【鈴木宏子】つくばエクスプレス(TX)沿線で児童・生徒数が急増し、いずれも2018年4月に開校したばかりのつくば市の小中一貫校、学園の森義務教育学校(研究学園駅周辺)とみどりの学園義務教育学校(みどりの駅周辺)で教室が足りなくなる問題=5月30日付=で、同市は19日、両駅周辺でそれぞれ学校用地を新たに購入し、さらに2校を新設する計画を発表した。同日開かれた市議会全員協議会に説明した。
研究学園は小中併設
市教育局によると、研究学園駅周辺は、市役所西側に学校用地2.5ヘクタールと公益用地0.5ヘクタールの計3ヘクタールの県有地を新たに購入し、小学校と中学校の併設校を新設する。開校は23年4月の予定。小学校は20学級程度、中学校は10学級程度の規模になる。併設校は小中一貫校とは異なり、校長がそれぞれに配置され別々に運営される。校舎や体育館などの施設も別々に建設される。一方、予定地が手狭なため、予定地西側の畑地1.5~1.7ヘクタールを追加購入しグラウンドにする計画だ。現在、地権者に説明したばかりだという。
学園の森は、開校2年目の今年度、敷地内に27教室を増築中だ。市が5月に発表した児童・生徒数推計によると、さらに対策を講じなければ23年度には教室が足りなくなり、27年度に児童・生徒数が3300人を超えると推計されている。
みどりのは通学区見直しも検討
一方、みどりの駅周辺は、みどりの学園義務教育学校から約500メートル南の学校用地2.5ヘクタールと公益用地0.6ヘクタールの計3.1ヘクタールを県から購入し学校を新設する計画だ。24年4月に開校の予定だが、周辺を含め通学区域の見直しを併せて検討するため、新設校を小学校にするか中学校にするか併設校にするかは、通学区の見直しと併せてさらに検討して決める。
みどりの学園は今年度、敷地内に15教室を増設、さらに20年度と21年度にも敷地内に17教室を増設する計画だ。児童・生徒数推計によると、さらに対策を講じなければ24年度には教室が足りなくなり、29年度には市内最多の4000人を超える学校になると推計されている。
一方、学校が新設されても、学園の森、みどりの学園いずれも、文科省が解消を促している過大規模校(31学級以上)となり、課題は残る。