【橋立多美】年の暮れが近づき、台所の片づけをしたら賞味期限を過ぎていないが使わないと思われる食品が出てきた、なんてことありますよね。そんな時はNPO法人フードバンク茨城(牛久本部)が設置している食品収集箱「きずなBOX(ボックス)」に寄付しよう。
企業やスーパー、農家、個人などからまだ食べられる食品を無償で提供してもらい、生活困窮者や福祉施設、こども食堂などに無償で届けて食の支援をするフードバンク。「もったいない」精神を追い風に、2011年に設立されたフードバンク茨城を含めて17年時点で全国80カ所以上でフードバンク活動が行われている。
社会的弱者の命を支える「きずなBOX」は、多くの人が利用する公共の場所に設置され家庭からの提供を待っている。県内ではフードバンク茨城が回収し、種類や賞味期限に基づいて仕分けして食品を必要とする家庭や施設などに届けている。
同茨城によると、きずなBOXを設置したいという協力申し出は年々増えており、今年10月時点でつくば市内8カ所、土浦市内13カ所を含め、県内で108カ所に設置されている。
18年度の同BOXでの受け取り量は約11トンで、前年より約3トン増えた。企業や団体からの寄付も含めた昨年度の受け取り量は県全体で109トン(約6500万円相当)。昨年12月から、企業が廃棄食品をフードバンクに寄付する場合、損金扱いできるようになったなどから、さらに増える傾向にある。
一方、企業からの寄付は飲料水など福祉施設向けのものが多く、レトルト食品や缶詰などすぐに食べられる食品を必要としている生活困窮世帯は、個人からの寄付が集まるきずなBOXが役立っている。
理事の田中健一さんは「年末の時期は、お歳暮をもらっても消費しきれず、たまってしまう家庭もあると思うので、食べきれないギフト食品はきずなBOXに入れていただけば」と話している。
ただし、寄付できる食品は▽未開封の食品▽常温可能な食品▽賞味期限が2ヵ月以上残っている食品に限られる。要冷蔵や冷凍、野菜やくだものは受け付けない。特に必要とされるのが缶詰や市販の米や玄米、カレーなどのレトルト食品、インスタント麺、うどんなどの乾麺だという。
◇つくば市の「きずなBOX」設置場所は次の通り。
市社会福祉協議会(筑穂1-10-4)/市役所1階レストラン前(研究学園1-1-1)/市民活動センター(吾妻1-10-1)/竹園交流センター(竹園3-19-2)/市民ネットワーク事務局(二の宮2-1-3)/並木交流センター(並木4-2-1)/ふれあいプラザ(下岩崎2164-1)/茎崎窓口センター(小茎320)
◇土浦市の「きずなBOX」設置場所は次の通り。
市役所1階福祉の店ポプラ(大和町9-1ウララビル)/市社会福祉協議会(大和町ウララ2ビル4階)/一中地区公民館(大手町13-9)/二中地区公民館(木田余1675)/三中地区公民館(中村南4-8-14)/四中地区公民館(国分町11-5)/上大津公民館(手野町3252)/六中地区公民館(烏山2-2346-1)/都和公民館(並木5-4824-1)/新治地区公民館(藤沢982)。