【山崎実】県議会第4回定例会に議員提案されていた「県いじめ根絶を目指す条例」が最終日の20日、可決成立した。条例は、いじめのない学校運営が行われるよう、校長の責任を明確にしている。教育現場での対応として、いじめを行った児童生徒の出席停止措置や、いじめを受けた児童生徒とは別の場所で学習を行わせる措置を講じるなど、かなり厳しい内容が盛り込まれている。
背景には取手市の女子中学生自殺事件がある。その後もいじめによる不登校や、自ら命を絶つ事件などが全国的に発生しているため、「いじめの根絶に向けて社会が総がかりで取り組む」ことを柱に掲げている。全国11県目のいじめ防止条例として来年4月1日から施行される。
条例は全23条で構成され、県独自の取り組みとして、児童生徒からのSOSの受け止めと、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)による相談体制など、相談しやすい環境づくりを構築する。専門的知識に基づいていじめ対策が行われるよう、スクールロイヤー(弁護士)の派遣による支援なども規定し、「いばらき教育月間」(11月)での重点的な県民啓発活動を提唱する。
県は、いじめに関する諸課題を克服するため、県教育委員会や学校、市町村教育委員会、児童相談所、水戸地方法務局、県警察本部など関係機関(団体)で構成する「県いじめ問題対策連絡協議会」を設置。相互協力、連携を深め、いじめ根絶を目指すとしている。