金曜日, 7月 10, 2026
ホームつくば子ども食堂を継続するためには? つくばで聞く ジレンマと台所事情

子ども食堂を継続するためには? つくばで聞く ジレンマと台所事情

【橋立多美】「子ども食堂」が全国各地に生まれ、つくば市内では6団体が取り組んでいる。調理と食事ができるスペースを確保できれば始められる一方、担い手や資金の問題から継続することが難しいとされる。「継続するために知恵を絞り努力する」を活動方針に掲げて子ども食堂を運営している同市の市民グループ「竹園土曜ひろば」(毛利正英代表)の活動と台所事情を取材した。

子ども食堂は、無料または低額で食事を提供し、子どもたちの居場所となる。2014年に子どもの貧困対策法が施行され、表面上は見えない貧困層の存在が社会に認知されるようになった。一方、同年に厚労省が発表した子どもの貧困率は16.3%で過去最悪を更新し、6人に1人の子どもが貧困状態にある。

会話を交わしながら野菜を切るメンバーたち=同

第4土曜日の22日午前9時過ぎ、同市竹園の竹園交流センター調理室に包丁で野菜を刻むリズミカルな音が響く。6つの調理台で計量や調理、食器などを洗う作業が進む。三角巾とエプロン姿のメンバーたちが家庭科の調理実習のように楽しそうに口と手を動かす。11時を回るとハッシュドビーフ、トウモロコシご飯、ヨーグルトマヨサラダが完成。デザート用のスイカもカットされた。

同ひろばは、昨年6月に開催された竹園交流センターの講座「貧困の連鎖を断ちきろう―私たちにできることってなんだろう」を受講した市民たちが始めた。講師は龍ケ崎市で子ども食堂を実施している団体代表で「自分もできることを…」と集った。地域住民が交流し、子どもの成長を支援する食堂を11月にスタートさせた。中高年の男女9人が運営を担っている。

活動は月1回で同センターの和室で午前10時30分から午後2時30分まで。昼食は正午からの1時間で、前後に遊びや手作り体験などを取り入れている。料金は乳児無料、中学生まで100円 、高校生以上300円。提供する食事は30食ほどでホームページでの事前申し込みを優先している。活動が周知され、春から、開催1週間前にはいっぱいになるという。

近隣農家から寄付される野菜をベースに、調理師も加わってメンバーがメニューを考える。また調理のプロの安全対策を共有し、調理ボランティアには手洗いを呼び掛けるなど、徹底した衛生管理を行っている。

補助金や助成金が頼みの綱

子ども食堂が子どもの貧困対策としてすぐに効果を表すことは難しい。それは「貧困状態にある家庭向け」にすると参加しづらくなるためだ。多くの子ども食堂は誰もが参加しやすい食堂づくりを心掛けている。そのため支援を必要としている家庭に届いているか分からない、というジレンマが存在する。

代表の毛利さんは「つくば市には貧困で居場所のない子どもが約1200人いて、竹園周辺地区には100人弱いると想定できる。貧困層を見分ける術はなく、孤立しない(させない)ための食を通じた交流を継続して続けていく」と話す。貧困対策に絞った活動ではないことで、困っている施設や人に食べ物を届ける活動をしているフードバンクの支援を受けられない悩みもある。

毛利さんによると、毎月の活動にかかる費用は約1万5000円。コメや生鮮食品と調味料、参加見込み人数で加入するボランティア行事用保険などが占める。野菜を寄付してもらうことで肉や魚を購入できるという。

利用者が増えて毎回の食事代収入は8000円以上になったが、資金が足りず補助金や助成金が頼みの綱だ。昨年は市の子ども食堂支援事業補助金(年5万円で申請は3回まで)の交付を受け、今年はキューピーみらいたまご財団の助成金を受けた。

つくば市は今年度から、生活困窮世帯の子どもの支援事業を充実させるため「つくばこどもの青い羽根基金」を創設した。基金は市が実施する学習支援事業や子ども食堂などに充当する予定だが、現時点で、いつ、どう振り分けるかは不明だ。「活動の拠り所であるだけに基金の運用が気になる」と毛利さんは気をもむ。

◆次回は7月13日(土)に開催予定。竹園土曜ひろばのホームページはこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

ハチに刺され救急搬送 小中高生など15人 つくばの遊歩道

10日午前7時50分ごろ、つくば市千現1丁目の遊歩道(ペデストリアンデッキ)で、通学途中の小中学生や高校生と社会人計15人が、街路樹に営巣していたハチに刺され、救急車で市内の病院に搬送された。15人はいずれも軽症という。 市道路管理課と市消防本部によると、消防に通報があり、救急隊員が救急車6台で市内の病院4カ所に救急搬送した。15人は9歳から53歳で、入院した人はいないという。ハチの巣は消防隊員が駆除した。 ハチはアシナガバチで、街路樹の桜の幹が空洞になった、高さ1.2メートルほどの洞(うろ)に巣をつくっていた。撤去した巣の大きさは直径20センチほどだったという。なぜ襲ってきたかは不明。 現場は、つくば駅から約1.5キロの市道つくば公園通りの遊歩道で、市は周辺の街路樹に「ハチに注意してください」と書かれた張り紙を掲示し、注意を促している。巣があった桜の木には、粘着シートを設置し、巣に戻ってくるハチの駆除を続けている。 今後の対策として、遊歩道を管理する市道路管理課は「ペデストリアンデッキ(遊歩道)を重点的にパトロールし、市民が安心安全に利用できるようにしたい」としている。五十嵐立青市長は「被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げ、多くの方にご心配をお掛けし申し訳なく思います。今回の事案を受け、市民が安心して安全に利用できる環境の維持に努めます」などとするコメントを発表した。

給食に異物混入 つくば市の中学校

つくば市教育局は9日、同日昼、学校給食で出された豚汁に、長さ約10センチの金属のボールチェーンが混入していたと発表した。他に同様の異物混入の報告はなく、健康被害の報告もないという。 市健康教育課によると、同日午後0時45分ごろ、市内の中学校で、豚汁をほぼ食べ終わった生徒が、おわんの底にボールチェーンがあるのを発見した。 豚汁は、つくばほがらか給食センター谷田部が調理し、市内の幼稚園1園、小学校2校、中学校2校、義務教育学校1校に計3809食分が提供された。給食センターからは、円筒形の鍋の丸い食缶で各校に運搬され、異物混入があった中学校では、教室で給食当番の生徒が取り分け、生徒がそれぞれ自分の分をお盆に載せて配膳した。 同課によると、給食センターと中学校でそれぞれ異物が混入した経路を調査したが、9日夕方時点で混入経緯は不明という。市は同日、保護者に対しお詫びの通知文を出した。

土浦二、あと1本出ず敗退【高校野球茨城’26】

第108回全国高校野球選手権茨城大会は4日目の9日、2回戦が行われた。笠間市民球場では土浦二が下館工と対戦し、1―3で敗れた。土浦二はチャンスをつかむが、あと1本が出なかったのが響いた。 9日第1試合 笠間市民球場土浦二 000000010 1下館工 01002000× 3 土浦二先発の2年生エース小貫山昇汰は2回、下館工の根本明日真に2死2塁からタイムリーを許し、先制される。「初めての舞台で浮き上がってしまった。初回は良いリズムで入れたが、2回は制球がばらつき甘く入ってしまった」と小貫山。 1点を追う土浦二は5回、2死から岩瀬蓮がチーム2本目となるヒットを放つと、端佑太郎が四球を選び1、2塁とするが、続く飯竹航大が三振に倒れ、チャンスを逃した。その裏、土浦二は3安打を浴び、2点を追加される。 それでも小貫山はその後、立ち直り「ストレート、カーブ、スライダーを粘り強く投げ、良い投球が出来た」と話す通り、下館工打線を抑え、味方の反撃を待った。 7回、土浦二は2連打と相手の失策で無死満塁とし、この日最大のチャンスをつかむ。だが後続が凡退。あと1本が出なかった。 しかし8回、1死1、2塁で橋本真直が、インコースのストレートを振り抜き、ライト前に今日3本目となるヒットを放つと、埜口晴が生還して1点を返す。「2本ヒットを打っているので打てる気がして打席に入った」と橋本。だが反撃及ばず。9回は下館工の先発西本千起の投球に3者凡退に倒れ、3年振りの3回戦進出はならなかった。 8回105球を投げ抜いた小貫山昇汰は「昨年、一昨年とコールド負けしてしまった先輩たちの夏を終わらせたくないので、不甲斐ない投球はしたくなかった。来年は勝って先輩たちの悲願を果たせように頑張る」と来年の雪辱を誓った。  廣瀬頼一主将は「相手が上手とかではなく互角だった。エラーが点に繋がったわけではなく、不運な打球がヒットになり失点になってしまった。チャンスで取れる時に取れなかったのが痛かった」と試合を振り返り「3年間野球をやってきて楽しかった。力は出し切った」と話した。タイムリーを放った橋本真直は「自分は最後の試合で3安打して有終の美を飾ったが、チームが負けてしまって、悔いが残る終わり方になってしまった。笑顔の絶えない、楽しくて雰囲気が良いチームだった」と土浦二での野球を振り返った。 土浦二の相良真博監督は「チャンスは多くつくれていたが、1点目が入るのが遅かった。もう少し早く点が取れていたら、もっと自分たちに勢い、良さが出ていた」と話した。(高橋浩一)

土浦日大、順調な滑り出し【高校野球茨城’26】

第108回全国高校野球選手権茨城大会は4日目の9日から2回戦に入った。J:COMスタジアム土浦の第1試合では土浦日大が茨城キリストと対戦。10-1で土浦日大が7回コールド勝ちを収めた。 9日第1試合、J:COMスタジアム土浦茨城キリスト 0001000 1土 浦 日 大   000550X 10 土浦日大は序盤に硬さが見られたが、4回と5回の大量点で一気に試合を決めた。「何とか取ることができ正直ほっとした。夏の初戦で選手には緊張もあり、相手投手はコントロールが良く、5回くらいまでは点が入らないことも想定していた。1点入ってからはリズムに乗れた」と小菅勲監督の総評。 3回までは投手戦の様相だった。土浦日大の先発は嶋悠希。「チームの大事な初戦なのでいい流れで入り、後ろにつなげるよう意識した」といい、この日は変化球主体の組み立て。「少し打たれたが四球を出さず、自分の投球をしてくれた」と小菅監督。4回表に二塁打と単打、犠飛で1点を失ったが、これがむしろチームには良い刺激になったようで、4回と5回の猛攻につながった。 4回の土浦日大は1死から5番・青木智潤が四球で出塁、6番・林悠哉の左前打で一・二塁とし、7番・大立克輝の左前打でまずは1点。8番・高石涼太の左翼線二塁打で2点目、9番・河津直登が四球で満塁とした後、捕手の後逸で3点目。さらに1番・伊勢山暖の左前打と3番・吉田惺南の遊ゴロで2点を追加した。 「5点は計算外。打線の調子は良くなかったが、見逃すべき球は見逃し、打つべき球を打ってくれた」と小菅監督。1点目を挙げた大立は「先制されたことで開き直って行けた、自分のスイングがしっかりできた。打ったのはまっすぐ。相手投手は低めの球がいいので、高めに来た球を打っていこうと意識した」と振り返った。 5回は青木の左翼線二塁打から始まり、林の送りバントは敵失で生き、さらに盗塁で無死二・三塁。ここで大立が右翼線へ三塁打を放ち2点を追加。2死後に伊勢山の中前打で1点、2番・藤沢佑樹が中前打でつなぎ、吉田の左翼線二塁打で2点を追加した。「打ったのは高めのストレート。待っていたわけではなく反応で打った。知らず知らずプレッシャーがかかって硬くなっていたのかもしれない。1本出てほっとした」と吉田。「自分本位ではなく、チームのために打つ気持ちを思い出すことで、肩の力が抜けたのではないか。こういう経験をくぐり抜けていってほしい」と小菅監督。 投手は5回を板橋悠希、6・7回を小池陽斗が務めた。小菅監督の「機会があればなるべく多くの選手を登板させたい」との狙いからだ。「春はきれいに勝ちすぎたが夏はそうはいかない。第1シードといえどチャレンジャー精神を忘れず、1戦1勝で甲子園へつなげたい」と居住まいを正す。 次戦は14日、下館工との対戦となる。球場は未定。(池田充雄)