【鈴木宏子】小学校のプログラミング教育が2020年度から必修となり、すべての小中学校の児童・生徒に1人1台のコンピューターを配備する文科省の「GIGA(ギガ)スクール構想」がスタートするのを前に、「学校ICT(情報通信技術)活用フォーラム」(同省主催)が開かれ、萩生田光一文科相が16日、全国でも先進事例のつくば市立みどりの学園義務教育学校(毛利靖校長、児童・生徒数1004人)のコンピューターを使った授業を視察した。
フォーラムは15~17日、京都と東京で開催され、併せて先進的なICT教育に取り組む全国の8校で公開授業が実施されている。萩生田文科相は8校のうち、みどりの学園1カ所を視察した。16日催された同学園の公開授業には全国の都道府県や市町村教育委員会のICT担当者ら約300人が参加した。
萩生田文科相は、2020年度中に全国すべての小中高校などに高速大容量の通信ネットワークを整備し、さらに23年度まで4年間で全小中学校の児童・生徒に1人1台のコンピューター端末を配備する計画を説明し、「ギガスクール構想推進本部を設置し文部科学省を挙げて取り組む。ICTを使うことによって授業が劇的に変わっていく。走ってくれる自治体を全面的に応援するが、どうしていいか分からない自治体は相談してほしい」などとあいさつした。
その後、各教室を回り授業を視察。小型のロボットと英語で会話する1年生の授業や、お話をもとにアニメをつくる2年生の授業、一定の面積の図形の形をさまざまに変形していく8年生の授業など、コンピューターを使った授業の様子を見て回った。

国のギガスクール構想を受けて、つくば市も2020年度中に全小中学校に高速大容量の通信ネットワークを整備し、23年度までに児童・生徒1人1台のコンピューター端末を用意する計画だ。今後1人1台のコンピューターを用いて、一人ひとりに応じた学びや、探究したり協働する学び、実社会での課題解決に生かすSTEAM(スティーム)教育の実施などが期待されている。さらに授業の準備や児童・生徒の成績処理など教員の負担軽減、学校の働き方改革も期待されている。