木曜日, 7月 3, 2025
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農福連携 つくばの2社が障害者雇用で取り組み

【山崎実】農業の生産現場で障害者を雇用する「農福連携」の動きが注目されている。今年2月には県農業総合センター(笠間市)で農業経営と障害者雇用をメーンテーマに講座が開かれ、つくば市西高野のHATAKEカンパニー(木村誠社長)など雇用に積極的に取り組んでいる3社と、障害者福祉施設が共同で仕事を受注する窓口となっている県共同受発注センター(水戸市)の関係者が、「農福連携」の現状と課題について意見交換した。

講座に参加したのはほかに、NPO法人つくばアグリチャレンジ(つくば市大角豆、伊藤文弥代表)と、おかの農園。サラダ用の野菜と、季節の有機野菜を生産からパッキング、販売まで行うHATAKEカンパニーは、ハウス14ヘクタール、露地90ヘクタールを経営し、社員は60人。パート100人体制で毎日出荷している。

福祉施設から約10人の利用者を受け入れ、直接雇用も現在4人いる。既に計量や袋とじの作業を任せられるなど、生産性の向上に貢献しているといい、「もっと多くの人に農福連携の情報を知ってもらいたい」(同社)と期待を込める。

畑7ヘクタール、田1.6ヘクタール、養鶏500羽を経営するつくばアグリチャレンジは、3カ所の農場を就労継続支援B型施設として運営する。畑では少量多品目の野菜を有機栽培し、野菜セットを近隣に宅配する。田んぼではコメを栽培、養鶏にも取り組み、3カ所平均で60人以上の障害者が働いているという。

同社は他にもレストラン、体験農園、農家の手伝いなどを引き受け、「障害者の働く場所をつくるだけでなく、地域の人たちと一緒にどのように暮らしていけるかを考えて事業を行っている」(同社)と将来を見据える。

県が運営費を負担し、B型施設(就労機会提供事業所)への仕事をあっせんしている共同発注センターが「農福連携」に取り組んだのは2011年からだが、仕事が少なく成約率が上がらないのが実情だ。昨年度は164件の仕事をあっせんしたが、うち農業関係はわずか11件だった。

同センターのコーディネーターは「農業側、福祉側共に(連携に)手探りであるため、初回に限ったお試し補助金制度があると、より理解と経験が深まるのではないか」と提言する。そのための予算獲得を熱望した。

昨年8月、中央省庁の障害者雇用水増し問題が発覚し、秋以降、2518人が採用されたものの、既に131人が退職していることが明らかになった。雇用促進を率先すべき旗振り役がこの有り様では心もとない。講座に参加した3社の取り組みは地道だが、「農福連携」の未来像を模索しながら多くのハードルを一つひとつ乗り越えて、新たな農業形態を生み出そうとしている。

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昨夏の主力残るもチームを再編 霞ケ浦 高橋祐二監督【高校野球展望’25】㊤

第107回高校野球選手権茨城大会が5日開幕する。今年も、強豪の霞ケ浦、土浦日大、常総学院の名監督3人にインタビューした。第一弾は昨夏の茨城大会を制し、甲子園で念願の初勝利を挙げた霞ケ浦高校の高橋祐二監督。注目の指揮官に、新チームの仕上がりや今シーズンへの手応えを語ってもらった。 OBが活躍 ー昨年甲子園で初めて1勝を挙げました。それも相手は名門の智辯和歌山です。この結果、チームや学校、周辺の地域にどのような変化がありましたか。 高橋 中学チームから今までにない数の問い合わせがあります。智辯和歌山に勝つってことはそれだけすごいことなんだと、それくらいのインパクトだったのだろうと思います。 ープロ野球でOBが目覚ましく活躍しています。 高橋 千葉ロッテマリーンズの木村優人が5月にプロ初勝利を挙げ、先日は阪神との交流戦で高校時代にたどり着けなかった甲子園球場で先発を任されました。また、広島東洋カープの遠藤敦志は球速が最速151キロまで上がったそうです。つい先日1軍に呼ばれたものの雨で流れました。また近いうちにチャンスがあるのではないかと思っています。先輩の活躍が後輩たちの刺激になっています。 無駄失点が多い ー今年のチームの強みをお願いします。 高橋 去年の甲子園メンバーが、ピッチャー、キャッチャー、ショート、センター、レフトと、5人残っています。秋は準優勝になって関東大会に進出しました。一冬越えてその他の選手の成長もあり、ポジションをチェンジするなどチームをつくってきました。 しかしまだ私が求めるレベルまで達していません。特にディフェンス面は正直いって不安な部分が大きいです。無駄な点数を与えない守りの野球がうちの信条なのですが、今年は無駄失点が多い。作戦面でも、勝てるチームの時は監督の意図を選手がよく理解してくれているのですが、今年のチームはちぐはぐなことがあります。大会までには私の考えを浸透させたいと思います。 ー打撃陣の鍵を握る選手は? 高橋 荒木洸史朗と大石健斗を上位に据えていて、この2人が得点に絡んでいけたらと思っていますが、チーム全体として調子が上向きとは言えません。昨年もこの時期に調子が上がってきませんでしたが、かなり練習で追い込んで大会を迎え、勝ち上がるたびに奮発して頑張ってくれて甲子園の切符を手にすることができました。今年も同じように、大会を通して調子が上がってきてくれたらと思います。 2番手に伸びてもらうこと必須条件 ーエース左腕の市村才樹選手はどうですか? 高橋 市村は体重が増えてスピードもアップしましたが、スピードを追い求めて全体のバランスを崩して思うようにいかない時がありました。まさに春の県大会で明秀学園日立に痛打されました。 その後、やはりスピードではなく、本来の持ち味であるボールのキレを意識するようになり、崩していたバランスが整ってきました。最近では県外の強豪校とオープン戦をやってもまとまった投球ができています。 ー2番手投手に名前が挙がるのは? 高橋 右腕の稲山幸汰です。昨年うちが甲子園に行けたのは、調子が悪いときも2番手として使い続けていた眞仲が、県大会から甲子園にかけて覚醒して救世主になったことが大きな理由の一つです。今年うちが勝ち上がるためには、稲山にもっともっと伸びてもらうことが必須条件です。眞仲のような覚醒を期待して送り出したいと思います。 新キャプテン誕生 ー秋と春の戦いから、夏に向けて何か変えたことなどありましたら教えてください。 高橋 春を終え合宿を行う中でスタッフと相談し、夏には新しいキャプテンで臨むことになり、昨年の甲子園を経験した鹿又嵩翔をキャプテンに指名しました。まだキャプテン就任から2~3週間しか経っていないのですが、彼の持ち味を発揮してチームをうまく回してくれていると感じます。 ー近年、東北地方出身の選手が多いですが、理由は? 高橋 コーチでOBの白川拓海先生が仙台大学出身で、東北地方の野球指導者とつながりがあって、ありがたいことにうちを薦めてくれることがあります。最近では秋田県や山形県出身の選手がうちの門を叩いてくれています。 一つも気が抜けない ー今年の茨城の勢力図はどのように見ていますか? 高橋 春に優勝した常総学院が頭一つ抜けた存在だと思います。 ー組み合わせの所感をお聞かせください。 高橋 Aシードのつくば秀英はもちろん、Cシードの土浦日大にDシードの守谷に加え、ノーシードの鹿島学園や日立一、下妻一、水戸商など、上位常連校がひしめく、一つも気が抜けない厳しいゾーンです。投手陣には頑張ってもらって、打線の奮起を期待するしかありません。 甲子園で二度、三度と ー最後に、応援してくれるファンや地元の方々へメッセージをお願いします。 高橋 皆様に支えていただき、去年甲子園で初めて校歌を歌うことができました。日本全国の霞ケ浦高校の卒業生2万9000人に、少しでも勇気と元気を与えられたことと、やっぱり応援してくれている地域の方や、霞ケ浦高校のファンの方に、少しでも恩返しができたかなと思っています。 今年も甲子園で一度と言わず、二度、三度と勝って、全国に霞ケ浦高校の校歌を届けたいと思っています。まずは茨城大会で優勝できるよう精一杯戦います。 【取材後記】昨年は良い意味で開き直って大会を迎えた霞ケ浦高校が見事に茨城大会を制し、甲子園で歴史的な1勝を挙げた。一方で、今年は指揮官の言葉からもわかるように、ディフェンス面や戦術の浸透といった点で、チームづくりに難しさを抱えている様子がうかがえる。しかし、昨年もこの時期にはチームの調子が万全とは言えなかった。そこから大会を通して一体感を深め、結果として覚醒した姿は記憶に新しい。今年も夏本番でどのような進化を遂げるのか、引き続き注目していきたい。(伊達康)