【崎山勝功】26日午後6時35分ごろ、第88回土浦全国花火競技大会が開かれていた土浦市佐野子、打ち上げ会場の桜川河川敷付近の側道に、不発の花火1発が落下して破裂する事故が発生した。土浦警察署や市消防本部によると、破裂の際に近くにいた男性(43)が、花火の火の粉で右小指と首の右側に軽度のやけどを負ったほか、女性(44)が耳鳴りや吐き気などの症状を訴えた。2人は会場の救護所で手当てを受けたが、医療機関への搬送は無かった。
市消防本部によると、さらに事故現場近くにいた女性(43)と男児(6)の衣服が焦げたが、けがは無かった。
事故現場は、会場近くの学園大橋から約100メートル北側の路上で、一般の立ち入りが制限されていた保安区域の外だった。事故当時は複数の花火見物客がいたという。
花火大会実行委員会がある市商工観光課によると、事故発生を受けて打ち上げを一時中断し、安全確認をした上で次の打ち上げを再開した。交通機関への影響から、予定通り午後8時30分には打ち上げを終了した。打ち上げたのは、予定されていた89作品のうち3分の2の58作品だけだった。
事故から一夜明けた27日午前9時ごろ、花火打ち上げ場所の一誠商事市民運動広場(同市佐野子)には、県警の捜査員ら約10人が、花火の打ち上げ筒を調べたり、関係者から事故当時の状況を聞き取るなどしていた。
同市では昨年10月の大会でも、不発の花火が地上付近で破裂して見物客ら10人が軽傷を負う事故が起き、途中で大会が中止となった。このため、事故再発防止策として、現場に風速計を設置して、風速が打ち上げ場所で毎秒10メートルを超えるやや強い風が10分間平均で吹くときは大会を中断するほか、スターマイン花火の打ち上げ筒を観客席より離したり、打ち上げ筒が水平を保ち傾かないように水準器でチェックするなどの対応を取っていた。
市商工観光課は「事故原因は警察と協力して調査している」という。
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