【山口和紀】筑波大学医学群医学類4年の森陽愛子(ひめこ)さんが、大学近くのカラオケ店で22日、心肺蘇生選手権を開催する。一般の市民や大学生が対象だ。カラオケ店で開催するのは心肺蘇生のテンポに近い曲を実際に歌ってみたり、大人数で合唱したりしながらテンポを学んでもらうため。森さんが選んだ若い人に人気の曲を使う。「心肺蘇生のやり方に触れてもらい、テンポを学んでもらえたら」と森さんは参加を呼び掛ける。
「TSUKUBA心肺蘇生選手権」で、昨年11月に引き続き2回目の開催となる。心肺蘇生を全くやったことがないという人でも参加できる。
心肺蘇生の技能を得点化する装置のついた訓練用の人形を使って、心肺蘇生の上手さを競う大会だ。医療関係者ではない一般の人に参加してもらうためカラオケ店の一角を使い行う。
主催する森さんは以前から、地域の子どもたちや高齢者に心肺蘇生やたばこの悪影響などを啓発するサークルに所属していた。今回は、大学生や社会人にも心肺蘇生のやり方を知ってほしいと、楽しみながら参加できる選手権形式で開催する。
参加者には30秒間、訓練用の人形で心肺蘇生をしてもらう。1分間に100~120回のテンポで、5~6センチの深さまで胸を圧迫する。選手権では押し込む深さやそのテンポなどを採点する。最も高い得点を獲得した人には景品も用意されている。前回大会の景品は大きなシロクマのぬいぐるみだった。景品のぬいぐるみを使って心肺蘇生の練習をしてもらえたらという思いからだ。
会場のカラオケ店は森さんがもともと頻繁に通っていた店だという。「フレンドリーな店長で、以前から親しくしていた。大会の計画を話すと『うちでやりなよ』と言ってくれた」と語る。
あいみょんやFoorinの曲で
森さんによれば、カラオケで開催する利点は幅広い層に届くことだと言う。前回大会ではカラオケをしに来たお客さんを誘って参加してもらった。その結果「大学生や社会人はもちろん、留学生にも参加してもらえた。『初めて心肺蘇生をやった。楽しかった』と言ってくれた人もいた」という。
さらに「(胸骨圧迫のテンポに近い曲を)実際に歌ってみたり、大人数で合唱したりしながら心肺蘇生のテンポを学んでもらえる」と森さん。従来の講習などでは一昔前の古い曲を使って伝えている場合が多く、若い人には届きづらいと感じていた。「気になって調べてみると、あいみょんの『マリーゴールド』とかFoorinの『パプリカ』とか、最近の人気曲にもちょうどいいテンポの曲がある。それらを使って伝えたい」と語る。
森さんは今後も継続的に「心肺蘇生選手権」を続けるつもりだ。「大会をさせてくれるお店だったり、イベントに企画として呼んでもらえたり、そういうことがあればうれしい。気軽に連絡を取ってもらえたら」と話す。
◆第2回TSUKUBA 心肺蘇生選手権 22日(土)、カラオケボイス天久保店(つくば市天久保1-7-1)で開催。午後7時から12時までの間、好きな時間に参加することが可能。所要時間は5分程度、申し込み不要。参加は無料だが、カラオケ代は別途支払いが必要(大会参加者にはポップコーンのサービスあり)。詳しくはhttps://twitter.com/tsukuba_sosei(ツイッターアカウント)。