後からほうじ茶の香ばしさやほろ苦さが広がる。福来ミカンは皮の砂糖漬けに果汁も絞り入れることで、いっそう香り高く味も濃厚になったという。

いばらきチョコレート:ほうじ茶&福来みかん、緑茶&福来みかん、いちご&ブルーベリー、温州みかん、キウイ&林檎の5種。1枚300円、3枚入1,050円、5枚入1,650円(いずれも本体価格)

季節品からつくばを代表する商品へ

今年度の生産は5種類で計3000個を予定。昨年末にプルシェつくばキュート店で先行販売を開始した。同店は駅に隣接するため地域商品の需要が高く、帰省シーズンと重なって好調な出足だったという。

1月下旬からは大穂店、学園店、イーアスつくばスタイル店、守谷テラス店、千代田店を加え6店舗で展開中。「昨年販売した店ではお客様が覚えていてくださり、今年もバレンタイン前から問い合わせが相次ぎ、リピーターやまとめ買いの方もおられた」と、カスミ地域商品開発部の神林都さん。

「これをきっかけにバレンタインだけに終わらせず、手みやげやプレゼントなどにも利用していただき、茨城やつくばをアピールできる商品として長期的に育てていきたい」と、田野島さんは展望する。

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