土曜日, 5月 30, 2026
ホームつくば女子学生さん、いらっしゃい つくば市消防本部で職場体験

女子学生さん、いらっしゃい つくば市消防本部で職場体験

【橋立多美】つくば市消防本部は9日、同本部が置かれた中央消防署(同市研究学園1丁目)で女子学生向けの消防職場体験を実施した。県内外から女子学生10人と男子学生4人が参加し、防火衣着装や消火活動などの体験と女性吏員とのランチミーティングが行われた。

数年後に社会人となる若者に、消防の仕事の魅力と消防分野で活躍する可能性を知ってもらおうという催しで、特に女性をメーンに据えた取り組みは今回が初めて。

きっかけは2015年9月4日に施行された「女性活躍推進法」だ。消防・防災の分野でも女性が活躍することで住民サービスの向上と消防組織の強化につながるとして、消防庁が各自治体の女性消防吏員の比率を26年までに5%に引き上げることを数値目標とした。消防士は正式には「消防吏員」と呼ぶ。

同市は今年3月、同庁が定めた数値目標達成に向けて女性吏員の活躍の推進に関する行動計画を策定した。計画では21年までに女性吏員11人(全体の3.1%)以上を目指し、26年に18人(約5%)と目標を掲げる。4月現在の同市消防職員320人中、女性は10人で「男の職場」というイメージが強い。

靴、ズボン、サスペンダーの順に装着していく防火衣装着体験=同

消防活動の現場がよく分かった

体験は防火衣着装から始まった。防火靴、防火服、防火帽、手袋を指導を受けながら身に着けた。火災が発生した建物に進入する可能性のある吏員の防火衣は約8キロと重く、10キロの空気呼吸器(ボンベ)を着装することもあるという説明に「えーっ」と声が漏れた。

続いて防火衣を着けたままホースを使った消火訓練に挑んだ。火点に向けての放水体験で、先輩の吏員から「腰に重心を置いて前傾姿勢で」と声が掛かった。学生たちは「ホースは重く、水圧が半端なかった」と感想を口にした。

高さ15メートルの訓練棟ではしごを使った救出訓練が行われ、真剣なまなざしで迅速な活動を見学した。そして、患者搬送など救急隊員の負担軽減のために同本部が導入している「ロボットスーツHALR(ハル)」を装着した。

下妻市在住で救急救命士を志す晃陽看護栄養専門学校1年の人見莉花さん(19)は「スーツを着けたら20リットルの水が入ったポリタンクが楽に持ち上げられた。災害現場など幅広く活用できるのでは」と笑顔で話した。

好天に恵まれ、中高層ビルの救助や火災に力を発揮する、はしご車(地上約40メートル)の搭乗は学生たちには新鮮な体験だった。安全ベルトを外して地上に降り立つと「いい眺めで怖さは感じなかった」と頬を紅潮させながら語った。

搭乗は2人ずつで順番で待つ間に吏員と言葉を交わす場面が見られた。つくば市手子生在住で国士館大学2年の男子学生、安曽晃平さん(19)は「現場の話が聞けて良かった。消防士になりたいという気持ちが強くなった」。

地上40メートルまで伸びるはしご車に乗った男子学生=同

現役女性吏員との対話

女性吏員が女子学生と一緒に昼食をとりながら、疑問や不安に応えるランチミーティングが同本部のホールで行われた。消防吏員を目指したきっかけや消火、救急、救助、火災予防などの職務内容や給与など、現役女性吏員のきめ細かな説明を交えて和やかに意見交換が進んだ。

参加者から「体力に自信がない」という声が上がった。消防歴15年で警防課主査の斎藤智絵美さんは「採用時に体力試験はあるが、懸垂ができない男性もいるから気にすることはない。女性の視点を消防や防災に生かせるし働きやすい職場」と背中を押した。

同本部総務課課長で消防司令長の山田勝さんは「今回の催しで女子学生の皆さんが消防に関心を持ち、吏員に挑戦してほしい」と話した。

ランチを囲み、打ち解けて話が弾む参加者たち=同

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

つくば市にも動物愛護協議会を設立《晴狗雨dog》10

【コラム・鶴田真子美】4月1日、つくば市にも、ようやく動物愛護協議会が産声を上げました。昨年夏、つくば市民ネットの小森谷市議、川村市議同席のもと、ペット防災や避難所運営について市の危機管理課と面談したのを機に、つくばにも動物愛護協議会が必要と痛感しました。両市議の尽力を得て、市内の動物保護団体や愛護推進員とミーティングを重ね、協議会の規約やあり方を審議してきました。 茨城県も「すべての市町村で協議会設置を目指す」と推進計画で明記しています。現在、県、水戸市、牛久市、阿見町、守谷市、取手市、常総市、神栖市、つくばみらい市、石岡市、小美玉市には動物愛護推進協議会が設置され、メンバーの方々が各地域の多様な課題に取り組んでいます。 つくば市動物愛護協議会の初イベントは、4月26日開催された「ピンクリボンフェスティバル2026」の里親会でした。私が代表を務める「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN)」からも、犬たちが参加。みな、県動物指導センターから引き出した保護犬たちです。啓発パネルがつくば駅広場に並びました。6月4日を皮切りに、市役所で保護猫里親会も予定されています。 動物たちのSOSに奔走 協議会が発足してすぐ、市内で放浪していたシニア犬を市役所から預かり、シェルターに保護し、見つかった飼い主さんにお届けしたこともありました。市内で乳飲み子猫のSOSがあり、協議会のメンバーにレスキューに向かっていただきました。団体の垣根を超えて助けられました。愛護協議会ができてから早速、私たちは動物たちのSOSに奔走しています。 連携をとって意見交換し、現場で汗を流しながら協議会がスタートしました。人と動物の共生をめざし、地域住民を巻き込みながら活動してまいります。犬猫の預かりボランティアさん、里親希望者さん、イベント参加者さんを大募集しています。よちよち歩きの協議会ですので、みんなで育てていきましょう。(犬猫保護活動家)

TX乗車人員4.7%増の42万人に 過去最高を更新

つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、渡辺良社長)は28日、2025年度(25年4月-26年3月)決算概要を発表した。1日平均乗車人員は前年度比4.7%増の42万3000人、年間乗車人員は1億5291万人となり過去最高を更新した。営業利益、経常利益、当期純利益いずれも過去最高益となった。 TXの乗車人員は2005年の開業以来、毎年増加を続け、19年度は1日平均39万5000人を超えた。一方、コロナ禍で20年度は大きく落ち込み、その後徐々に回復を続け、24年度は過去最高の40万3000人と、コロナ禍前の水準に戻った(25年6月2日付)。25年度は前年をさらに上回った。 乗車人員の内訳は、62%を占める定期が4.5%増、定期外も5.2%増加した。増加の理由について同社は、リモートワークなど働き方や生活スタイルの変化が定着した一方で、沿線の人口増加が緩やかに継続していることなどから輸送需要が増えたと分析している。 単体の決算概要は、運賃収入など本業で稼いだ営業収益は前年度比5.0%増の503億7600万円、一方、販売費及び一般管理費などの営業費は、開業から20年が経過し経年劣化した鉄道設備の保守管理や予防保全の修繕費の増加などにより同比3.7%増の396億7900万円になった、 この結果、本業で稼いだ営業利益は同比10.2%増の106億9700 万円、通常業務で得た経常利益は同比16.1%増の83億5800 万円になった。さらに今後の業績見通しを踏まえ繰延税金資産を積み増しし法人税調整額を10億4000万円計上した結果、当期純利益は同比36.5%増の81億8200万円になり、開業以来の過去最高益になったとしている。 26年度は、新造車両TX-4000系の導入に向けた検討に着手するほか、混雑緩和の対応として8両編成化に向け八潮駅と流山セントラルパーク駅でホーム延伸工事に着手する。ホーム延伸は25年度までに秋葉原駅から六町駅まで7駅で完了、柏たなか駅では工事に着手している。ほかに8両編成化などに伴って総合基地(つくばみらい市)の留置線拡張工事に着手などする。駅構内事業ではつくば駅の売店「TXアベニュー」の外装工事を実施し6月1日、リフレッシュオープンする。 各20駅の2025年度と24年度の1日平均乗車人数は以下の通り(人)。  駅名       25年度 24年度つ  く  ば    18,825  17,980研 究 学 園      8,076  7,877万博記念公園       3,780  3,575み ど り の      5,887  5,537み ら い 平      6,218  5,944守     谷    25,290  24,331柏 た な か      8,720  ...

つくば市の人口、水戸市を抜いて県内一に 25年国勢調査速報

総務省統計局が29日発表した2025年国勢調査人口速報集計結果によると、つくば市の昨年10月1日時点の人口は26万8991人となり、水戸市の26万5773人を3218人上回って、県内一になった。 つくば市の人口は前回調査した2020年と比べ5年間で11.31%(2万7335人)増えた。15年から20年の5年間が6.47%増だったのと比べ、増加率が1.7倍になった。 一方、水戸市の人口は5年前より1.8%(4912人)減少した。茨城県全体の人口は5年間で2.6%減り279万1207人となった。 五十嵐立青つくば市長はSNSで「一人ひとりの選択と営みが積み重なってこの数字がある。人口増加の背景には、つくばエクスプレス沿線地域の住環境の良さに加え、子育て環境づくり、教育改革、スーパーシティの取り組みを評価して移住してきたという声を伺う。これらは市民や議会の皆さんと一緒に積み上げてきた」などとするコメントを発信した。

千波湖畔に「みと好文テラス」がオープン《令和樂学ラボ》41

【コラム・川上美智子】4月23日、水戸市の千波湖畔に「みと好文テラス」がオープンした。千波湖は水戸市民にとって、憩いの場としてシンボリックな役割を果たしてきた。遠方から客が来れば、まずは千波湖に案内し、偕楽園まで散策して、世界第2位の都市公園面積を誇る水戸の豊かな自然を実感してもらう。 早朝や夕方には、ランニングする老若男女の、土日には子連れで遊ぶ家族のにぎわいの場である。梅の季節、桜の季節には、湖の周囲を車で走るだけでも豊かな気持ちになり、この町の魅力を味わうことができる。 東京の孫たちが小さかったころは、水戸に来れば家から1~2キロの桜川緑地や千波湖、少年の森に歩いて行き、毎日、虫探しを楽しんでいた。孫が小学生のときには、「すごい。ここはまだ広い空き地がたくさんあるんだ」と驚いたりするのを聞いて、体験や学びの場になることをうれしく思っていた。千波湖にはお茶屋さんと好文カフェがあり、そこでソフトクリームを食べるのが孫たちの楽しみの一つだった。 その千波湖に、新たな魅力となるショップやレストラン、イベントやアクティビティのスペースが誕生した。既に土日はにぎわいの場所となっていて、順番待ちもあるようなので平日がお勧めである。偕楽園や道路からの展望を邪魔しないよう、自然になじむ水戸黒の屋根、黄茶色の壁に統一された平屋の建物が数棟建てられている。 芝生の広場を囲んでアクティビティのための多目的コート、カヤックやボートの貸し出し、着物レンタル、サウナ・バーベキュー・カフェなどが並ぶ。食事関係では、農産物直売所、だんご屋、さつまいも専門店、ベーカリー、コーヒー店、ビール醸造レストランなど、茨城らしい個性ある店が勢ぞろいしている。 イバラキ四季彩レストラン アオヤマ 筆者が20年来協力してきた水戸市赤塚のレストランAOYAMAも、IBARAKI四季彩RESTRANT AOYAMAとして今回こちらに移転した。 シェフは海外の大使館・領事館(スイス、カナダ、台湾)で腕を振るってきた料理人である。食物と健康の関係に関心が強く、体によい料理を提供したいと素材にもこだわっていて、海外に勤務されているときから当方の食品学研究室に連絡をくださっていた。以来、赤塚のパスタ祭り、笠間の陶炎祭、ロボッツ選手の補食弁当、日本高血圧学会の減塩食づくりなどで協力関係を築いてきた。 私は常々、食物は健康の視点にプラスして、何よりもおいしいこと、満足感を与えることが大切だとアドバイスしている。千波湖には、県外からのお客様も多数来られることから、茨城でおいしい食事ができたと喜んでいただけるレストランを目指して頑張ってほしいと願っている。また、お店の器などにも茨城ならではのこだわりをと、笠間の柳橋修二先生を紹介してディナー料理用の器を準備いただいた。 「製作に半年もかかって大変だったよ」との先生のお言葉通り、体にやさしい西洋料理にマッチした力作を楽しむことができる。また、お店の入り口と奥の個室には、筆者の作品も飾らせていただき、茨城ならではの演出をしている。水戸に行く機会があったら、ぜひ、足を運んでいただきたい。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)