【相澤冬樹】第72回土浦市展(同市美術展委員会など主催)が28日から、市民ギャラリー(同市大和町アルカス土浦1階)で始まった。日本画、洋画、書など7部門に作品375点が出展されるなか、高校生の参加が増え、異色作も飛び出して、新風を吹き込んでいる。
市展事務局によれば、今回は写真と書道の両部門を中心に学生層の出展が増えた。特に高校生の参加が目立ち、書道部門では応募が前回の9点から19点に増え、前回ゼロだった写真部門では一気に21点も集まった。県立土浦二高、常総学院高、霞ヶ浦高を中心に出品があった。
1947年にスタートした同市展は、県内で最も歴史がある公募型の展覧会だが、近年は顔ぶれの固定化と老齢化が顕著になっていた。一昨年、会場を土浦駅前の市民ギャラリーに変更したのを機に、若い才能の発掘を意図して、高校生の出品料を無料にするなどテコ入れを図ってきた。
事務局の市教委文化生涯学習課によれば、今回は各校に直接連絡を取るなどして、出展を促す一方、市内の高校10校が参加した「学祭TSUCHIURA2019」の開催などにより、高校生の参加機運も盛り上がったという。
審査で優秀作に与えられる奨励賞にも写真で2人、洋画と彫刻で各1人の高校生が選出された。写真部門の審査では「奨励賞に選んだ内海優菜さんの作品に付けられた『エリザベス』って何なのか審査員の誰一人分からなかった。後でアニメのキャラクターだと分かってあ然とした」そうだ。
2年連続で奨励賞を受賞し、鑑賞に来ていた高橋政男さんは「写真は毎回似た顔ぶれで狭いスペースに押し込められていたのに、今年は広くなった上に2列で展示している。若い人の参加で活気が伝わってくる」と話していた。
土浦市展は12月8日まで。30日、12月1日、7日、8日の土日には、出品作の前で美術展委員らが解説するギャラリートーク企画もある。入場無料。問い合わせは同ギャラリー(電話029-846-2950)