【相澤冬樹】途上国から多くの農業研修員を受け入れている国際協力機構筑波センター(JICA筑波、つくば市高野台)は26日、研修員も職員も民族衣装で業務に就く「スーパークールビズ」デーを催した。研修員らは、この日始まった「つくばちびっ子博士2019」体験プログラムの子供たちを迎え、交流した。
JICAが支援する途上国の多くは熱帯・亜熱帯地域に位置しており、それぞれ暑さ対策に知恵の込められたお国柄豊かな衣服がある。JICA筑波にはこれらを集めた民族衣装コーナーがあり、常時120着以上が展示されている。これを「クールビズ」に活用しようと、今年初めて都合5日間の着用デーを設けた。
研修員が自国から持参したり、職員が各国から持ち帰ったりした衣装での参加を呼びかけた。初日の22日こそ冷夏の気配に今ひとつ盛り上がらなかったが、2日目の26日は最高気温33.5度と一気に「クールビズ日和」となった。稲作の実験圃(ほ)で作業するガーナ人女性は、初めて経験する「日本の夏」だが「国と変わらぬ暑さ」と涼しい顔。
民族衣装でちびっ子と交流も

同日催されたちびっこ博士のイベントテーマは「スイカ博士になろう!」。JICA筑波の圃場で研修員らが手づから栽培したスイカを用意し、糖度チェックや食味試験を経て、子供たちに振る舞う企画だった。梅雨寒と日照不足に心配された生育状況だったが、ようやく積算温度が1000℃に達し、大玉をそろえることが出来たそう。
開催前から日本語でのあいさつの練習に余念のなかったジョセフ・ジョンさん(42)はインドからの研修員。「インドのスイカは少し楕円形をしていて、日本の方が大きく甘い。この技術を学んで持ち帰りたい」と意欲的だ。
稲作の圃場では、ようやく届いた夏の日差しに作業も本格化、早々に作業衣に着替えてしまう研修員も多かった。稲作コースには、出身国はシエラレオネやベナン、ガーナなどアフリカが多い。春から秋までの7カ月が研修期間で、窒素の施肥量に応じた収量状況などを調べ、レポートにまとめるまでを一気にこなすそうだ。JICA筑波では現在、約70カ国120人の研修員を受け入れているが、それぞれ国に戻れば官僚や研究者として技術を広める役目を担っているという。
▼JICA筑波「ちびっ子博士」2019は8月30日まで開催。特定日の体験プログラムの応募受付は終了したが、民族衣装コーナーでの着用体験等は常時受け入れている。電話:029-838-1111
