【橋立多美】つくば市役所(同市学園都市)1階キッズスペース隣の特設会場で若者によるチャレンジショップが開かれ、市民が立ち寄って商品を手に取る姿が見られる。
出店しているのはTシャツやトートバッグ、ポーチなどオリジナル生活雑貨を展示販売する店と、欧米から取り寄せた子どもを前に抱いて固定する抱っこひものサンプルを展示し無料相談を受ける店の2店。
ショップは、市が今年度から3年間実施予定の「若者地域定着加速化事業」の一環で、市内で起業または新規出店して定住を目指す若者を対象に試行の場を提供し、マーケティングなど準備活動を補助して事業化を応援する事業。昨年秋に出店者を募り、今回出店した2人が選定された。
生活雑貨の店は、筑波大学芸術専門学群4年の内堀夢梨実(ゆらの)さん。同大の学園祭で販売して好評だったオリジナルTシャツと、使い勝手の良さを重視したトートバッグを並べている。いずれも大人とキッズサイズがある。
内堀さんは「学園祭と市役所とでは客層が違い、手に取ってくれるか不安だった」というが、キッズ向け商品を中心に売り上げを伸ばし手応えを感じている。「内定を得たデザイン関連の企業で社会経験を積んだ後、脱サラしてつくばで自分の店を持ちたい」と笑顔を見せた。
もう1店は子育て中でベビーウェアリングコンサルタント=メモ=の角田クリスティーナさん(32)が出店した。子どもが快適に過ごせる欧米の抱っこひもと、伸縮性のある細長い布で子どもを巻きつけて使うことで親が前傾姿勢になっても体がフィットすると注目を集めるベビーラップを体験できる。
クリスティーナさんによると欧米の育児アイテムは進歩しており、抱っこひもは新生児の時期から使えて子どもの身長や体重の増加に応じて調整できる。近年、抱っこひもを着脱するのに操作するバックルを外され赤ちゃんが落ちそうになったという物騒な話があるが、欧米の製品にはロックボタンが装備されたものがあるそうだ。
抱っこひもの選び方や肩の凝らない装着方法、昔ながらのおんぶひもの使い方を教えてくれて体験も可。「便利な育児グッズを使って自分らしい育児ライフを過ごしてほしい」とクリスティーナさんは話す。ハンガリー出身。日本男性と結婚し来日して4年のクリスティーナさんの日本語は完璧だ。
ショップは期間限定で営業日と時間は店によって異なる。雑貨店は31日までと2月3日~7日。時間は午前10時~午後4時。育児アイテム店は31日までと2月5日~7日。時間は午前10時~午後3時。両店とも土日は休み。
チャレンジショップ事業は次年度も出店対象業種や出店期間などを拡充して実施予定で、6月以降に市公式HPなどで募集する。
※メモ
【ベビーウェアリングコンサルタント】赤ちゃんの適切な抱っこやおんぶに関する知識を持ち、赤ちゃんの発達と保護者のライフスタイルに適した育児アイテムをアドバイスする専門家。