月曜日, 10月 20, 2025
ホームつくば10月の筑波山麓はにぎやか 芸術の秋、味覚の秋を満喫する

10月の筑波山麓はにぎやか 芸術の秋、味覚の秋を満喫する

【相澤冬樹】さあ10月、筑波山南麓ががぜんにぎやかになる。つくば市の旧筑波町地区(筑波、田井、北条、平沢、小田)は収穫の秋に一段落をつけ、芸術の秋、色づく秋の頃合い。5日からアートセッションつくば2019が開幕するのを皮切りに、歴史催事、秋祭りを経て、11月1日の筑波山神社御座替祭(おざがわりさい)に至る、イベント月間に突入する。

造形作家15人による野外美術展

【アートセッションつくば2019】5日~11月10日、「磁場――地場」をテーマに、平沢官衙遺跡から神郡・臼井地区にかけて、15人の造形作家が屋外に意匠を凝らした作品を展示する野外美術展。同地域では2015年から隔年開催されている。主催は同市とつくば文化振興財団。

今回は、阿片陽介、石井琢郎、岡本敦生、國安孝昌、斎藤敏寿、塩谷良太、柴田美千里、菅田比歩海、鈴木典生、瀬川怜、ゼレナク・シャンドル、中山庄太郎、橋本真之、古井彩夏、本郷芳哉(敬称略、順不同)が出展する。

関連企画として、▽12日午前10時~旧田井小体育館でオリジナルオブジェ制作のワークショップ(参加費500円)▽19日午後0時30分~平沢官衙遺跡で劇団百景社によるドラマリーディング「土神と狐」(原作・宮沢賢治)公演(観覧無料)がある。

▼問い合わせ:029-856-7007(つくば文化振興財団)

万葉の時代のつくばをガイド

【巡回企画展「万葉の時代のつくば」】会期1は12日~12月5日、小田城跡歴史ひろば案内所。『万葉集』には筑波山を詠んだ歌が多く収録されており、関係の深さがうかがえる。万葉の時代のつくばについて、文献資料や発掘調査の成果を紹介する。会期2は12月10日~2月6日、谷田部郷土資料館。

10月26日には平沢官衙遺跡周辺歴史ウオーキング。午前9時、出土文化財管理センター駐車場集合で約4キロのコースを歩く。定員30人で要事前申し込み、応募者多数の場合は抽選。

▼問い合わせ:029-883-111(つくば市教育局文化財課)

熾火の上を裸足で歩く

【柴燈大護摩火渡り修行「小田の火祭り」】19日午前9時から小田城跡歴史ひろば。午前中鷹匠パフォーマンスなどがあり、正午から大護摩を焚(た)き、城跡に残る戦没者を供養。護摩で拝んだ熾火(おきび)の上を裸足で歩き、無病息災や心願成就を願う。

今回は100年ぶりに修復された小田不動尊前立像のお披露目がある。山伏体験もできるそうだ。

▼問い合わせ:小田火祭り実行委員会080-5063-0825(幕内)

コンサートや物産市などの会場となる平沢官衙遺跡歴史ひろば

秋の御座替祭をはさんで

【筑波山麓秋祭り2019】26日から11月4日の6日間(28日~30日を除く)を中心に各種イベントを開催。主催は山麓周辺でコミュニティー活動に取り組む筑波山麓地域づくり団体連絡協議会。

主な行事は、▽酒造特製甘酒と搾りたて新酒の利き酒(26日~会期中6日間、稲葉酒造)▽自然薯クラブ秋の芸術祭&カフェ(同、田井ミュージアム)▽古刹(こさつ)拝観(同、普門寺)▽邸宅拝見(同、矢中の杜)▽平沢官衙秋のミニコンサート(26日午後1時~平沢官衙遺跡歴史ひろば)▽宝篋山夜景観察会(26日午後4時~宝篋山小田休憩所)▽筑波山茶屋古民家休憩所(11月1日~4日、大越邸)▽福来みかんジャムづくり体験/ふくれみかんツアー(同、午前・午後の2回開催「筑波山神社入口」バス停集合、1人500円※登録フォームはこちら)▽筑波山秋季御座替祭(11月1日午後2時30分、6丁目鳥居をお神輿が出発)▽秋の北条市(2日午前10時~北条商店街)▽山麓ジャズセッションフェスティバル(2日正午~古民家北条の家)▽館集落秋祭り(3日午前10時~館児童館)▽神郡米のおにぎり、農産物販売(同、石倉RIZ)▽和布工房はんてん屋・里の冬支度(同、神郡・治左衛門邸)▽ 伝統和菓子「押しもの」限定販売(同、神郡・桜井菓子店)▽秋の里山自転車散歩(同、筑波総合体育館集合)▽宮清大蔵クラシックコンサート「ライナー・キュッヒル」バイオリン演奏会(3日午後1時30分~北条・宮本家住宅、2公演あり全席指定※詳しくはこちら)など。

▼詳細は、筑波山麓秋祭り 2019のホームページ。問い合わせ:029-879-5298(つくば総合インフォメーションセンター)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

「パレスチナの子供たちに思いはせてほしい」 靴150足並べ追悼と抗議

つくば駅前 子供の靴150足を並べ、パレスチナのガザ地区で死亡した子供たちを追悼し、イスラエルに抗議する行動が19日、つくば駅前のつくばセンター広場で実施された。抗議行動中の約2時間の間、ガザで死亡した子供たち一人ひとりの名前が読み上げられた。市内外の約40人が参加し、「ガザ虐殺を止めろ」「だれも殺すな」などと書かれた自作のプラカードを掲げたり、通行人にチラシを手渡し「パレスチナに関心をもってほしい」と呼び掛けるなどした。 パレスチナ人の父をもつ、つくば市在住の会社員、ラクマン来良さん(37)らが呼び掛けた。ラクマンさんはガザ侵攻が始まって以降、パレスチナに関心をもってもらおうと、自宅や市民活動拠点などで映画上映会やバザーを開いたり、つくば駅前で抗議行動などを実施してきた(24年2月27日付、同9月27日)。 150足の子供の靴は神戸市の疋田香澄さんから送られてきたものだ。疋田さんは、イスラエルによるガザ侵攻で犠牲となったパレスチナ人約6万7000人のうち40%近くが10歳未満の子供であることを表現しようと、SNSで呼び掛け、使わなくなった子供の靴を150足集め、ガザ侵攻から間もなく2年となる10月5日、150足の靴を並べて犠牲者を追悼するイベントを開催した。 SNSで神戸の追悼イベントを知ったラクマンさんが、疋田さんに連絡し、神戸に続きつくばでも、子供たちの靴を並べる追悼イベントが開かれることになった。 ラクマンさんは「子供たちが一番の犠牲者。靴は、大きくなれなかった子供たちを象徴するもの。亡くなった子供たちを追悼し(何人死亡したなどの)数字だけではなく、本当だったら走り回ったり、元気に遊び回っていたはずの子どもたちが殺されたことを知ってほしい」と話し、「イスラエルとハマスが10日停戦に合意し、このまま停戦が続いてほしいが、イスラエルは当初1日600台ガザに搬入すると言っていた支援物資を半分しか入れてない」とし「パレスチナの状況がこうなっているのは国際社会が許していることもある。もっとパレスチナに興味をもって自分のことと思ってくれたら」と話す。 ラクマンさんと共に追悼と抗議行動を呼び掛けた市内に住む大学生、斉藤花さん(25)は参加者を前にマイクをとり「ガザで第一段階の停戦に入ったが、これで完全に殺害や侵略が終わったわけではない。イスラエル軍におびえ、家族と切り離されながら、パレスチナ人の暮らしはとても厳しいものになっている。パレスチナの一人一人の子どもたちに思いをはせてほしい」などと話し、参加者に黙とうを呼び掛けた。 追悼と抗議行動には、つくばインターナショナルスクールに通う高校生5人が参加した。それぞれイギリス、インド、アイルランド、ロシア、バングラデシュにルーツをもつ2年生と3年生で、高2の女子生徒は「子供たちが殺されているのが悲しくて、SNSで追悼と抗議行動があるのを知り、友達や先生に声を掛けて、何かできることはないかと参加した」と話した。(鈴木宏子)

モグラのトンネルとジョウビタキ《鳥撮り三昧》6

【コラム・海老原信一】暖かい日差しに包まれた筑波山の梅林。林の縁に続く、草がきれいに刈り込まれた斜面。その下をゴツゴツした岩に縁どられた沢が一筋流れています。水が勢いよく流れる岩の苔にサワガニがしがみつき、流されまいと頑張っています。 沢筋の低木の枝先には、ジョウビタキのオスが一方向を見つめながら止まっています。何を見ているの?気になって視線の先を追うと、沢筋の斜面の土がモコモコ盛り上がって伸びています。「おっ、モグラだ」。ジョウビタキはこの斜面の一筋になぜ興味があるのか、程なく分かりました。 モコモコ伸びる一筋が小さな崩落を起こし、黒い土がバラバラと落ちています。それにジョウビタキが反応。崩れたところへ飛び、土の中へ嘴(くちばし)を差しこむと、何かをくわえ岩に飛び戻ります。嘴には小さな虫がくわえられていて、数回嘴を動かすとおなかへ。その間もモコモコは伸びていきます。 モグラのモコモコが崩れたら、そこから虫を得られる。何でもないようだけれど、考えると不思議に思います。モグラのトンネルが崩れると虫が出て来るのを、ジョウビタキはどうして知っているのか、推測することにします。 仲間で情報を共有し採餌 偶然モコモコが崩れたところに出くわし、そこから虫が出てきたのを見つけた仲間がいて、仲間たちがその情報を共有し、採餌(さいじ)行動ができたのだと思われます。こういったことは身近にあり、カラス、ムクドリ、セキレイなどが田畑のトラックターの後をついていき、土中から顔を出す虫を食べるのを見た方もいるでしょう。 公園などの草刈りの後、ムクドリやセキレイなどがやってきて、短くなった草の中から虫を捕らえているのも見かけると思います。 ある発見を採餌行動として成立させることを「学習する」と表現したりします。学問的にはもっと複雑な解説があるのでしょうが、一鳥見人が学んだことです。鳥を観察するって面白いものです。(写真家)

女性が働きやすい建設会社へ「取り組み認められた」 つくばの浅野物産

人気ユーチューバーが花の直売イベント つくば市羽成の建設会社、浅野物産(浅野一重社長)の庭・外構展示場「ここちテリア」で、園芸系の人気ユーチューバー古屋悟司さんが主催し、全国から花木生産者が多数集まる花の直売イベント「はなむすび」が11月2日、3日の2日間開催される。 古谷さんは都内で花屋を経営し、ユーチューブのチャンネル登録者数は20万人に達する。「はなむすび」は花がもつ感動や癒しの力を知ってもらうためのイベントで、花の楽しみ方や育て方を知ってもらい、園芸の新しい需要を掘り起こし、コロナ禍以降、園芸から離れてしまった人々を呼び戻すことが狙いという。 イベントではワークショップ、クイズ形式のトークイベント、オークション、質問ブースをなど設け、キッチンカーや地元飲食店も出店する。前回は5月に東京・よみうりランドで催され大盛況だった。今回は家族連れなど1500人の来場者を見込んでいる。 古谷さんは、会場にここちテリアを選定するにあたり、花がたくさんあるのを見て、イベントのイメージとぴったり合うことから会場を決定した。浅野物産の浅野弘美専務は「女性を多く雇用するようになってから会社にガーデナー部門が出来た。そのため選ばれたのではないか」と話し、建設会社として女性が働きやすい職場とする取り組みを重ねてきたことをPRしたい意向だ。 「茨城女性リーダー登用先進企業」に 浅野物産は今年2月、県が推進する2024年度の「茨城女性リーダー登用先進企業 奨励賞」を受賞した。国内の建設業全体では男性就業者が85%を占めるが、浅野物産は社員30人のうち半数の15人が女性だ。女性が働きやすい職場環境づくりに取り組み、女性の管理職登用を積極的に推進していることから表彰された。 建設業ではまれなこの取り組みの場となったのが、9年前に始めた「ここちテリア」だ。当初から女性を多く採用し、子育て中の女性にも対応した柔軟な働き方を目指した。 同奨励賞の受賞は、9年間の取り組みが社会的に認められた証しで、浅野専務は「以前は男性中心の会社だったが、女性目線で経営を考えるといろいろなことが出来るようになった。今後も社会に貢献できることは何かということを念頭に置き事業を展開していきたい」と話す。 浅野物産は1962年に運送会社として創業、68年に建設業を始め、2016年には造園部門のここちテリアを始めるなど、事業の幅を広げてきた。ここちテリアでは理想の庭を展示するほか、敷地内には、ギャラリーや貸スペースもあり、親子リトミックや園芸教室など市民活動も応援している。独自の企画として年に1回「ここちガーデンフェスタ」を開き、コンサートやフラワーマーケットなどのイベントも開催している。来年春には「Seasons(シーズンズ)つくばカフェ」が敷地内にオープンする予定だ。(榎田智司) ◆お花の直売イベント「はなむすび」は11月2日(日)~3日(月)、いずれも午前10時~午後4時、つくば市羽成23-1 ここちテリアtsukubaで開催。入場無料。主催は、はなむすび実行委員会あとりえ亜樹。問い合わせはメールgekihana.official@gmail.comへ。

つくばの夕焼け《ご近所スケッチ》19

【コラム・川浪せつ子】暑く長かった夏もどうにか終わり、やっと秋になってきたようです。忙しい毎日、空を見上げることはありますか? 都内からの帰宅中、高速バスや電車の窓から見える空と筑波山。特に空の大きさに、いつもホッとします。都心ではビルの隙間からしか見えないので、ヤレヤレという気持ちになります。 都内住まいの実家の母がつくばに来るたび、「つくばの空は広いねぇ」と言っていました。子供3人を抱え仕事をしていたそのころ、私は空を見上げる余裕なし。毎日、毎日、子供たちの胃袋を満たすこと、仕事の締め切りのことで頭がいっぱい。そんな私が空を見上げるようになったのは、母もいなくなり、子供たちも手が離れてからでした。 母は60才半ばで余命宣告され、実家と病院がある東京に通わなくてはならなくなりました。つくばエクスプレス(TX)もなかったころで、一番上の子が小学校に入ったばかりで、下の2人は保育所。いろいろなことが重なり、泣く泣く仕事を辞めました。今でいう介護離職? つらいときには空を見るの そのころ、母が入っている病院に行ったとき、「私ね、つらいときには空を見るの」と。都心の病院の窓から見える空は四角で小さかったのですが、母にとっては癒しの空だったのです。2年ほど病院と実家を行き来して、最期の半年は空の見える病室ではなく、狭い2人部屋。終末期には外もほとんど見えない部屋でした。30数年前ですから、まだ緩和病棟などがなかった時代です。 母の年齢を超えた今、空を見上げる時間、心の余裕ができました。つくば周辺は、本当に素晴らしい空が見られますね。特に夕日は、短い間にいろいろな表情を見せてくれます。今回は、つくば市西大沼で描いた絵です。牛久学園線が遠方に見え、まるで天国のどこかのようです(行ったことないけど)。私のイメージも絵に乗せてこんな風に。(イラストレーター)