茎崎庁舎(つくば市小茎)と谷田部庁舎(同市谷田部)の跡地利活用について、つくば市は、民間事業者を対象に実施した対話型市場調査(サウンディング型市場調査)結果を発表した。茎崎庁舎跡地(約4850㎡)には5事業者から公共施設を併設したスーパーマーケットや、ドラッグストアなどの提案があった。谷田部庁舎跡地(約7900㎡)は10事業者からスーパーマーケットやドラッグストア、ホームセンターなどの商業店舗、健康増進・交流施設などの提案が出された。
市公共施設跡地利用室によると、今回の調査で出された提案を土台に、今後、地域説明会を開き住民の意見を聞いて検討を続けるという。一方、今回提案を受けた事業者とは引き続き協議を重ね、実現可能性などを検討する。公的利用、民間利用を含め新たな提案も引き続き受け付けるという。
調査はいずれも9月と10月に実施した。茎崎庁舎跡地は①庁舎跡地と保健センター用地、職員用駐車場も含めて一体的利活用を図り市窓口センターなどの公共施設を併設したスーパーマーケットを建設する②食品や日用品も販売するドラッグストアを建設する―などの提案があった。ただし同跡地は市街化調整区域のため建設できる施設に制限があり、今後、調整が必要になるという。ほかに高齢者福祉施設、植物園、エネルギーインフラ整備などのアイデアが出された。
谷田部庁舎跡地は①福祉施設や保育所などを併設したスーパーマーケット②ドラッグストア③ホームセンター④健康増進・交流施設―などの提案があった。市街化区域のためいずれも建設可能だが、国道354号線からの直接乗り入れを要望する事業者もあった。ほかに公的機関が入居する合同庁舎、子育てや介護などの複合型福祉施設、エネルギーインフラ整備などのアイデアが出された。
茎崎庁舎は2015年度、谷田部庁舎は13年度にそれぞれ解体、撤去された。跡地の利活用をめぐっては、市原健一前市長が09年6月に策定した「新庁舎建設に伴う現庁舎利活用方針」で、茎崎庁舎跡地はつくばエクスプレスとJR常磐線牛久駅とを結ぶシャトルバスの運行やサブターミナルとしての活用を検討するとされ、バス待合所を併設した市窓口センターと本格的バスターミナル建設に向けたの基本設計が実施された。谷田部庁舎跡地は一部を谷田部小グラウンドとして使用するほかバスターミナルやパークアンドライドの交通拠点として活用するなどとされた。
その後、昨年11月に初当選した五十嵐立青市長が「(茎崎のバスターミナル計画は)地区住民の意見と乖離(かいり)している」などとして見直しを表明。今年8月に谷田部庁舎跡地も併せて、利活用に向けた調査参加事業者の募集が実施された。(鈴木宏子)