【相澤冬樹】つくば市は8日、廃校となった同市立小田小の跡地利活用に関する地元説明会を開催、施設の一部を交流拠点として利活用するプランを提示した。運営は地元の小田地域まちづくり振興会(鈴木真人会長)に委ねることとし、3月中に貸し付け契約を結び、5月中にも本格オープンさせたい意向だ。
同小旧校舎で開かれた説明会には約30人が参加。市はこれまでの検討結果を示した上で、利活用の方針を説明した。それによれば、増築校舎と呼ばれる鉄筋コンクリート造3階建て1、2階の教室部分と運動場が、当面の利活用の範囲となる。校舎は1986年の建築で、新耐震性能を満たしており、現在改修工事中。これまでにエアコンの取り付けを終え、児童用だったトイレを大人も使える形に作り替えている。

同小は2018年3月末で廃校になった。宝篋山の麓にある小田の市街地と、サイクリングロードが通る小田城跡歴史ひろばの中間部に位置する。これらの施設を、①地域内外の交流の場の提供②地域の文化・資源を体験できる名物・プログラムの提供③地域の情報発信④地域に貢献する団体等への場の提供-に役立てていくという。
教室・校庭を登録団体・個人に貸し出すことで、運営資金に充てる一方、登山客やサイクリストが立ち寄れる補給所・休憩所として開放する。おみやげ販売の朝市・マルシェの開催、校庭を使っての電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」の試乗体験などのイベントが想定されている。
登録料は個人500円・団体1000円、利用料金は小田地域内の個人・団体は1教室1時間で1000円、小田地域外は同2000円などとする案が示されたが確定していない。予約は利用の3カ月前からを受け付ける形で検討されている。地域のボランティア団体や運営協力団体は無料ということだが、有料・無料の線引きはなお検討課題。利用料金を含め、引き続き調整の上、運営を小田地域まちづくり振興会に委ねることになる。
同振興会は、小田地区でどんど焼きなどに取り組んでいた個人活動を束ねる組織として昨年5月に結成された。会員は28人(準会員10人含む)で、同小の卒業生らが中心。昨年は古本市や子ども映像教室などの活動や、運営主体となるための勉強会などを行ってきた。3月21日、22日には内装の壁塗りを参加者に呼び掛けて行うプレオープニングを予定している。
市が施設を同振興会に貸し付ける契約、協定の締結は3月末となる予定。校舎や校庭の貸し出しが始まるのは5月に入ってからとみられる。鈴木会長は「まだまだ調整しなくてはならない課題があるが、小田のまちにとっていいものにしていきたい」と地域の協力を呼びかけた。