【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の相撲競技最終日が1日、土浦市の霞ケ浦文化体育会館で行われた。成年男子の団体戦で茨城県チームは決勝トーナメント初戦敗退、同じく個人戦では寺田貴博と金子尚平が共に1回戦で敗れた。総合成績では8位入賞を果たし、天皇杯得点22.5点を獲得した。
成年男子団体決勝トーナメント1回戦で茨城は山口と対戦。引いたり飛んだりとクセの強い相手に、稽古の力を出しきれず敗れた。中堅の榊原祥孝は「相手の変化の可能性も常に考えていたが、体が反応しきれなかった」。「開催県の意地を出していこう」と話していた益子翔太監督はこの結果に、「残念だったが相撲自体は悪くなく押し切った結果。下を向かず次に向けて頑張っていきたい」と選手を励ました。

先鋒の金子は「いろいろな人に支えていただき、会場一丸となった応援に力をもらった。勝ちきれないのは自分の力不足。来年に向けてまた頑張る」と出直しを誓った。埼玉県出身の26歳で拓殖大を卒業後、笠間市立友部中で教職に就き4年目。柔道相撲部の顧問で、前日の少年男子個人戦で3位になった江連春樹はかつての教え子。「自分の力を出しきった相撲を取っていた」と印象を語った。
中堅の榊原は水戸農高教諭で相撲部コーチ、江連の現在の指導者だ。「国体出場が決まってからは一緒に稽古を積み、彼もこの日のために頑張ってきた。努力の素晴らしさを感じた」と、活躍をわがことのように喜んでいた。東京出身、早稲田大卒の26歳。
大将を務めた寺田は土浦出身の27歳。右籾小4年のとき土浦相撲倶楽部で稽古を始めた。霞ケ浦総合公園の相撲場はホームグラウンドともいえる場所だ。「会場には小さいころからお世話になった方々が皆さん来ていて、ここで活躍することが最大の恩返し」という気持ちで臨んだそうだ。茨城国体は子どものころからの目標だった。東洋大牛久高から中央大へ進み、卒業後は本格的に照準を合わせ、実業団の日本通運で相撲を続けてきた。
同じ県の仲間として一緒に稽古してきた少年男子チームの活躍について、「地元で活躍できる精神的強さを目の当たりにした。同じいい波に乗りたかった」と高く評価した。
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