金曜日, 5月 1, 2026
ホームつくばオートリブ研究開発拠点が開所 つくば発 次世代自動運転車の安全技術開発へ

オートリブ研究開発拠点が開所 つくば発 次世代自動運転車の安全技術開発へ

【鈴木宏子】つくば駅前の旧ライトオンビル(つくば市吾妻、現L.Bizつくば)に入居した、世界最大手の自動車安全部品メーカー、オートリブ(日本法人本社・横浜市、デイル・スティーブン・クック社長)の研究開発拠点「ジャパンテクニカルセンターつくば」=2018年10月26日付=が同所で業務を開始し、9日オープニングセレモニーが催された。

オープニングセレモニーであいさつするデイル・スティーブン・クック社長

同社日本法人の中心となる研究開発拠点で、4~7階に入居し、2月18日から業務を開始した。かすみがうら市上稲吉の同社筑波事業所で研究開発に携わっていた技術者約270人が移転し、さらに今後3年間で約100人の技術者を新規採用するという。

事故を回避する先進運転支援システム(ADAS)車や自動運転車などに搭載するエアバッグやシートベルトなどの新しい安全技術を開発するという。自動運転車では、運転席と助手席、後部座席が向かい合ったり、座席を倒してくつろぎながら乗車するなど車内空間が変わると考えられていることから、次世代の車内空間に対応したエアバッグやシートベルトの安全技術を研究開発する。

特に日本では高い品質が求められることから、本社のあるスウェーデンの市場調査部門と協働し、市場調査なども実施して、さまざまな目線で品質を確保しグローバル展開していきたいとしている。2025年から30年ごろを目指して、つくば発の先行的技術を世に出したいとしている。

同センターは、4階に顧客との商談スペースや大会議室などが配置されている。5~6階はエアバッグ開発部門、7階はシートベルト開発部門。技術者がリラックスしたり、集中したりできるオープンスペースが各階に設けられているほか、各技術者が個別に国内外とテレビ会議ができるシステムなども備えられているという。技術者が開放的空間で快適に仕事ができるよう設計され、顧客に対しても、来たいと思ってもらえるような空間づくりをしたという。

オープニングセレモニーには、宇野善昌副知事、毛塚幹人つくば市副市長、在日スウェーデン商工会議所のマーティン・コス専務理事らが出席した。日本法人のクック社長は「オートリブ全体でもフラッグシップとなる開発拠点をオープンできた。つくばは都内からつくばエクスプレスで45分とアクセスが良く、研究者やエンジニアも多いので優秀な人材の採用にとても適している」と話し「一層お客様の要望にお応えし、自動運転など次世代自動車に必要な安全性の高い製品開発を続けたい」などとあいさつした。

手前は集中力が高まるとされる椅子が設置された会議スペース。奥は国内外とテレビ会議ができるテレホンブース。各階に配置されている(同社提供)
手前は会議スペース。奥は一人になって集中できるブース。各階に配置されている(同)
4~6階を見下ろせる7階の開放的な空間。奥は7階の屋外テラス(同)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

バイシクル・ダイアリーズ《ことばのおはなし》92

【コラム・山口絹記】大切な人から本格的な自転車を譲り受けた。いわゆるロードバイクというやつだ。防犯登録のため家の近くの自転車屋さんへと向かう道すがら、さっそくギアチェンジのやり方がわからない。軽くはできるのに重くできないものだから、高回転でペダルを漕(こ)いでいるのにスピードは徒歩と変わらない安全運転。前方から歩いてきた家族連れが怪訝(けげん)な顔でこちらを見ている。見せもんじゃねぇぞ。 登録手続きをお願いしながら手近な柱に自転車を立てかけようとすると、慌てた店長さんに制止された。(私の自転車の)フレームに傷がつくからやめてくれということらしい。「そんなたいしたものじゃ」と言いかけて、自分がこの自転車の価値を知らないことを思い出す。 無知を隠すつもりはないので、一からこの自転車の扱いを教えて欲しい旨を伝えると、店長さんが申し訳なさそうに「当店で購入されたものではないので、説明も有料になってしまうのですが」と言う。知識の提供に対価を支払うのは当然のことである。私は「払います。必要なものも全部買うので教えてください」と答えた。こちらはハナからいくらかかっても構わない腹づもりなのだ。 自転車のエンジンは自分自身 店長さんは自転車をスタンドに乗せると、丁寧にすべてのパーツの名称からその仕組みと役割、ギアチェンジの方法まで教えてくれた。また、年式を考えると、油圧ブレーキのオイルを交換した方がよさそうなで、ギアを切り替えるパーツも分解清掃した方がよさそうということらしい。そこまで自転車を操作しながら話していた店長は、立ち上がると私の顔を見て言った。 「正直に言うと、一度すべて分解して油を指し直して組み直した方がよいと思います。このバイクにはそれだけの価値がある。そうさせてもらえるなら、私もうれしいです」。私の答えはとうに決まっていたのだけど、先に聞いてみたいことを聞くことした。 「この自転車で、筑波山を登ることはできますか」「もちろん。3、4往復は普通にできます」。店長さんは誇らしげに答える。「それって、一度にってことですか?」。私が唖然(あぜん)として聞き返すと、「自転車のエンジンは自分自身ですから、もちろん自分自身を鍛える必要はありますが、このバイクはそれくらいのことを普通にこなしますよ」と、不敵な笑みを浮かべる。 ああ、この店に来て良かったと思った。ものごとの始まりにはいつだって、こういうやりとりが必要なのだ。私は「長く大切に乗りたいので、ぜひお願いします」と頭を下げつつ、「あ、空気入れもください。あと、空気の入れ方も」と付け加えた(言語研究者)

他食品の臭いが移ったと推定 牛乳の異味 土浦市学校給食

土浦市内の小中学校の学校給食に20日出された牛乳を飲んだ児童、生徒から「いつもと牛乳の風味が違う」など異味の申し出があり、そのうち8校の20人から体調不良の訴えがあった問題(4月22日付)で、同市教育委員会は30日、提供された牛乳の検査結果に異常はなく、異味の原因は、牛乳を製造したいばらく乳業(水戸市)が委託した先の冷蔵庫内で、野菜や果物など他の食品の臭いが牛乳パックに移行し異味を生じさせたと推定されると発表した。 これを受けて市は、4月21日から停止していた学校給食での牛乳の提供を5月7日から再開する。 同市学務課によると、いばらく乳業と第三者検査機関がそれぞれ、当日回収された牛乳や同社が保管していた牛乳の大腸菌群、生菌数、黄色ブドウ球菌などを検査した。検査結果はいずれも陰性だったなど異常はなかった。一方、風味については、いばらく乳業が官能検査を実施したところ、わずかな風味の差異があったという。製造設備や衛生管理に問題はなかったとしている。 同市はいばらく乳業に対し、冷蔵庫内で臭いの強いものと混蔵しないなど品質管理の一層の強化を申し入れたとし、いばらく乳業は、現在使用している委託先の冷蔵庫の運用を中止したとしている。 市によると、体調不良の申し出があった8校の20人は24日時点でいずれも通常通り登校している。

新業態のカフェオープン つくば市の建設業者

店内にガーデニングの新技術展示、営業時間外は時間貸し検討 つくば市内の土木・建設会社が5月9日、同市羽成の会社敷地内に新業態のカフェをオープンする。ガーデニングなども手掛ける浅野物産(浅野一重社長)で、浅野弘美専務は「郊外に立地するためカフェ単独での経営は採算的には厳しいものがあるが、店内でお客様とコミュニケーションし商談につなげるなど、企業全体としての相乗効果を考えたい」と話す。 カフェ店内や店頭には、ポット栽培の花が配置される。土を用いず、頻繁に水差しをしなくても保水を長期間維持できるスポンジと瓦チップを利用したポットで、ガーデニングの新技術を紹介する。地球温暖化を考える場とも捉え、来店客に温暖化対策を施した店舗であることを説明していく。カフェが営業していない時間帯は、店内スペースを団体や個人に時間貸しするなどの使い方も検討している。近隣の観光施設「つくば牡丹園」とも連携し、ちらしを置くなど相互に協力する。 カフェの名前は「Seasons(シーズンズ)つくばカフェ」。穏やかで心温まる豊かな時間を紡ぐ場所にしたいとネーミングした。6年前、中小企業診断士から、環境に配慮したカフェをつくったらどうかとの話があり、ずっとアイデアを温めてきた。昨年、実行に移した形だ。 建物は2階建てで、1階がカフェ、2階は事務所など。カフェの店舗面積は108平方メートル。客席は室内に20席、野外に15席設置する。2025年度の事業再構築補助金の採択を受け、自社で建築した。 メニューはドリンク、軽食を中心に、スープランチ、ホットサンドなどを提供する。お薦めはフルーツティー、ハーブティ、ソフトクリームなど。 浅野専務は「ガーデンニングも建築も自社で出来るのが強み。土木と建築がハード、会社敷地内にある庭・外構展示場『ここちテリア』がソフト、カフェがハブと位置付け、相互に連携させながら相乗効果を生み出していきたい」と話す。基本が建設業であることから、「居・食・住」を通じて心地よい暮らしと人のつながりを育む場所にしたい意向だ。 5月9日 ガーデンフェスタ 5月9日のオープン当日は花木の直売イベントなど「ここちガーデンフエスタ」を開催する。フラワーマーケットのほか、端材市、重機体験、いばらき若旦那のコンサートなどが催される。浅野物産は来年65周年を迎え、ガーデニング部門のここちテリアは今年10周年を迎えることから記念のイベントとする。 同社はこれまでも、全国の花木生産者を集めて直売イベントを開くなど敷地内のここちテリアでイベントを開いてきた。浅野専務は「以前は公共事業の受注がほとんどだったが、イベントを開催するようになったら、一般のお客さんも増えた。イベントはお客さんに事業内容を知らせる良い機会。当日はみなさんに楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛ける。 浅野物産は1962年に運送業として創業、68年建設業にも事業の幅を広げ、2016年には、理想の庭づくりを提案する「ここちテリア」を始めるなど、幅広い活動をしてきた。会社敷地内にはすでにギャラリーや貸スペースもあり、親子リトミックや園芸教室に貸し出すなど市民活動も応援している。独自の企画として年に1回「ここちガーデンフェスタ」を開催している。(榎田智司) ◆Seasonsつくばカフェは、つくば市羽成418-3の浅野物産敷地内に5月9日(土)オープン。営業時間は午前10時~午後5時。定休日は火曜と水曜。9日(土)、10日(日)、11日(月)はオープニングデーのため通常メニューと異なる、14日(木)から通常営業。 ◆ここちガーデンフエスタは5月9日(日)午前10時~午後4時、同社敷地内ここちテリアtsukubaで開催。問い合わせは電話029-838-1128(同社)へ。

水戸市とつくば市の今年度予算を比較《水戸っぽの眼》12

【コラム・沼田誠】3月議会が議了を迎え、新しい年度の予算が固まりました。みなさんの税金が、どの事業にいくら配分されるか、自治体ごとに一斉に決まる季節。元広報担当としては、個々の項目よりも、市のトップが市民に向けて予算をどう語ったかが、とても気になります。 今回は、水戸とつくばの市長が2026年度予算をどのように語ったのかを見ていきます。その前に、両市の一般会計当初予算の大枠を確認します。水戸は1308億円で、2年連続して過去最大となりました。つくばは1227億円で、7年連続で更新してきた「過去最大」が止まることになりました。 ただ、つくばの市税歳入は593億円(+4.5%)と過去最大を更新しており、総額の減少は税収の頭打ちではなく、大型投資が一段落した結果に見えます。具体的には、TX沿線の教育施設整備が一段落しました。詳細は本サイトの記事「…つくば市26年度当初予算案」(1月30日付))をご覧ください。 対照的な両市長の「語り口」 では、両市はこの予算をどのように語っていたでしょうか。その語り口は対照的です。水戸市長は、最重要課題に「人口減少問題」を据えた上で、「選択と集中」の下、限られた財源を「みとっこ未来プロジェクト」と「若い世代の移住・定住加速プロジェクト」に重点配分すると宣言しています。 具体的には、「医療・福祉」「教育」「救急体制」「防災・減災」などの言葉が並びます。減りゆく人口に抗うために、暮らしの「今」の基礎を厚く守る構えと言えるでしょう。 一方、つくば市は「未来への持続可能な投資」をテーマに、「量的拡大から質の高いサービスへ」「誰一人取り残さない」と理念を掲げた上で、児童発達支援センター、陸上競技場、スマートモビリティ、芸術文化創造拠点などの事業を将来の果実として説明しています。 会見で市長は「新規事業に大胆な投資をするというよりは、これまで行っている事業を着実に未来へつなげていく」とし、「査定は非常に厳しくし、予算要求からはかなり削らなくてはいけなかった」とも述べました。「未来」を掲げ、「量から質への転換」として語り直す姿勢が印象的です。 事業のビルド&スクラップ さて、「SIMふくおか2030」という、自治体財政について体験するシミュレーションボードゲームをご存知でしょうか? このゲームは、福岡市を舞台に参加者が担当部長役となり、話し合いで事業を選び・削り、傍聴者のジャッジを受けながら破綻しないように予算を組むというものです。福岡市の元財政課長が各地で開いていた「出張財政出前講座」が7年前に土浦であり、私はその際に体験しました。 そこで印象に残っているのは「ビルド&スクラップ」という言葉でした。自治体の財政規模は無尽蔵ではなく、社会の変化や災害などの緊急事態に対応するには、既存事業を止めざるをえない状況もありえます。ある政策を行うということは、別のある政策を行わないということと、意識的に判断しているのです。 「今を守る」vs.「未来を強調」 「今」を守る水戸市、「未来」を強調するつくば市。その結果、予算に載らなかったものは何か? 予算を見るとき、そのことにも想像力を向けてみる必要があると思います。(元水戸市みとの魅力発信課長)