水曜日, 1月 28, 2026
ホームつくば【総合運動公園用地問題】つくば市の売却方針に異議相次ぐ イーアス規模の商業用地に懸念 住民説明会で

【総合運動公園用地問題】つくば市の売却方針に異議相次ぐ イーアス規模の商業用地に懸念 住民説明会で

【鈴木宏子】住民投票で白紙となったつくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂)を一括売却し、商業施設や物流倉庫などとして利活用する民間企業の事業提案=8月19日付=に対する住民説明会が6、7日の2日間、地元の大穂交流センター(同市筑穂)と市役所で計3回開かれた。参加者からは民間企業に同用地を一括売却するという市の方針に異議を唱える意見が相次いだ。事業提案にある商業用地がイーアスつくば(同市研究学園)と同規模であることから、交通渋滞対策や既存商業施設への影響について懸念の声も出された。

6日午後2時から大穂交流センターで開かれた第1回目の説明会には22人が参加した。地元区長らの姿も目立った。「上郷高校跡地に計画がある陸上競技場を(総合運動公園用地に)つくるべき」「企業のためでなく市民のために土地を生かしてほしい」など全部を一括売却する市の方針に反対し、一部でも公的に利用してほしいと要望する意見が相次いだ。一方「事業提案(の土地取得価格)は高値。できるだけ早く、高く売って市民負担を少なくしてほしい」と、売却に賛成する意見も出された。

同日午後7時からの第2回説明会には15人が参加した。イーアスつくばと同規模の大規模商業施設計画に対し、つくば駅周辺の市中心市街地に都市機能を集積するという市立地適正化計画との整合性を問う声や、イーアスつくば並みと予想される買い物客の交通渋滞対策、既存商業施設へのマイナスの影響を懸念する声が出た。

7日午前10時から市役所で開かれた第3回説明会には11人が参加した。前日に引き続いて市の一括売却方針に疑問を投げかける意見が相次いだ。参加者が少なく、説明会開催自体を知らない市民も多かったとして、市民の声を聞く姿勢を問う意見も出た。

3回の説明会に市側から中根祐一都市計画部長、岡田克己公有地利活用推進課長らが出席し、岡田課長が参加者の質問に答えた。説明会の主なやりとりは以下の通り。

※   ※   ※

「市民のためがなく企業のため」「提案は高値、早く売却を」

―6日午後2時から開かれた第1回説明会の主なやりとり。

参加者 総合運動公園の土地は市体育協会や関係者などが大変な尽力をして取得した。購入の経緯をご存知か? 陸上競技場を上郷高校跡地につくるということだが、つくば市にとって恥ずかしい。これだけ広い土地があるのだから見直してもらって(旧総合運動公園用地に)陸上競技場をつくってもらった方がいい。

課長 庁内で跡地の公的利用をとりまとめたところ(市内部で利用したい意向が)無かったこともあり、こういったこと(売却)を検討している。上郷高校跡地は決まったことではなく今後検討していきますということ。

参加者 総合運動公園は白紙撤回となったが、市民の憩いの場をつくっていただきたい。

課長 ご意見をいただいたことを庁内で共有したい。

参加者 事業提案の募集要件に、市民のためにどう土地を生かすかということが入っていない。企業が収益を上げるための募集だ。総合運動公園計画は白紙になったが、事業提案の募集に市民のために生かすということが加えられるべき。

課長 市も財政的に余裕のある状況ではない。(今回の事業提案募集は)市の負担ができる限りない形で土地利用するというベースがあった。ご理解いただきたい。

参加者 提案事業者の名前を出せない理由は何か。

課長 (提案事業者の)土地取得が決定したわけではない。今の段階では今後の進捗(しんちょく)に影響を及ぼす可能性もある。

参加者 66億円で買った土地を(五十嵐立青現市長が2016年の市長)選挙で「URに買い戻させる」と言ったのはただのパフォーマンスだったと思う。(今回の事業提案の)40億円は随分高値で買ってくれると思う。(事業提案の)商業施設の面積(13.5ヘクタール)はイーアスつくば(14.5ヘクタール)と同規模。市は4月の募集開始時点で大型ショッピングセンターはお断りなどという条件を付けすぐに見直したが、できるだけ高く、できるだけ早く売って、市民負担を少なくするよう努力していただきたい。そのためにも(土地利用の)制限を付けること自体おかしい。

課長 用途は準工業地域への変更を考えている。土地利用が決まらないと進まないので計画をつくっていきたい。

参加者 総合運動公園計画に代わる将来像は今つくば市にあるのか。つくば市はもうすぐ25万都市になる。日立市にも水戸市にもアリーナがある。つくば市に今ある体育館は雨漏りしている。子供たちの育成や若者たちの練習の場を今後も与えなくていいのか。

課長 担当部署に意見を伝えたい。

参加者 取得金額と金利は今いくらになっているのか。今はひじょうに低金利の時代だが利息軽減に向けどんな努力をしてきたのか。

課長 取得額は約66億1000万円、利息は年3500万円くらいで累計は約1.7億円。合計67.8億円。公的、民間の利活用が決まらない中、利息を払わなくてはいけないので、この状態は好ましくないと、今年春から事業提案を募集し、本日、結果を説明している。

参加者 今回の提案に「公園、スポーツジムや運動場、市民の憩いの場」というのが入っているが、具体的にどのようなものか。

課長 事業者にヒヤリングし、どういった内容か質問したが、正確な答えをいただけておらず把握できてない。

参加者 以前、市の試算では基盤整備に46億円くらいかかるということだったが、今回の提案事業者は30億円くらいと見込んでいるという報道があった。市の負担はないということでいいのか。

課長 市の負担がないよう進めたい。この金額(30億円)で造成することを確認している。

参加者 40億円からという事業提案だが、売却価格の設定は再度し直すのか。

課長 市として不動産鑑定をとらないといけない。やり方は内部で検討している。価格は不動産鑑定と市場動向を踏まえて設定する。

参加者 これだけ(広い)の土地はなかなかない。一部でも市が使う予定はないのか。

課長 全部購入するのが事業提案の条件となっている。今の段階で公的利用は考えてない。

参加者 全部売却する決定はだれが決めたのか。

課長 売却する方向で進めている。最終的には議会の理解を得て売却という流れになると思う。

参加者 (取得費と利子を含め)67.8億円ということは(40億円で売却すると)28億円が損金になる。市民の税金で買ったものだ。処分する場合できるだけ高く、67.8億円に近い金額で売却していただきたい。

課長 40億円はあくまでも事業提案の額。市の方は不動産鑑定をして市場の動向を踏まえ売却価格を決めていく。

参加者 市長は総合運動公園に反対して当選した。自らトップセールスで動いてほしい。

参加者 事業提案をベースに土地利用計画をつくるとのことだが、市として(事業提案に対し)どの程度柔軟性があるのか。

課長 上水道、下水道、雨水、調整池などインフラ関係に注意して土地利用計画を考えたい。

参加者 10年、20年先のまちづくりに禍根を残さないようにしてほしい。(同用地は)市北部の拠点になる。大曽根地区は地元の人が土地を手放しながら商業をつくった。イーアスつくばと同程度の商業施設をつくると既存の商業がどうなるか、慎重に考えてほしい。

課長 市の各種計画との整合性は必要。そういうことを踏まえて土地利用計画をつくる。

参加者 担当課がいないので答えられないというのではなく、市長が出てきて明確な答弁を出すべき。市民に(28億円の)マイナスを強いるのではなく、(用地の)半分は市が使っていきしょうということを考えてもいい。しっかり考えて結論を出すべき。

課長 大事な意見として承って、市の中で話をしていきます。

6日午後7時から大穂交流センターで開かれた第2回住民説明会

「つくば市は不動産屋ではない」「倉庫で地域が活性化するのか」

―6日午後7時から開かれた第2回説明会の主なやりとり。

参加者 取得費、利子など重要な情報が(説明資料に)示されてない。URの返還交渉が失敗して前提条件が違っている。こんなやり方で来年の市長選、市議選は大丈夫なのか。

課長 取得費は66.1億円、利子分は累計1.7億円で合計67.8億円。不動産鑑定しさらに市場動向を踏まえて売却価格を決める。URの返還交渉は2回交渉したが結局返還に至らなかった。その後の経緯の中で、庁内のニーズ調査、民間へのサンプリング調査をしたが、土地利用が決まらない中、今年春に市に負担のない土地活用として、全体を一括購入していただき、合わせて整備していただく事業提案を受けた。最終的には公募して売却したい。

参加者 (同用地の)土地利用は都市計画マスタープランや立地適正化計画にそもそもどう位置付けられているのか。郊外型の大型商業開発が現状の市街地に与えるインパクトをどう考えるのか。イーアスつくばと同程度の大型商業施設計画を進める市のスタンスをうかがいたい。

課長 都市計画マスタープランや立地適正化計画を策定し、中心市街地と身近な日常生活圏が連結したまちづくりを考えている。当該地は北部地域の拠点であり、研究、産業、商業が複合的に機能する場所と位置付けている。周辺への影響は、特に商業施設の立地がにぎわい創出、雇用創出、利便性につながる。一方で既存商業施設の環境の変化も考えられ、その辺は市としても考えないといけない。今日はあくまでも提案者の計画を示したが、具体的な店舗計画は示されていないので今後ヒヤリングしながら検討していきたい。

参加者 検討するプロセスが違う。土地利用ありきではなく、本来、市の方針があって、このようなものがほしいからと持ってくるべき。そうではなく民間提案ありきでそれに沿って進めるのはまちづくりとしてどうなのか。つくば市は不動産屋ではない。

課長 皆さまの意見をうかがって市としての土地利用計画を検討していく。

参加者 もともと前市長が購入したが、購入した以上、人任せにしないで、市長選を抜きに、市が主体になってどういう地域をつくるかという土地活用ビジョンをもってほしい。先ほど「市は不動産屋じゃない」という意見が出たが、ここをこうしたいのでこういう人集まれ、という夢のある持って行き方をしてほしい。

課長 ご意見として承ります。

参加者 上郷高校跡地に陸上競技場をつくる計画がある。適地を比較分析していたが、学校跡地だけしか比較候補になっておらず、なぜ(総合運動公園用地が)比較対象になってないか不思議でしょうがない。前市長の計画に反対した人たちが勢いに乗っているから戻れる状況でなくなっているのか。市のスポーツ推進計画はスポーツを振興しましょうといっている。「前市長に反対したから戻れません」というのではなく、地域が活性化する元気の出る施設を大穂につくろうとなってほしい。

課長 陸上競技場の調査の中に(旧総合運動公園用地が)入ってないのは、基本的に市が所有している未利用地を対象にしたため。(同用地は)土地開発公社がもっていて、サウンディング調査(民間意向調査)をやっているため比較対象に入れなかったと聞いている。

参加者 市の費用負担が発生しない計画だというが、68億のものを40億で売ったら市は28億円負担することになる。さらにイーアスつくばと同規模のものができたら、この周辺も影響を受ける。(事業提案があった会社は)倉庫会社だと思うが、倉庫をつくって地域が活性化するのか。(誘致するとある)商業施設はだれがつくるのか、撤退したらどうなるのか、倉庫になるのか。北側の道路整備は幅員20メートルという計画だがだれが整備するのか。イーアスつくば程度の車が集まるとすれば、現状でも渋滞があるのに、交通処理はどうするのか。

課長 道路は市の負担がない形で事業者にやっていただく。渋滞は今も国道408号が渋滞しているのを認識している。今後、土地利用を検討する中で考えていき、道路整備をさらに推進していかなくてはいけない。

参加者 ここが開発されるとやらなくてはいけないことを整理すると、全体でいくらになるのか。(68億円と40億円の)差し引きだけの話ではない。(事業提案では)大手ショッピングモール、スーパー、ホームセンターを誘致するとあるが、例えば筑穂のホームセンターが撤退することになったら空き地はどうなるのか、マイナスのコストも含めて考えるべきだ。

7日午前10時から市役所で開かれた第3回説明会

「反対票には計画見直しも入っていた」「買い戻させる公約果たせない責任は」

―7日午前10時から市役所で開かれた第3回住民説明会の主なやりとり。

参加者 (11~12月に事業者を公募するなどのスケジュールが示されたが)こんな早く進めてしまって大丈夫か。全部売らなくても一部陸上競技場にして、幹線道路沿いを高く売ればいい。(16年の市長選で)五十嵐市長は選挙を有利にしようと思ったのだと思うが、対立軸を鮮明にして何でも悪者にするので、(前市長が購入した用地を)積極的に活用しようとしないで処分するという考えになってしまう。市長は「会える市長」と言っていながら、なぜ(今日の)大事な会に来ないのか。(五十嵐市長の政治手法は)やるか、まったくやらないかの両極端だ。住民投票の反対票の中には計画見直しも入っていた。

課長 今後の進め方はご意見を踏まえてスケジュールを考えているところでもある。一部を公的利用にという案をいただいたが、これまでの経緯は、住民投票での白紙撤回後、公的ニーズ、民間サウンディング調査をしたが利活用に至らず、今現在はこうした進め方で進めている。皆さんのご意見を承り庁内で共有したい。

参加者 市の活性化になるよう、老朽化している県の保健所と笠間にある動物指導センターをもってきたらと思う。

課長 ご意見として承ります。

参加者 市長派とか反市長派ではない(ことを前提に発言しているが)、現市長は白紙撤回を掲げた。反対意見がある人は代替案をもっていると思うが、民間に丸投げなのか。URに買い戻させると公約したがこれもできなかった。政治的な責任はないのか。66億円で購入した土地を26億円の差損を覚悟で40億円で売却してしまうのは反対だ。利息は年間3400万円と聞く。10年で3億4000万円。40億円で売却するのはあまりにも拙速な考えだ。多額の差損を覚悟して売却する別の理由があるのかと不信感を招きかねない。差損の26億円は今つくば市に住んでいる人のために使われるべき。つくばは上下水道が来てないところがある、道路はでこぼこ、道路排水は十分でない、保育所も少ない。市民生活を優先させないと「世界のあしたがみえるまち」は実現できない。(もし事業計画が採択されたとすれば)周辺道路に配慮することを求める。物流倉庫が全体面積の48%を占め大型トレーラーがどんどん来て大変なことになる。差損を覚悟して進めなくてもよい。

課長 総合運動公園の白紙撤回後、公的利用やサウンディング調査の中で、利活用がなかなか図れなかった。市の負担を考えて事業提案をいただいた。URの買い戻しは2017年5月と6月に交渉したがURの最終的な回答として市の要望にお応えできないという結論になってしまった。40億円で売却が決まったわけではない。今後売却する場合、不動産鑑定をし市場動向をみて設定する。道路の混雑は周辺の国道408号と北側の県道の混雑を認識している。今後土地利用計画をつくるがそういったことを踏まえて考えなくてはいけない。北側の道路は延伸計画があり、推進して道路ネットワークを構築しなくてはいけないと考えている。

参加者 3回の説明会で皆さんから心配している意見が出た。こんなに早く売却しなくてもいい、20何億も損金出してまでも処分しなくていい、住民投票の反対票には総合運動公園計画の見直しも含むという意見もあった。20何億円の損金は財政調整基金にまともにくる。来年度の市の財政に大変な負担がかかる。財政部門との話し合いはしているのか。

課長 売却金額そのものが決まっておらず財政部との具体的な調整は行っていない。

参加者 今の経済状況の中で、不動産鑑定が40億円より低かった場合は考えているのか。

課長 今の状況ではお答えできない。

参加者 たった一つの事業提案だけで都市計画を変更するのか。いくつかの案が出てから、じっくり考えて変更するのが筋ではないか。

課長 土地利用計画が固まってからでないと(都市計画変更の)手続きに入れない。今の段階で手続きに入るわけではない。

参加者 3回の説明会があり、きのう午後は20人くらい、夜は10人くらい、今日は10人くらい。それだけで市民の意見を吸収できたと言えるのか。9月の広報つくばに説明会のことが3行くらい(実際は6行)書いてあった。市民が何人見たのか。地域で聞いたら、皆さん、説明会のこと知らなかった。2~3週間前に知らせてくださいという意見もあった。つくば市には(合併前の)旧町村がつくった施設はあるが、敬老会を開くにも市民が一堂に集まれる場所が必要。大事な市有財産を市民のために使う構想が必要。こんな土地がほかにあるわけではない。業者の提案で販売することには賛同しかねる。

課長 説明会の案内は市報の後ろの小さい記事になってしまった。回覧では終了するまでに時間がかかってしまう。できる限り届く広報誌が有効。財政的なことはあるが人が集まる場所という意見は担当部署と共有したい。

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5氏が立候補へ 茨城6区 衆院選’26

解散に伴う衆院選があす27日公示される。つくば、土浦市など5市が選挙区の茨城6区には▽前職で立憲民主党を離党した青山大人氏(47)=無所属▽前職で外務副大臣の国光あやの氏(46)=自民▽新人で会社員の堀越麻紀氏(53)=参政▽新人で党県南部地区委員会副委員長の稲葉英樹氏(58)=共産▽新人で自営業の中村吉男氏(55)=無所属=の5氏が立候補を表明している。前職2氏の争いに新人3氏が加わる混戦となりそうだ。 自民党の裏金問題が争点になった前回2024年10月の衆院選は、共産新人を加え三つどもえの戦いだった。青山氏が5市すべてで国光氏を上回って計約12万票を獲得、国光氏に約1万3000票の差を付けて小選挙区で初勝利した。国光氏は比例復活当選した。今回は、昨年7月の参院選の際、つくば、土浦など5市で計約6万5000票をとり、茨城で初の参院議席を獲得した参政党も参戦する。 青山大人氏 無所属 前 4期目を目指す青山氏は①教育の負担軽減②消費税食料品ゼロ③TX土浦駅延伸などを掲げ、立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」に加わらず無所属で臨む。これまで通り連合茨城の推薦を得るものの「無所属は比例復活がなく、政見放送もない。今まで以上に緊張感をもっている」と話す。 これまで、衆院文部科学委員会理事として、公立学校教員の教職調整額を段階的に引き上げる給特法の改正を50年ぶりに実現させたなどと実績を強調する。 27日の告示日は午前11時30分から土浦市乙戸の大塚商店前で第一声、午後6時30分から土浦市城北町のホテルマロウド筑波で出陣式を開く。 国光あやの氏 自民 前  同じく4期目を目指す国光氏は高市政権の外務副大臣として①強い外交②強い経済③強い社会保障を掲げる。 これまで、2026年度以降の実現が検討されている出産の標準費用無償化と、単身高齢者が身元保証人なしで入院や施設入所ができ葬儀や納骨まで公的にサポートする支援体制整備に向けた社会福祉法改正の検討などの実績を強調し「ゆりかごから墓場まで安心して暮らせるよう国を動かせたことは議員冥利に尽きる」とする。前回、小選挙区で青山氏に敗れたことに対しては「私の力不足だった。今回はより一層、夢を語り、思いを語る選挙にしたい」と話す。 27日は、午前10時からつくば市吉瀬の選挙事務所で出発式を行う。 堀越麻紀氏 参政 新 参政党新人の堀越氏は①消費税の段階的廃止②外国人受け入れ制度の見直し③子育て支援などを掲げる。 「日本経済は35年間停滞し、給料が上がらない。日本には180万人の失業者がいるのに、2028年度までに特定技能外国人を82万人受け入れる政策に違和感をもち」昨年7月に入党した。つくばみらい市出身、高校時代に米国に留学し、語学力を生かして外資系小売店でマーケティングなどを担当。その後、外国人技能実習生に関わる仕事に就き、過剰な外国人の受け入れに問題意識をもったとする。 27日は、午前10時30分からみらい平駅前で第一声、夕方5時からつくば駅前広場で出陣式をする。 稲葉英樹氏 共産 新  共産党新人の稲葉氏は①消費税廃止目指し5%に②核兵器禁止条約参加③給付型中心の奨学金制度の実現などを掲げる。 土浦市出身。小学2年の時、父親が急死し母一人子一人となり、母親が大変な思いで働く姿を見て育った。半導体メーカーに勤務、つくば市の産業技術総合研究所で半導体研究者の研究補助を務めた経験もある。2023年から党県南部地区委員会の専従職員となり、25年から同委副委員長。これまでの選挙は裏方で候補者を支える側だった。 27日は午前11時からつくば市竹園の大清水公園前で第一声、午後4時からはイオンモール土浦で比例候補の塩川鉄也氏と街頭演説する。 中村吉男氏 無所属 新  無所属新人の中村氏は、①憲法9条を改正し国防軍を明記②航空宇宙産業を育てるための環境整備③経済の活性化などを訴える。 石岡市出身。実家は、祖父母が創業した老舗の呉服仕立て店。拓殖大学商学部貿易学科を卒業後、ホテルに勤務しホテルマンに。その後、婚礼プロデュース会社役員やウェブ専門スクールでIT研修会社の立てつけなど行った。 27日は午後2時から石岡駅西口前で第一声となる街頭演説をする。

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【コラム・瀬尾梨絵】今回は、異世界を「日常」として描き出す魔法を駆使する、九井諒子先生の深淵を紹介したい。現在、アニメ化もされ社会現象を巻き起こしている『ダンジョン飯』(KADOKAWA、14巻完結)など。その作者、九井先生の名を、同作で初めて知った方も多いかもしれない。しかし、先生の真骨頂を語る上で欠かせないのが、初期に発表された短編集の数々だ。 『竜の学校は山の上』 丸井先生の作品の中でも、ひときわ輝きを放つ作品集が『竜の学校は山の上 九井諒子短編集』(イースト・プレス、全1巻)。本作は、独立した複数の物語が収められたオムニバス形式の一冊。描かれる舞台は、昔話の日本のような世界から、中世ヨーロッパ風の国での冒険旅のその後。さらに独自の進化を遂げた架空の街まで多岐にわたる。 最大の魅力は、ファンタジーという「非日常」を描きながら、そこに生きる人々の悩みや生活感が「あまりにも身近に」感じられるという、九井先生特有の筆致にある。 そこには竜が実在し、かつては軍事利用されていたという歴史を持つ世界が描かれている。しかし、物語の焦点は派手な空中戦ではなく、近代化によって「竜」という存在が実用性を失い、就職難にあえぐ「竜学部」の大学生たちの苦悩に向けられる。魔法や幻想生物が存在する世界であっても、若者が直面する進路の不安や、時代の変化に取り残される切なさは、私たちの現実世界と地続きなのだ。 この「虚構の設定」と「生々しいリアリティ」の絶妙なバランスこそが、読者を一気に物語へと引き込む中毒性を生んでいる。 『ダンジョン飯』 九井先生は、私たちが当たり前だと思っているファンタジーのお約束に対し、「もしそれが現実にあったら、人々はどう生活し、どんな問題を抱えるだろうか?」という問いを投げかけてくる。その解釈が非常にロジカルで、かつユーモアにあふれているため、読者は妙な納得感を得てしまう。 一見すると、奇想天外な設定を楽しむための短編集に見えるかもしれないが、読み進めるうちに読者は自分自身の人生や、社会のあり方を鏡のように見せられていることに気づくはずだ。九井先生が描くキャラクターの細やかな表情の変化や、異形のものたちの骨格さえ感じさせる描写が、その説得力をさらに強固なものにしている。 『ダンジョン飯』で、モンスターを「調理して食べる」という行為を通じて生命の循環を描き出した先生の、鋭くも温かい観察眼。その原石が、この一冊には惜しみなく詰め込まれている。全編を読み終えたとき、あなたはきっと自分の住むこの世界さえも、少しだけ違った角度で見つめ直していることだろう。 「ファンタジーなのに、なぜか自分たちの物語のように思える」。そんな不思議で濃密なマンガ体験を、ぜひこの一冊で味わってみて欲しい。(牛肉惣菜店経営)