金曜日, 12月 26, 2025
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メノウ加工した古墳時代の工房跡 土浦で「玉作り」展始まる

【伊藤悦子】古墳時代の勾玉(まがたま)や管玉(くだたま)などの製作過程を示す土浦市指定文化財「烏山遺跡・八幡脇遺跡出土玉作資料」を展示する「常陸の玉作り」展が19日、上高津貝塚ふるさと歴史の広場(同市上高津)で始まった。保存修復を終えた重要文化財「武者塚古墳出土品」の同時公開と合わせ、12月8日まで開かれる。

同市烏山とおおつ野の両遺跡からは、古墳時代前期に玉類を作っていた工房が見つかっている。中でもメノウを加工する勾玉工房跡は日本最古のもの。遺跡からは勾玉や管玉の完成品が見つかっておらず、関東近郊に供給されていたのではないかと考えられている。

「常陸の玉作り」展では、同市はじめ埼玉県や千葉県の遺跡で発掘された玉の未製品や破片、玉を磨く道具である砥石(といし)、石に穴を開ける鉄針のほか、完成品の供給先と考えられる埼玉県や千葉県、つくば市の古墳から発掘された勾玉や管玉が展示されている。展示物は勾玉や管玉の原石、未製品、完成品、鉄針、土器など91種にのぼる。

重文「武者塚古墳出土品」も公開

土浦市上坂田にある武者塚古墳は7世紀の造営。1983年に行われた発掘調査で、銀製の帯状金具をはじめ豪華な副葬品や、古代人特有の髪型である「美豆良(みずら)」に結われた頭髪が発見された。2014年に国の重要文化財に指定されている。今回は美豆良の出土品はじめ、大刀など全部で8種類を展示する。

今回の見どころについて、学芸員の一木絵理さんは「土浦や関東地方の古墳時代前期における玉作りの工程が一目でわかるところ。謎解きのように見ていただける」と話す。「武者塚古墳出土品については、毎年見たいという問い合わせをいただいていた。修復作業と保存台の作成が終了し、ようやく展示できることになった。この機会にぜひ見てほしい」という。

展示を見学していたつくば市在住の荒井啓汰さん(24)は「土浦で玉作りが行われていたことに驚いた。どのくらい専門家がいたのか気になる。玉作りの工程がわかって勉強になる。武者塚古墳の美豆良は本当に貴重。意味のある展示だと思う」と話した。

◆会期は12月8日(日)まで。入館料一般105円。小・中・高校生50円(土曜日は無料)。無料開館日は11月3日(日)、11月9日(土)、11月13日(水)

◆記念講演会 11月23日(土・祝)午後1時30分~3時30分 同歴史の広場体験学習室

  • 「東日本の玉作り-古墳時代前期を中心に-」講師:山田琴子さん(埼玉県立さきたま史跡の博物館主任学芸員)
  • 「霞ケ浦の玉作遺跡と前期古墳」講師:塩谷修さん(川村学園女子大学教授)

◆ギャラリートーク・植物観察会 11月3日(日・祝)・12月1日(日)午後2時~3時
会場:同館特別展示室、広場

◆秋の上高津貝塚どきどき体験2019 11月9日(土)午前9時~午後4時30分
食べられる土器?土器片形クッキー「ドッキ―」無料配布(先着100人)など。

いずれも事前申し込み不要・参加費無料。入館料が必要となる。

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つくば駅前に大型ディスプレイ登場 イルミネーションと共ににぎわいを

オフィスビル「T.S BUIL」 つくば駅前のオフィスビル「T.S BUIL」(同市吾妻)のペデストリアンデッキに面した2階部分の壁面に21日、縦2.5メートル×横4.4メートル、200インチの大型ディスプレイがお目見えし、クリスマス関連の映像が放映されている。 22日夜からは同ビル恒例のクリスマスイルミネーションも加わり、道行く人たちの目を楽しませている。駅前をもっとにぎやかにしたいと、同ビルを所有する不動産業の都市開発(塚田純夫社長)が新たに大型ディスプレイを設置した。 ディスプレイの設置工事は14日から始まり、1週間の工事期間を経て21日から放映が始まった。毎日正午から夜9時まで映像が流れる。クリスマスの現在は、クリスマスにちなんだクイズやイルミネーション点灯のお知らせなどが流れ、26日以降は年越しに関する映像に変わる。 今後は市の情報や警察関連情報、防災情報なども放映していく予定だ。「屋外広告物」という扱いのため、大きな音を出し大勢の人が集まるコンサートやパブリックビューイングを行うためには今後、市と相談しながらになるという。 イルミネーションは来年1月12日まで点灯する。3年前に始まり、昨年同様、同ビルのペデストリアンデッキに面する2階エントランスのガラス張り壁面全体がLEDで装飾され、ショーケースの中にはサンタクロースや雪だるま、トナカイ、クリスマスツリーなどが飾り付けられている。 ディスプレイに見入っていた市内に住む60代女性は「大型のディスプレイにびっくりした。世の中に季節感がなくなってきた時代なので、こんな感じでクリスマスなど季節を知らせてくれるのはありがたい。ディスプレイの前のペデストリアンデッキは広くなっているのでコンサートでもやってくれたら」と話す。近くの職場に通う50代の男性会社員は「ずっと殺風景だったので、とても良いと思う。どんどんにぎやかにすることをやってほしい」と話していた。 都市開発の霞学部長は「つくば駅前にあるつくばセンター広場のにぎわいづくりに協力出来たらということでやっている。防災も重要なので、行政の防災の取り組みに協力し、防災に関することも放映していきたい」と語る。また「今年、1階にスタジオを移転したラヂオつくばの中継も可能なので、ディスプレイで何が放映できるか考えていきたい」と述べる。 現在放映している映像の制作は20代の同社若手社員が担当した。管理部の藤沢花恋さんは「グラフィックデザインのソフトを使って動画を作ったが、初めてだったので大変だった。デザインなどは不慣れだが担当させてもらい、いい経験になった。今後の展開も考えたい」と話した。設置業者とのやりとりや申請業務など担当した営業部の高橋開人さんは「人が集まる場所が出来ればとてもうれしい」と述べた。(榎田智司)