水曜日, 5月 13, 2026
ホームつくば【シルバー団地の挑戦】13 住民の願い届かず つくバス改編

【シルバー団地の挑戦】13 住民の願い届かず つくバス改編

【橋立多美】「つくバスの団地内乗り入れがみんなの一番の関心事。高齢者が荷物を下げて、団地入り口の停留所から家まで歩くのは辛い」―。つくば市のコミュニティバス「つくバス」の4月改編に伴い、2月25日、茎崎地区の森の里自治会公会堂で行われた市民説明会での住民の発言だ。

改編の説明を聞きに120人の住民が公会堂に集まった=同

「団地入り口の停留所まで遠くて利用する人はわずか。団地内に乗り入れるのに2、3分しかかからない。利用者が増えれば運賃収入が増えて市の経費は抑えられる」などの発言が相次ぎ、発言のたび、集まった約120人の住民から拍手がわき起こった。

森の里自治会は、団地入り口にしか停留所がないつくバスを、団地内に乗り入れてほしいと市に申し入れてきたが思いは届かなかった。

赤線内が森の里団地。つくバスの停留所は赤線の下の部分

森の里住民が利用できるつくバスの路線は、同地区の茎崎老人福祉センターから牛久学園通りを走行してつくばセンターに至る「南部シャトル」。ルート上に「森の里団地入口」のバス停(図参照)がある。同団地は市内で最大規模の住宅団地で面積は25ヘクタールに及ぶ。中心部からバス停まで約400メートル。成人男性でも歩いて5分ほどかかる距離だ。場所によっては1キロほど離れている住宅もある。高齢者には過大な労力がかかり、買い物や通院に不便を強いている。

同団地内には5カ所の停留所があり、牛久駅に至る民間の路線バスが運行されている。しかしつくばセンター方面へ向かうつくバスのバス停は団地内にない。自治会は、つくバス改編に向けた地区別懇談会や説明会などで団地内への乗り入れを要望してきた。

この日、改編について説明した市総合交通政策課の職員は「乗り入れはわずか数分と言われるが他にも『団地入口』の停留所があり、同じように求められたら便数を確保できない」と答えた。

「諦めるが、運賃補てんはありがたい」

茎崎地区の公共交通改編の柱は三つある。一つ目のつくバス「南部シャトル」は、ルート変更はないが、牛久市域の「田宮町」やララガーデン(小野崎)近くの「小池」など7カ所にバス停が増設される。さらに混雑時間帯を考慮してダイヤが見直され、現行では概ね30分毎の64便運行が30~40分に1本になって56便に減る。

高齢化が進む茎崎地区はもともと牛久に生活圏を持つ人が多い。主に日中時間帯に高齢者の牛久駅方面への交通需要に対応するため、既存の4つの路線バスの運賃を、料金が安いつくバスと同等にし減収分を市が補てんする「路線バス運賃補填実証実験事業」と、牛久方面へのバス路線のない地域に31人乗り小型バスを運行する「新規路線バス実証事業」の二つが新たに始まる。

いずれの事業も4月1日から3年間実施されることから、説明に時間が割かれた。「運賃補てん」は市の補てん額を正確に把握するためICカード乗車券を利用することが条件で、カードの入手やチャージ方法の説明に熱心に耳を傾ける人が多く見られた。

森の里自治会の倉本茂樹会長は「つくバス乗り入れは諦めるしかないが、路線バス運賃補てんは高齢者に限らず誰もが利用できる制度でありがたい。団地乗り入れへの関心が高く123人が説明会に来てくれたが自治会会員の1割に過ぎない。再編に関わる情報は今月号の自治会広報で周知したい」と話した。

茎崎地区の補てん事業の当初1年間の予算は772万8000円。新規路線バス事業も含めると新年度3389万4000円を計上する。

➡つくバス改編の関連記事は2018年5月11日付同16日付19年1月18日付

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

過去最高益に 筑波銀行26年3月期決算

筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)は12日、2026年3月期(25年4月-26年3月)決算を発表した。金利の上昇や貸し倒れに備える与信関係費用の減少などから、当期純利益は単体で過去最高の65億円(前期比25億円、62.4%増)となった。 売上高に当たる経常収益は単体で前期比91億円(22.2%)増の500億円と、こちらも過去最高の増収となった。経常利益は同比29億円(66.6%)増の73億円。 銀行の本業によって得られる業務粗利益は、国内債券の損切り実施に伴い国債などの債権売却損が増加した一方、金利の上昇や与信関係費用の減少などにより単体で前期比2億円減の278億円となり、本業で稼いだ利益のコア業務純利益は前期比30億円増と過去最高の99億円となった。 貸出金の状況は、前年度末比911億円増の2兆2071億円で、住宅ローンなど個人ローンや中小企業への貸出が増加したことが主な要因となった。生田頭取は住宅ローンの増加について「TX沿線を中心に、東京に比べ、地価が安く購入しやすい価格帯にあり、比較的伸びている」とし、中小企業については「県南を中心に資金需要があり、『とことん支援』をうたい、ひざ詰めできめ細かく対応している」成果だと強調した。 預金・預かり資産の状況については、投資信託や生命保険などの預かり資産が増加したのに対し、預金は、茨城県が最も高い金利を提示した金融機関に定期預金などを預け入れる入札制を導入したなどから、公金預金が減少し、預金・預かり資産の合計は2兆9803億円になった。 一方、地域経済については、ホルムズ海峡封鎖など中東情勢の地域経済への影響について生田頭取は「足元では影響はほぼ出てないに等しいが、今後影響が出るであろうと思っている経営者の方たち結構な比率でいる。不安を抱えているお客様はいらっしゃるので、これについてはさまざまな支援を用意している」と話し、「心配ごとは中東情勢だけではない。そもそもモノが高くなり、人繰りで人がいなくて仕事が行きつかないなどがある。我々もいろいろな情報をキャッチしながら、ひざ詰めでやりたい」と話した。(鈴木宏子)

イチジクなんちゅうのは…《続・平熱日記》192

【コラム・斉藤裕之】毎年のように描いているもの。ナツツバキ、ドクダミ、クズの花、お茶の花…、そしてイチジク。「イチジクなんちゅうのは、家の周りのどこにでもあって、買ってまで食べるもんじゃない…」というのが私の正直なイチジク観。ところがカミさんはイチジクが好物で季節になると買ってくる。好きなものに文句も言えず、私はイチジクを描くことはあっても一度も口にすることがなかった。 夏のある日、近所の方から大変立派なイチジクをもらった。半分に割ったら鮮やかな赤い色が見えて、まずは絵を描いた。そしてガブリといってみた。とてもおいしかった。なぜ今までこれを食べなかったのか。 そんなことを知ってか知らずか、次女がイチジクの苗を買ってきた。イチジクが果物の中で一番好きだと言う。へー、初耳。しかし困った。次女は想像だにしていないだろう。イチジクがどれだけ奔放に枝葉を延ばすことかを。我が家のような住宅地では地植えは諦めるしかない。 とりあえず、大きめの鉢に植えて様子を見ることにしたが、春が近づくとイチジクにきれいな緑の葉が生え始めた。結局、山口の弟の家の敷地に植えることにした。 ロンドンの美術館は無料 春、山口滞在中に、ロンドンに赴任している姪(めい)夫婦が一時帰国した。母親はおいしい料理を作り、父親は異国の土産話を肴(さかな)に酒を飲む。「最近、絵を習い始めたんです…」と話すのは、休職して姪に帯同している義理の甥(おい)。美術とは全く無縁だった彼が最近絵を描き始めたと言う。きっかけは美術館なんだと。 なんと、ロンドンの美術館は誰でも無料で入れると言う。今や日本の美術館博物館には稼ぐノルマが課せられている。なんでもコスパ? そもそも芸術はその対極にあるものなのに…。文化の裾野を広げるには北風と太陽どっちが良策? 散歩がてら幾度も美術館に赴くうちに絵に興味が湧いてきて、とうとうデッサンの講座に通い始めたとのこと。描き始めたデッサンの画像を見せてくれたが、悪くない。その夜は彼とデッサンのことや好きな画家、ヨーロッパの美術館などについて楽しく語らった。 大きな実をつけますように さて、イチジクは漢字で無花果と書くが、花は実の中にあるらしい。つまり私が描いたり食べたりしているあの赤いツブツブの正体は花。自らの内に花を咲かせるなんて、ちょっと粋なイチジクだが、アダムとイブが最初に身に着けたのがイチジクの葉だったり、西洋ではさまざまな逸話に登場する象徴的な果実で、豊かさや知識の象徴とされることもある。 そういえば、南仏の山間で道端に生えているイチジクをもいで食べさせられたな。日本のものより青く小さかったが、見た目と違って甘く柔らかだったのを思い出した。 桜の咲くころ「大きな実をつけますように」と、いい場所を選んでイチジクの苗を地植えにした。何年かたって次女が忘れたころに、このイチジクの実を食べさせてやろう。あとは「弟が草刈り機で雑草と一緒に刈り取ってしまいませんように…」(画家)

U-23日本代表の大岩監督 つくばのサッカー少年を激励

つくば市スポーツ少年団サッカー部が主催するU-10(小学4年以下)世代の少年サッカー大会「セキショウチャレンジシリーズJC(ジュニアチャレンジ)カップU-10サッカー大会2026」が10日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで開かれ、市内のクラブチーム、レジスタレッドが優勝した。表彰式ではU-23サッカー日本代表監督の大岩剛さんがプレゼンターを務め、つくばのサッカー少年たちを激励した。 セキショウチャレンジシリーズJCカップU-10サッカー大会2026 決勝レジスタレッド 2-1 レジスタネイビー前半 0-0後半 2-1 今大会には20チームが参加、決勝戦には同じFCレジスタつくばから、レッドとネイビーの2チームが勝ち上がった。「同じクラブの仲間であり学年も同じ4年生。互いに負けられない気持ちで決勝に臨んだ」とレッドの杉山亮太監督。 前半は一歩も引かない戦いぶりで両者とも無得点。試合が動いたのは後半1分、レッドの佐藤劉佑さんのミドルシュートだ。ゴール前の混戦からバックパスを受け、「ワンタッチでうまくコントロールし、強いシュートを打つことができた」と佐藤さんの振り返り。「ふかさず、抑えの利いた良いシュートだった」と杉山監督。 ネイビーも負けてはいない。後半2分、柏崎蒼さんがレッド守備陣の横パスをカットしてゴール。ゲームは1-1の振り出しに戻った。すると後半3分、今度はレッドの秀島綾汰さんがパスを奪ってゴールを決めた。「落ち着いてきれいに流し込んだ。DFだが球際でファイトするスタイルが前線で生きた」と杉山監督。 その後はレッドが攻勢を強めるが、ネイビーのGK山本透璃さんが好セーブを連発、互いに追加点を許さないまま試合終了。「優勝を狙っていたので勝ててうれしい。予選からずっと無失点を続けてきたが、最後に1失点してしまった。もっと頑張れたと思う。今日できなかったことを今後に生かしたい」とレッドの坂野一心主将のコメント。 選手である前に素晴らしい人に 表彰式では、2年後のロサンゼルスオリンピックを目指すサッカーU-23日本代表監督の大岩剛さんが、優勝チームおよび各チームの優秀選手に賞品を授与し、「みんなも将来、Jリーグの選手や日本代表を目指すなら、選手である前に素晴らしい人であってください。あいさつができる、感謝の気持ちが持てる、自分のことは自分でできるなど。4年生なら自己紹介もできるようになってほしい。サッカーは自分の得意なことや、相手の嫌がることなど、プレーを通じて自己表現するスポーツ。いい選手になるにはそういうことも考えてください」とアドバイスした。 同大会は、試合出場の機会が限られるU-10世代にチャレンジ精神を発揮し勝利を目指してもらおうと開催されている。関彰商事は2017年から大会に協賛し、大岩さんが同社のスポーツアドバイザーを務めている縁から、子どもたちとの交流の機会が設けられている。(池田充雄)

手応えある勝利 つくばFCレディース 前期ホーム最終戦終え4位

関東女子サッカーリーグ1部のつくばFCレディースは10日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで前期ホーム最終戦を行い、FC十文字(本拠地・東京都豊島区)に4-2で勝利した。これでつくばは第3節以来の連敗を3で止め、通算成績3勝3敗とし、順位は8チーム中4位に上昇した。次節は17日、甲府市の山梨学院向町サッカー場で山梨学院レッドサンダーズと対戦する。 第32回関東女子サッカーリーグ1部 前期第6節(5月10日、セキショウチャレンジスタジアム)つくばFCレディース 4-2 FC十文字前半3-0後半1-2 つくばは前線からの連動したプレスと流動的なポジショニングでボールを保持し、体格で勝る相手を勢いづかせなかった。「前節までの引き気味で守るスタイルから変え、FWを中心に前からがんがん行くことで良い流れをつくれた」とDF野口ひかり。「ビルドアップ(攻撃の構築)を整理したことでボールを握る時間帯が増え、ゴール前に人数が入り込めたことが勝因。これをチームとして磨き上げていきたい」と志賀みう監督。 先制は前半23分。右サイド深くでパスを受けたMF坪井茉凛が、相手GKと向き合った状態から横パスを選択、これにFW佐藤美緒が合わせた。「中に自分しかいない状況なので絶対に決めるしかない。相手DFとの駆け引きで一歩ずらして、グラウンダーのクロスに先に触れた」と佐藤の振り返り。 このゴールが呼び水になったか、2分後の前半25分には早くも追加点。前線でこぼれ球を拾ったFW金子結愛来が、相手DFを一人交わしてゴール右角へ突き刺した。新入団の金子はこれが初先発で初ゴール。「練習の成果が出てよかった。FWの役割を果たすことができた」と喜び、「もっと決められる場面はあったので、それが課題」と反省も語った。 3点目は前半38分。コーナーキックからDF津田穂乃香が放ったヘディングシュートはバーに嫌われたが、跳ね返りに野口が合わせた。野口はつくばで2年目だがこれが初ゴール。「連敗していたのでどんな内容でも勝ちたかった。セットプレーからの得点がなかったので、自分が決められてよかった」と笑顔を見せた。 後半29分にはだめ押しの4点目。DF打桐菜海が敵陣で中へ切れ込みながら放ったクロスに、走り込んだMF中村真奈がダイレクトで合わせた。「打桐は守備ラインとGKの間に入れるのが得意なので、来ると思って飛び込んだ」と中村。この日はベンチスタートだったが、途中出場でも流れを変えるプレーができることを証明した。 後半アディショナルタイムに2失点を喫したが、これは積極的なメンバー交代など先を見据えてトライした結果といえる。「母の日なので、お母さん方に力を与える試合をしたいと思った。もっと強い相手にも落ち着いて自分たちのサッカーができるよう、日々の強度を上げてトライしていきたい」と志賀監督は前を見据える。(池田充雄)